次元とは何か―「0次元の世界」から「高次元宇宙」まで

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・次元とは何か―「0次元の世界」から「高次元宇宙」まで (ニュートンムック Newton別冊サイエンステキストシリーズ)
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次元の考え方から最新宇宙論までをビジュアル解説。ニュートン別冊。

デカルトは次元を「1点の位置を決めるために必要な数値の個数」と定義した。1次元(線)なら距離Xだし、2次元なら座標X、Y、3次元なら座標X、Y、Zで、1点の位置を決定することができる。

ユークリッドの『原論』は、次元を

立体(3次元)の端は面(2次元)である。
面(2次元)の端は線(1次元)である
線(1次元)の端は点(0次元)である

と定義した。しかし、こうした定義では3次元を超える次元を説明できない。アリストテレスは「立体は"完全"であり、3次元をこえる次元は存在しない」とまで論じていたという。

19世紀の数学者アンリ・ポアンカレは、ユークリッドを逆手にとって、次元を次のように定義し直した。

端が0次元になるものを1次元(線)とよぶ
端が1次元になるものを2次元(面)とよぶ
端が2次元になるものを3次元(立体)とよぶ
端が3次元になるものを4次元(超立体)とよぶ

この調子で5次元、6次元、無限次元までを定義することが出来るようになった。これは「点を動かすと線ができ、線を動かすと面ができる。このように、ある次元の図形を、その次元に含まれない方向へ動かすことで、もとの次元より一つ高い次元の図形をつくることができる。」ということでもある。よって立方体を動かせば4次元の超立方体ができるのだ。ただし3次元空間に含まれない方向へ動かす必要がある。

こうした次元の考え方の基礎から始まって、アインシュタインによる4次元時空論、力の統一、超ひも理論、ブレーン理論、巨大加速器LHCの実験の話までを、美しい概念図やイラストたっぷりに、かみ砕いて教えてくれる内容。

これを読み終わると、この世界は4次元(3次元+時間)ではなくて、実は10次元なのだという最新物理学の仮説の意味が理解できる。残り6つの次元は極小レベルで折りたたまれているのだ。ワープする余剰次元モデルを提唱するリサ・ランドールの長文インタビューを巻末に収録している。

わかったふりをしてきた部分が、要点整理とビジュアルで本当にわかる本だった。宇宙論の本の副読書としておすすめ。

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このページは、daiyaが2009年3月25日 23:59に書いたブログ記事です。

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