好かれる技術
ビジネスマン(男女)の身だしなみ、姿勢、ジェスチャー、カラーコーディネートなど言葉以外のコミュニケーションの秘訣について、イメージコンサルタントがわかりやすく図解で教えてくれる本。
見た目で好印象であることは、話を聞いてもらうための大前提だと思う。個性は大切だが基本も重要である。握手の仕方、微笑み方、うなずき方、足の組み方、スーツの選び方など、成功例と失敗例、それぞれどのような印象を与えるかについての具体的な解説がある。
「人間は先端が気になるものです。「髪」「足元」「手」。この3点は誰もが目がいくところですから、キレイで清潔でなければいけません。」
かっこよく見えるためのベースとなる姿勢や立ち居振る舞い。自意識過剰はかっこ悪いが、他者からどう見えているかを意識することが、イメージ改善の鍵になる。「鏡をよく見ている人と見ていない人とでは、よく見ている人の方が男女とも自己意識が高まり、その人自身の行動がより望ましい方に変化した」という心理学の実験結果があるそうである。
ところで、私もエラそうなことが言えない勉強中の身であるが、この数年でひとつだけ意識的に直したポイントがある。長年の癖だった貧乏ゆすりである。これを人前でまったくしなくなった。損だからである。
この癖は親しい人から注意されても止める気がなかったのだが、仕事の微妙な交渉の場で相手が神経質そうに貧乏ゆすりを始めたことがあった。それを見て私は「この議論勝てるな」と思ってしまった。そして実際に勝ってしまった。貧乏ゆすりはあからさまにイライラや不安を表に出してしまう不利なボディーランゲージだと気がついた。それ以来、相手が貧乏ゆすりをはじめると内心ニヤーっとしてしまう。自分は絶対にしないようになった。
実利的な損がわかると悪い癖をやめやすい。
最近はやっていないが学生時代は徹夜マージャンをよくした。当時の私のマージャンは喰いながら染めて大きめで上がる戦略なので、他のメンバーに手の内を読まれると失敗する。ポーカーフェイスが重要である。しばし連勝したが、あるとき、一向に勝てなくなったのでどうしたものかと思っていると、ふと友人が「橋本さん、テンパイ(もう一枚でアガリ)になるとタバコに火を点けますよね(笑)」ともらした。愕然とした。
そうだったのか。テンパイ前後でも黙らないように気をつけたり、牌の昇降順を毎回変えたりと工夫していたのに、他のメンバーには私がライターをカチリと点ける音だけで気取られてしまっていたのである。
マージャンも一種の交渉であるから、材料がわかれば利用できる。以後、私はタバコを吸わないのではなく、タイミングをずらすことにした。テンパイが遠いのに火をつけてみたり、黙り込んでみたり。かく乱戦術によって勝率はまた向上した。そういった意味では相互情報下であれば、タバコも貧乏ゆすりも、わざと使うという手もあるのかもしれない。
大切なのはボディランゲージの基本は何か、それを見るものはどう思うかを把握しておくことなのだと思う。そのうえでやりたいようにやればいいのだと思う。そのための基本がこの本にはいっぱい図解で収録されている。
大也 さま
>テンパイが遠いのに火をつけてみたり、黙り込んでみたり。かく乱戦術によって勝率はまた向上した。
そういうことはあるかもしれませんが、かく乱戦術をとらず、できれば完全なポーカーフェイスが経験上、最善と信じます。
聴牌煙草にせよ、そのタイミングをづらすにせよ、相手に情報を出しているのです。+か−か、もしくは、中立の意味ない情報です。冷静な相手なら、状況によって意図を読み取る確率が高まるでしょう。