夢をかなえるゾウ
不覚にも100万部売れてから読んだ。これ傑作ではないか。
なぜ今までこの本を読まなかったのかといえば、作者の水野さんを知っていたからだ。
私の記憶では、4年以上前、彼は持っている服を全部浜辺で燃やして全裸で海に浸かりながら「リボーン」と叫ぶ"ミズノンノ"であり、竹刀を片手に性愛を語る熱血教師水野愛也だった。何度か私と田口さんが主宰するイベントにきてしゃべってもらったことがあった。
・2004年05月21日 おしゃれ会議 満員御礼に感謝 報告第1弾
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/001557.html
「ミズノンノって誰?という方は勉強が足りません。あのミズノンノです。上のURLで確認してください。まあ、そういう事情で、持っている服をすべて燃やしてしまい、過去の手持ち服にとらわれないファッションの達人になると宣言しリボーン!した彼なので、今日も服がないのでジャージで登場。なにか叫んでいたのですが、すいません、覚えてません。彼自身がエンタテイメントなので、何か叫んでいたで十分でしょう。言葉を超えています。事情を知っている人は大爆笑、知らない人はあっけにとられて口をポカーンとされていました。成功です。彼はすでにベストセラー作家なのですが(ついでに言うと慶応出のインテリのはずなのですが)、おしゃる技術でリボーンして新たな前人未到の世界を切り拓こうとしています。今年後半で、もしかするとメディアで大ブレイク、来年の今頃は雲の上の人である可能性ありで、無敵会議実行委員会としては、彼に賭けており、その行く末を今後も見守らせていただこうっていうか次回も出てください、と思っております。」
このミズノンノが夢をかなえるゾウの作者の水野敬也氏である。4年ほど経ってミリオンセラー作家、本当に「雲の上の人」になってしまった。私はうっかり年下の変人が書いた自己啓発本だからということで、不覚にも昨日まで読まなかったのであった。
自分を変えたい"僕"の前に突然現れたぐうたらなゾウの神様ガネーシャは、自分を変えるための課題を毎日一つ出してくる。課題の中身は「靴を磨く」「募金する」「人を喜ばせる」など誰にでもできる当たり前の内容ばかり、本当にこんな神様の言うことで自分を変えることができるのだろうか?。半信半疑に思いながら部屋に居着いたガネーシャと奇妙な共同生活を始めるというストーリー。
僕とガネーシャのコントのような軽妙なやりとりの中で、現代人の人間心理の深く分析する記述が次々に出てきて驚かされる。なぜ自分はなかなか変えられないのかというところから始まって、変わるとはどういうことなのか、そもそも変わることに意味があるのか、という根源的な問いかけにまでおりていく。成功哲学本にありがちな成功者の嫌らしさがなくて万人が受け入れやすい内容になっている。万人というか100万人が読んだわけだが。
というわけで万人におすすめ。
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