一冊のノートで始める力・続ける力をつける―人生も仕事もうまくいくアイデアマラソン発想法
・一冊のノートで始める力・続ける力をつける―人生も仕事もうまくいくアイデアマラソン発想法
ここ数年実践している「アイデアマラソン」メソッドの創始者、樋口さんの最新刊。
「新しいことをしようとする場合の、基本の原案は、どうもパソコンよりも、ノートの方が使いやすい。計画の内容がどんどん詳細になっていってペンで細かく追記して、詳細計画の項目の肩が触れ合うような緻密な計画になってくる。」
写真術の本でデジタルカメラよりもフィルムカメラの方が、フィルムを惜しんで一枚一枚構図や露出をを考えて写すから、上達が早くなるという話を読んだことがある(逆だという人もいるが。)。メモに置き換えると、パソコンで書いた文字は簡単に消せるが、ノートにペンで書くと消せない、という違いも大きいと思う。ノートに書くときの方が、なんとか形にしなければいけないという想いが強く作用すると思う。
ペンや紙との摩擦を手に感じる身体性や、視線の方向の違い(ノートは下を向く、PCモニターは正面を向く)も大きそうだ。どちらがよいというよりも、発想に詰まったら方法を柔軟に変えてみるのがいいのかもしれない。
なんでもデジタルで処理することが先進的な時代は終わった。今は上手にアナログとデジタルの使い分けができることが大切だ。この本ではアイデアマラソン実践に際して、紙のツールとしてのノートを、デジタルのツールとどう融合させて使っていくかが書かれている。
たとえば「仕事でも、待ち時間が決まっているような場合には、その短い時間に、簡単に処理ができる仕事を挟む。たとえば、パソコンのスイッチを入れる前に、ノートを拡げる。ノートを拡げ終わってペンを取り、それからパソコンのスイッチをいれるのだ。そうすれば、パソコンが立ち上がるまでの電子の速度としては異常に長い数分間を、ノートを見ていて思考する時間に充当できる。」。
これは私も最近実践を始めたノウハウだった。付箋とノートを身の回りに偏在させる。会社と自宅で1日2回PCを起動させるので、1日2つ月に数十本はアイデアを増やすことができる仕組みだ。大した発想がでなくても作業前の脳のアイドリングになる。
無駄なコピー印刷は減らすべきだが、アイデアを書きだすメモやノートは、過剰なくらい用意して、オフィスや自宅に置いておくというのが2台目のパソコンを買うよりもずっと安くてずっと効果がありそうだ。
始める、続けるということが主軸のまとめ方なので、季節柄フレッシュマンに特におすすめの一冊である。
・普通の手書きメモがデジタルに エアペン アイデマアラソン スターターキット
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/005043.html
・企画がスラスラ湧いてくる アイデアマラソン発想法
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/000904.html
・「金のアイデアを生む方法 "ひらめき"体質に変わる本
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/004920.html
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