歴史Web―日本史の重大事件がホームページになった!
「なんと、二千年前からインターネットがあった!?」
この本には、このたび発見された弥生時代から江戸時代までの、200ページ以上のホームページが掲載されている。邪馬台国や鎌倉幕府のオフィシャルサイトや、縄文時代の個人サイト「私の土器コレクション」、清少納言のブログ、関ヶ原の戦いのスレ、武将の人気状況がグラフででる「戦国検索くん」、パスワード保護された「大奥」サイトなど、いかにもネットにありそうなデザイン。
重大事件ではいくつものページが掲載されていて流れがわかる。たとえば明智光秀の「十兵衛日記」は信長に対する不満たらたらのブログが、本能寺の変の当日には「接続が集中し、大変つながりにくい」状態になる。そしてその11日後には「管理者により削除」されている一方で、「秀吉のさるさる日記」には殿の仇を討ちとってやったりの報告が出ている。
予備校講師らが制作しているので、ジョークとはいえ細部も真面目に作り込まれている
。著名人のブログの外部リンク先だとか、バナー広告の中身、コメント書き込みなど、初見では見落としてしまうところで芸があって楽しい。2時間くらいで読んで読めたと思うなと著者が書いているように、こだわって作られている。
・「ちょwww豊臣」「義経サマ萌え」――ネットの住人目線で「歴史を身近に」
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0802/15/news092.html
この本についての著者インタビュー記事。画面紹介もある。
大人が楽しく日本史のおさらいになる。受験生の息抜きにもよさそう。細かいツッコミに笑いながら、まじめな学習効果が期待できる本のように思う。
パロディとしての歴史サイトの書籍というコンセプトが愉快だ。本当にここに出ているようなWebを実際のインターネットに作っても、意外にはずしていた気がする。書籍でやるからユーモアが生きているんじゃないかな、これは。
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