人はなぜ怒るのか
怒りを感じる → 怒りの内容を分析する → 怒りに対処する
どうも人は年をとると怒りっぽくなる。若いときと違うのは自分が怒っているとことを冷静に認識していることだ。心理カウンセラーが著したこの本では怒りの原因を不一致による違和感に求める。
怒りの理由への洞察。期待値と一致せず、裏切られたと感じたときに怒りを感じる。「~べき」「~しなければならない」「~すべきではない」「~してはいけない」という規範意識が根底にある人ほど怒ることが多くなるのが基本原理である、という。
怒りを掘り下げていくと、恐怖や不安、心配や寂しさ、恥や罪の意識などの裏感情が怒りを強化している。それらの負の感情を意識的に軽減する練習をしよう、というのが本書の趣旨。怒りの上手な表現方法(事実、裏感情、欲求と願望を整理する;怒りを表現する ほか)やイライラをワクワクに変える22の方法(違和感を大切にする;自分のココロの声を言葉にする)を解説していく。
「中と大の怒りは練習によってかなり減らすことができます。しかし、日々の小さな違和感は生きていくうえで、ある程度避けようがなく、また、この違和感は、実は日常生活を快適に送るためになくてはならない、ありがたい道しるべにもなるものです。なぜなら、小さな怒りは、日々発生するさまざまな問題を小さな芽のうちに教えてくれる予防のための貴重なサインだからです。」
魔法のように抑え込むことはできないが、怒りとつきあうためのヒントブックである。読んでも全然解消しないじゃないかと怒らないで欲しい。こうした本を読んで怒りについて意識的になること自体が、怒りの制御に現実的で効果があるような気がする。
・いやな気分の整理学―論理療法のすすめ
http://www.ringolab.com/note/daiya/2008/11/post-775.html
・自己評価の心理学―なぜあの人は自分に自信があるのか
http://www.ringolab.com/note/daiya/2008/09/post-827.html
・アタマにくる一言へのとっさの対応術
http://www.ringolab.com/note/daiya/2007/09/post-632.html
・死ぬまでに知っておきたい 人生の5つの秘密
http://www.ringolab.com/note/daiya/2008/12/-5.html
・ムーミン谷の名言集―パンケーキにすわりこんでもいいの?
http://www.ringolab.com/note/daiya/2006/10/post-475.html
・もうひとつの愛を哲学する―ステイタスの不安
http://www.ringolab.com/note/daiya/2005/12/post-331.html
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