すぐわかる作家別写真の見かた
「写真の誕生から20世紀までの写真の流れを、代表的な写真家の作品を通してわかりやすくたどる。写真家のエピソードや言葉を紹介しながら、隠された姿を浮き彫りにし、同テーマの日本の写真家もとりあげる。 」
現存する世界最古の写真はこれ。
1827年にニセフォール・ニエプスが自宅の窓から撮影した。
ニエプスは、写像をスケッチするために画家が使っていたカメラ・オブスキュラ装置を改良し、金属板に画像を定着させることに成功した。この時期は長時間露光(8時間〜20時間といわれる)が必要であったので、黎明期の写真は風景写真が多い。
そして世界最初の実用的写真技法であるダゲレオタイプが発明され、露光時間は1、2分になり、一般人も使うことができるようになった。これは1837年のダゲレオタイプ作品。
この本は、この一枚から始まって現代まで、60人の代表的な写真家と作風、作品紹介が続く。南北戦争の戦場の写真まである。地面に死体が転がって、遠く向こうに騎兵らしき姿がぼんやりと見える。既に写真があったのかと驚かされた。
・南北戦争−死の収穫、ゲティスバーグ
http://www.rekibun.or.jp/promotion/archive/arch-photo4.html
東京都写真美術館提供で実物が見られる。
記録に始まった写真だが、早い段階で芸術表現のひとつにもなる。各時代の写真家たちは、当時の最先端技術を取り入れながら、今見ても斬新な表現に取り組んできた。たとえば画像処理の技術は100年以上前からあった。30枚以上のネガを合成して絵画のような作品に仕上げたオスカー・ギュスターヴ・レイランダーの「Two Ways Of Life」は、今ならばフォトショップの達人の技である。
REJLANDER, OSCAR GUSTAVE: A History of Photography, by Robert Leggat
http://www.rleggat.com/photohistory/history/rejlande.htm
実物の「Two Ways Of Life」が見られるページ。
多数の歴史的傑作が大きく鮮明に掲載されているため、理屈だけではなく写真の歴史を学ぶことができる名著だと思う。
・ ピンホールカメラ
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/004930.html
・Henri Cartier-Bresson (Masters of Photography Series)
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/004931.html
・木村伊兵衛の眼―スナップショットはこう撮れ!
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/004923.html
・Yahoo!インターネット検定公式テキスト デジカメエキスパート認定試験 合格虎の巻
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/004918.html