世界のスピリチュアル・スポット
写真主体の全編カラー250ページ超の大判ビジュアルブック。この値段でこのクォリティを実現したランダムハウス講談社は素晴らしいと思う。倍の価格くらいの価値はあると感じた。ビジュアルに息をのみ、魅了される体験がしたい人におすすめ。夜中にひとりで空想の世界に飛ぶのに最適。
「「世界のスピリチュアル・スポット」では、地球上で最も力があり、畏怖の念を呼びさます地を選び、壮大な写真とともに世界をめぐる巡礼の旅へと案内する。ここで取り上げている場所は、そのいずれもが平安と力をたずさえた場所であり、祈りと儀式のための場所だ。こうした土地は私たちに、神なるものや未知のものについて語りかけてくる。そして、人と世界とのかかわりという大いなる謎の中で、私たちに喜びを与えてくれる。」
なお、「スピリチュアル」というタイトルになっているが、トンデモ系スピリチュアル要素はまったくない。解説文は百科事典風に撮影地の歴史や文化を客観的に説明しており、写真も抒情感を排したナショナルジ・オグラフィック風だ。「アラスカのランゲル=セント・エライアスの凍てつく景観からギザの灼熱の砂漠まで、そしてヨルダンの岩山の裂け目からペルーの山岳の寺院に至るまで」聖地と呼ばれる場所を巡礼する。敢えて精神性が演出されなくても、それぞれのスポットが放つオーラだけで十分なのである。
・地球のすばらしい樹木たち―巨樹・奇樹・神木
http://www.ringolab.com/note/daiya/2007/03/post-535.html
ビジュアルブックとしての完成度はこの本に匹敵する。
ところでこの本に取り上げられたのは世界の超A級スピリチュアル・スポットばかりだ。遠い外国や秘境ばかり。実際にはそう簡単に行けない場所が多い。そこで、私は最近、神奈川県の近所にB級スピリチュアル・スポットを発見したので、ここに紹介したい。
・田谷の洞窟(正式名称は瑜伽洞、写真をクリックでWikipediaへ)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%91%9C%E4%BC%BD%E6%B4%9E
東海道線 大船駅から徒歩の「田谷の洞窟」だ。大きな洞窟が近所にあるということは子供時代から聞いていたのだが、先日はじめて実際に訪問できた。「田谷の洞窟」で検索すると、体験者の多くが「B級だが感動した」という趣旨の感想を書いている。私も同じ所感である。
・幽玄の巨大地下迷宮「田谷の洞窟」【神奈川】 :日本珍スポット100景-B級スポット観光ガイド-
http://b-spot.seesaa.net/article/14610397.html
洞窟内部は写真撮影禁止なので絵で紹介できないが、入口でローソクを点けて棒の先に刺し、その灯りだけを頼りに全長1キロの真っ暗な巨大洞窟を巡る。壁にはいつの時代のものともわからぬ(パンフレットを読めば説明はあるが...)修行者たちが彫った仏像や碑文が無数に存在する。
この洞窟は「鎌倉時代に真言密教の修行場として開鑿されたのが直接の起源」だが、古墳時代に作られた横穴墓という説もある。手に持ったローソクの火のゆらめきを見つめながら、ゆっくりと30分かけて一周すると、まるで黄泉の国を巡って帰ってきたような気持ちになる。
・晴れた日は巨大仏を見に
http://www.ringolab.com/note/daiya/2008/05/post-748.html
近くにある大船観音と一緒に訪問すると、大船はかなりスピリチュアルな場所なのだなあ(たぶん)。
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