怪獣記
これは文句なしにおもしろい。
誰も知らないようなマイナー未確認動物(UMA)を追いかけるのがライフワークの作家 高野秀行による未知動物探索紀行。目撃者の個人情報が掲載された研究書を発見したことがきっかけで、トルコ東部のワン湖に現れるという、巨大な水棲獣ジャナワールを探しに探検隊は調査旅行へ出発する。
現地では「ジャナワールを探しに来た」と言うたびに、笑われ馬鹿にされる一行。それでもめげずに、研究書を書いた怪しい教授や、怪獣を見たと証言する50人もの人々を探し出して真相に迫る。いるわけもなさそうなマイナー怪獣を、大の大人が大真面目に探し回るドタバタが愉快。行く先々で起きるハプニングと意外な発見。探検は後半で予想外にシリアスな急展開を見せたりして、世界はまだまだ探検を待っているのだなあと引き込まれる。
川口浩や藤岡弘、の探検隊シリーズのファンは必読。