板書の極意
本書の板書は学校で生徒がノートに写すために先生が書く黒板の話ではない。ビジネスシーンで、聴いて、書いて、考える、そして協働をうながすための「板書」=ファシリテーショングラフィックである。だからファシリテーション・グラフィッカーはみんなの話す内容を書く役割であり、受け身の記録係「書記」ではない。
「文字を囲んだり、矢印を使ったり、これは誰でもごく自然に、あたりまえのようにやっていることですが、その意義が「話の展開を見せるためにある」と考えてやれるようになると、今まで以上にわかりやすく、打ち合わせの場をリアルタイムに映し出す表現方法となります。」
よくつかうテンプレート、囲みや矢印、簡単なイラストのサンプル、アイデアがいっぱい紹介されている。線を引いて升目をつくり日付を書き込んで即席カレンダーにするというワザを早速使ってみた。ホワイトボード上で予定をつくるのが簡単になった。みんなの話を絵や図にするパターンをいくつか知っているだけで、自然とその人物は議論をリードしやすくなる。そして何より絵にするために人の話を聞くようになる。
「実は、人の話を聞きながら、自分の話したいことを考えている間は、本当に相手が言いたいことが頭に入っているとは言えません。ひと呼吸入れるつもりで、まずは人の喋っていることに集中して意識を向けてみる。板書の極意は、この「聴く」姿勢にあります。」
私はある大企業の研修に講師として参加したときに、プロのグラフィックファシリテーターの人と仕事をしたことがある。グループのディスカッション内容がリアルタイムにわかりやすい絵や図に変換されていく高度な技術に参加者は感嘆していた。自分が話すことがそのまま絵にしてもらえるのは楽しいし、実のあることを話そうという気にもなる。意見がいっぱい涌いて出てきた。
・モヤモヤ議論にグラフィックファシリテーション
http://gihyo.jp/lifestyle/serial/01/graphic-facilitation
・グラフィックファシリテーション
http://www.graphic-facilitation.jp/
そのプロのグラフィックファシリテータ ゆにさんのサイト。プロのワザを見ることができる。
論理より感性で組織をリードしたい人に向いているメソッドだと思う。
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