タイムマシン開発競争に挑んだ物理学者たち
タイムマシン開発に取り組んだ科学者たちの歴史を時系列でまとめた読み物。主な登場人物はニコラ・テスラ、アインシュタイン、エディントン、ホーキング、キップ・ソーン、リチャード・ゴットなど。
理論的にタイムマシンが実現可能かどうかは現代の物理学者の間でも意見が分かれている。これまでに考案されたタイムマシンの原理の多くは、とてつもなく大きなエネルギーを使って時空をねじまげることである。ブラックホールやワームホールのような天体を利用するアイデアがいくつも考えられてきた。あるいは光より速い粒子”タキオン”を発見して利用するという考え方もある。
もうタイムマシンは完成しているという話もでてくる。
・ローマ教皇庁が一流科学者の手を借りて過去をのぞくカメラクロノバイザーを完成させていた
・ニコラ・テスラはタイムトラベルを体験していた
・ロシアの科学者が開発した最新タイムマシン装置でネズミを数秒だけ未来へ送ることに成功した
などという怪しいエピソードが実態とともに紹介されている。
現実に実現可能性が高そうなのは、原子以下のレベルでのタイムトラベルである。たとえば量子テレポーテーションは、情報を時間経過なしに別の場所へ送信する技術であるが、もしその情報を元に物質を再構成できるなら、時空を超えて移動したことになる。ごく微小な物質レベルでは、タイムマシン、タイムトラベルが今世紀中に証明されるかもしれない。
タイムマシンという夢の乗り物を作る科学者たち。そのの試行錯誤を通して、先端の難解な研究をやさしくひもといてくれるおもしろい科学読み物。
・タイムマシン
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/004825.html
・タイムマシンをつくろう!
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/003584.html