徹底抗戦(堀江貴文著)、本人 vol.09(西村博之特集)
現代は当事者と専門家の発言が面白い時代だと思う。
今日は当事者の本人力たっぷりの2冊。今が旬。
逮捕から3年、ライブドア事件の真相を堀江貴文氏自身が語る。
フジテレビ買収騒動について
「フジテレビ買収は、テレビ放送にライブドアのURLを貼りつけたかっただけ。」
後任になった平松元社長について
「たしかに平松氏は事件の容疑者にはなりえない人物ではある。しかし、彼はネットのことも、ファイナンスのこともほとんどわかっていない人だった。周りが推したのかもしれないが、辞退すべきだったのではないかと思う。」
元経営パートナーの宮内氏の裏切りに対する憤りと疑問。
「彼らがこのようなことをした理由が、私には未だにわからない。ライブドアの上場によって私の保有資産が大幅に増えた(私の保有株の価値が高騰したから。当たり前だが、株価が上がっても、それを売却しなければお金が得られないのに)ことを、彼らは羨ましいと思っていたのだろうか?」
2ちゃんねる創設者の西村博之氏に3万字のロングインタビュー。(この号には他に堀江氏がコラムを寄稿している。)
訴訟で戦った"切込隊長"氏について
「結局いちばん得をするパターンっていうのは、とりあえず相手がなにもやらない限りは、こっちからは攻撃しないっていうことだと思うんですね。<中略>だから僕は、基本的には先に殴るような行為はしないんですが、切込隊長の場合はその瞬間のいちばん大きいメリットをとっちゃうので、長期的な損が発生する方向にいっちゃうんですよ。 それが僕と彼のうまが合わなかった最大の原因だ、ということだったんですけどね。」
対談企画を断ってきた梅田望夫氏に対して
「毎日新聞とはだいぶ違うけど、梅田望夫さんだってポジショントークでしょう。<中略>もともとあの人って、コンサルタントじゃないですか。だからインターネットはこれからうまくいきますよとお金を持っている人に言って、投資をお手伝いしますよ、その代わり手数料をくださいというビジネスでしょう。そうすると、インターネットは夢がありますって言わないと仕事にならないじゃないですか。」
ホリエモン氏とひろゆき氏。やはり特定の誰かについて感情を持って話す部分が強烈に面白い。二人とも自分が世の中にどう見えているかを強く意識して発言をするタイプに思えるが、本の中では敢えて他人を非難、批判している。波風立てまくっている。
実はこの性格、発言スタイルこそ彼らの強みなのではないか。二人が各分野で大きなことを成し遂げたのは、自分で立てた波風をメディアやコミュニティを使って増幅していったからのように思えるのである。
時代の寵児となった二人の人柄がみえて週刊誌的好奇心を満足させられる二冊。
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