お笑いの世界に学ぶ教師の話術―子どもとのコミュニケーションの力を10倍高めるために!!

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「1980年代の荒れは、中学生たちが学校教師に暴力をふるい、校舎を壊すという非常にわかりやすいものでした。しかし、1990年代に火のついた学級崩壊は、小学生たちが先生の話を聞かずに、おしゃべりをし、立ち歩きを始めるという地味な荒れでした。教師がその対応に失敗してトラブルになることはありましたが、基本は私語とと離席という現象の発生でした」

飽きやすくなった子供たちには、わかりやすいだけではダメで、わかりやすさプラス「面白く」話す必要が出てきた。私語も禁じるのではなく、バスガイド嬢のように、私語が一杯の中でも、それを柔軟に対話に活かしながら、授業を進めるる姿勢が有効という。

そこで著者は、明石家さんまやビートたけし、みのもんたや島田紳助ら、テレビ番組で活躍するお笑い芸人や司会タレントの巧みな話術を研究して、教育の現場で使えるノウハウ集をつくった。

お笑いは「フリ」「オチ」「フォロー(つっこみ)」から成り立つ。「今まで教師は「オチ」を自分で担当しようとして失敗をしてきた。子供たちに「オチ」を担当させ、教師は「フリ」「フォロー(つっこみ)」を担当しよう」という路線である。脱線トーク、ツカミの技術、フリの技術、フォローの技術、キャラの技術、バラエティゲームなどにカテゴリ分けされて、ワザが紹介されていく。

たとえば「先生、その字間違ってますよ」と言われたら、板書している手をピタリと止める。手にはチョーク、体は黒板の方を向いたままである。数秒間、この体勢のままでいる。「先生、どうしたんですか?」という声が子どもから上がったら、黒板の字を何気なく消して、さらりと言う。「何かあったんですか?」」などという切り返しワザ。ミスに意地悪なツッコミを入れる学生は本音では先生に近づきたいので、先生側もちょっと意地悪なユーモアで切り返す。すると距離が縮まるというわけである。

基本は小・中学の教員向けなのだが、大学の授業や会社の新人研修、家庭での教育にも応用が効きそうなワザが満載である。いかに聴衆のアテンションを保ちながら、長い話を聞かせるかの技術論だから。

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このページは、daiyaが2009年3月22日 23:59に書いたブログ記事です。

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