カノン

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・カノン
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「学生時代の恋人が自殺する瞬間迄弾いていたバッハのカノン。そのテープを手にした夜から、音楽教師・瑞穂の周りで奇怪な事件がくり返し起こり、日常生活が軋み始める。失われた二十年の歳月を超えて託された彼の死のメッセージとは?幻の旋律は瑞穂を何処へ導くのか。「音」が紡ぎ出す異色ホラー長篇。

芸術作品に込められた怨念は篠田節子のお得意のパターン。「神鳥―イビス」は見たものにとりつく魔性の絵画がテーマだったが、こちらは聴いたものにとりつく音楽の話である。カノンといえば「カエルの歌」の輪唱が基本だ。単純なカノンは耳に残りやすい。一度脳内で再生されると止まらなくなる。

高度な作品では最初のメロディをリズムを2倍にして追いかけたり、譜面を上下逆さにしたメロディを使うなど、音楽の中に仕掛けがある。この作品では死者が演奏したバッハのフーガの技法「拡大・反行の2声カノン」の録音テープを逆回転させると不思議なことが起きる。ゴシックホラーならぬバロックホラーの傑作。

ときどき亡くなった歌手の話題として「○○さんの曲を逆に再生すると女の人の声が聞こえる」などという噂が広まったりするが、逆回転やスロー再生すると、そこにメッセージが込められていることがわかることは実際に、バッハがやっていたのだ。

早速、「拡大・反行の2声カノン」を購入して、逆再生してみようと思ったがやり方がわからないので検索してみると2ちゃんねるにこんなスレッドを発見した。

・逆向きに聴くビートルズ
http://bubble6.2ch.net/test/read.cgi/beatles/1172971557/

ビートルズを逆向きに再生して感想を報告し合うスレッドが盛り上がっていた。ビートルズはテープの逆回転を効果として作品に取り入れていたため、意外な発見があるそうだ。
・Podcast編集に使えるフリーのオーディオエディタ・レコーダー Audacity
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/003714.html

Audacityというフリーソフトウェアを使うと逆再生が可能らしい。このブログを書き終わったら試してみよう。なにか聞こえちゃったらどうしよう。

・弥勒
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/005292.html

・ゴサインタン―神の座
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/005260.html

・神鳥―イビス
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/005177.html

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このページは、daiyaが2008年4月17日 23:59に書いたブログ記事です。

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