図解で分かるヒット商品の配色術
デジタルハリウッド大学教授で先端色彩研究室室長の南雲治嘉氏と同大学学長の杉山知之氏の共著。写真と図解を豊富に使いフルカラーでヒット商品の色彩をレビューしていく。
家電・機械、食品、生活用品、これから来る商品デザインの4パートに約60個の最近のヒット商品が並ぶ。1商品につき見開きで右側に大きく商品写真、左に配色のポイントを語るカラーチャート、南雲先生尾解説本文、杉山学長のひと言がある。メーカーの協力で入手したそうだが、商品の写真が改めて見るとこんなに美しいモノだったのかと思うくらいきれい。
収録商品はeneloop、iPhone3G、Vaio、Tenori-on、ポッキー、コカコーラ、雪見だいふく、カップヌードル、カロリーメイト、ブルドッグソース、お茶づけ海苔、お~いお茶、TSUBAKI、バファリンA、ジャポニカ学習帳、櫨ディア、金鳥の渦巻、マイルドセブンなど定番から新製品までバリエーション豊富。
eneloopの解説では、100%のエネルギーを表す白の配色とクリーンさを表すパッケージの青について、白は光の3原色すべてを含む最高のエネルギーを秘めた色であるとし、青は「また、クリーンエネルギーという意味で、最近はエネルギーを表す色は赤系ではなく、青系が使われることが多いのです。静かだけれど力を秘めているようなイメージです。一般的に電池は赤や金などが多く、ここまで真っ白な配色はなかったと思います。」という。そして右下のオレンジのワンポイントが補色でアクセントになっていることを指摘。各商品デザインの配色の持つ特徴やパワー、最近のトレンドを解説している。
「ヒット商品が生まれないのには理由があります。不景気の時代に、景気が良い時のままでは商品は動きません。つまり、景気の良い時の考え方で色を決めている限り、ヒットは不可能なのです。」。南雲先生に直接聞いたところでは、配色やデザインには周期性があって今は「赤」で「角張ったもの」が流行るらしい。
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