「感じがいい」と言われる人の話し方
「若いカップルがデートしたとします。食事に行った先で、
・「僕は中華がいいや」と言って、先に店に行ってしまう男性
・「君は何が食べたい」と、まず女性の意向を尋ねる男性
・「僕は中華がいいけど、君は?」と自分の意見を言って相手の意向も尋ねる男性
さてあなたが女性なら、どの男性が好みでしょうか?」
アンケートを取ると、一番人気は3番目、次が1番目、最も不人気なのが2番だそうである。相手に配慮しながら、引っ張って行ってくれる人が人気があるということだ。
これは私もはじめて女性とつきあった頃に考えた問題だったなあと思いだした。当時は相手を気遣うサービス精神の2番がよいのだと勘違いしていた。実際には女性が食べ物によほどこだわっているのでもない限り、意思決定のリスクを相手に押し付けてしまっていて不親切なのである。
著者は「これからは、「頭がいい人」よりも、「感じがいい人」のほうが重宝される時代なのです。」として、ビジネスや生活シーンで感じよくなるための秘訣を語っている。主に話し方を教えているが「プロっぽい話し方は嫌われる」から気をつけましょうと言っている。
「郵政を民営化したいと思っています」が、「必ず民営化します」となるのが雄弁術です。しかし、「感じがいい人」と思わせたいのなら、あくまで意見は意見として正しく伝えるべきです。そのほうが「誠実」なのです。そして誠実というのが、感じがいい人には欠かせない条件です。」
雄弁術に長けてあまりにテキパキと話す人、話に論理的でスキがない人というのは、好感度という点では必ずしも高得点ではないということである。
やめるべき口癖リストが参考になった。たとえば「ていうか」。「「最近、田中さん頑張ってるよね」「ていうか、努力してますよね」」みたいなのは不快だという指摘。親密さを演出するつもりで「ていうか」を私もつかってしまうことがあるのだが、人にやられると楽しくなかったりする。「ていうか」はやめよう。
「感じのいい人」の極意として「まずはあなた自身が「感じのいい人になろう」とする前に、相手、周囲の人に対してあなたが先に「この人、感じがいいな」と思うことです。」と結論されている。感じのよさとは、他人のいいところに感心する能力のことなのかもしれないと思った。