2007年3月アーカイブ

WORLD of PINHOLE

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・WORLD of PINHOLE
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ピンホールカメラにこだわって20年の写真家による作品集。

周辺光量が落ちて、闇のトンネルの向こうに広がる、幽玄の世界。どの作品も静かに時間が止まっている。こどもの頃、永遠に続くかと思えた夏休みの感覚を思い出す。AFデジカメのようにくっきり映り過ぎないから、光と影、そして世界の色の魅力がストレートに感じられる。美しい。

ピンホール写真は見るだけでなく、撮ることも楽しい。すっかりピンホールの虜になってしまった私は、週末は晴れたら必ず撮影にでかけている。ピンホールには日光が大切だ、天気が気になる。愛好者の有料会員組織「針穴写真協会」に入会してしまった。

針穴の大きさ、露光時間、フィルムの種類などを完全にマニュアルで設定する。前回の撮影メモを見ながら工夫を重ねる。おおざっぱにフレーミングを考えたら、シャッターをじっと開いて、数を数えて、そろそろいいかなと思ったら閉じる。狙い通り撮れていることはめったにないが、意外性が狙いを上回ってくることもあるから、楽しい。

デジタル一眼レフカメラでピンホールを手軽に楽しむことはできる。レンズキャップに針穴をあけて自作する人もいるし、カメラ用品メーカーのケンコーからは専用のピンホールレンズも販売されている。

・撮影ガイド〜ピンホール写真を撮ってみよう!
http://www.biccamera.com/bicbic/jsp/w/camera_kan/photographing_guide/pinhole/

デジカメならその場で写りを確認できるので失敗も少ない。しかし、出来上がりを見ると、シャープに写りすぎている気がして、フィルムの方にまだまだ魅力を感じる。一枚一枚を大切に撮る過程がやはりいいのじゃないか。

しかし、そうやって自己満足できる楽しさがある半面で「作品」に仕上げるのはたいへんそうだ。この作品集のような、誰が見ても印象的な写真を撮るのは極めて難しいと痛感する。ピンホール道20年の技は偉大であるとしみじみ感じる一冊であった。

私の最近のピンホール作品。

ノートパソコンLaVie J PC-LJ750HH

・NEC ノートパソコンLaVie J PC-LJ750HH

熟慮を重ねて選んだWindows Vista搭載のモバイルノートPCがこれ。DVD/CD搭載モデル。CPUにCoreDuo2400搭載。一ヶ月ほど使ってみてとても満足している。NEC Directでカスタマイズして購入した。私がカスタマイズしたモデルと、小売りモデルとの主な差は以下の通り。

・メモリを1.5Gに増設
・HDDを120Gに増設
・リチウムイオンバッテリをLサイズに変更(11時間)
・FeliCaポート(内蔵)追加
・スクラッチリペア塗装

■ポイント1 文字入力の快適さ(キーボードと電源)

ノートPC選びで最も重視したのは文字の入力の快適さ。私の仕事では、原稿や資料の作りやすさが生産性に直結している。店頭で調査した結果、この機種のキーピッチ17.55mmのスクウェアキーボードが私には抜群に相性がよかった。ATOK2006を標準搭載するなど、快適に日本語で文章を書くためのマシンとして優れている。

電池切れを気になってはいけないので、リチウムイオンバッテリ(11時間)をLサイズに変更したが、Lサイズ電池の形状によりキーボード部に傾斜がつく。これにより一層キーボードは打ちやすくなる。215グラムの標準サイズより、220グラムほど重い435グラムになる。

■ポイント2 モバイルの耐久性と安全性

「圧力がかかった際に液晶画面へのダメージを与えにくいボンネット構造を採用。PCを落とした場合など設定値以上の加速度を感知すると自動でHDDの磁気ヘッド部が退避エリアに移動し、データ損傷を防止。」

天板全体の耐加重は150キロ、点加重で25キロなので、椅子の上に置き忘れて、その上に誰かが座ってしまっても、理論的には大丈夫なはずである。(いや確かに200キロの関取が座った場合は壊れるが...。)。

「TPMセキュリティチップ」、HDDにBIOSでパスワードを設定する「HDDパスワード」の二重のセキュリティを装備。」。その上にFelicaポートを追加したので、Felica(例えばSuicaやEdyカード、対応携帯電話)を認証鍵にしてHDDの一部を暗号化できる。内部統制時代にばっちり対応できるのでビジネス利用にいい。

■ポイント3 細かい傷がつかないスクラッチリペア塗装

このオプションは使っていてかなり気に入った。ノートPCの表面に引っかき傷がつかないから、カバンの出し入れなどが安心なのである。特殊な「スクラッチリペア」塗装により天板表面の擦りキズを時間の経過とともに復元し、つややかさをたもつ新技術。爪やペン先でひっかくと、小さな傷が数十秒で修復されるのが観察できて面白い。


「文章を書きやすい」Windows Vista搭載のモバイルノートPCを探している人におすすめ。

・すぐわかる作家別写真の見かた
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「写真の誕生から20世紀までの写真の流れを、代表的な写真家の作品を通してわかりやすくたどる。写真家のエピソードや言葉を紹介しながら、隠された姿を浮き彫りにし、同テーマの日本の写真家もとりあげる。 」

現存する世界最古の写真はこれ。

画像:View from the Window at Le Gras, Joseph Nicephore Niepce.jpg - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%BB%E5%83%8F:View_from_the_Window_at_Le_Gras%2C_Joseph_Nic%C3%A9phore_Ni%C3%A9pce.jpg
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1827年にニセフォール・ニエプスが自宅の窓から撮影した。

ニエプスは、写像をスケッチするために画家が使っていたカメラ・オブスキュラ装置を改良し、金属板に画像を定着させることに成功した。この時期は長時間露光(8時間〜20時間といわれる)が必要であったので、黎明期の写真は風景写真が多い。

そして世界最初の実用的写真技法であるダゲレオタイプが発明され、露光時間は1、2分になり、一般人も使うことができるようになった。これは1837年のダゲレオタイプ作品。

・画像:Daguerreotype Daguerre Atelier 1837.jpg - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%BB%E5%83%8F:Daguerreotype_Daguerre_Atelier_1837.jpg
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この本は、この一枚から始まって現代まで、60人の代表的な写真家と作風、作品紹介が続く。南北戦争の戦場の写真まである。地面に死体が転がって、遠く向こうに騎兵らしき姿がぼんやりと見える。既に写真があったのかと驚かされた。

・南北戦争−死の収穫、ゲティスバーグ
http://www.rekibun.or.jp/promotion/archive/arch-photo4.html
東京都写真美術館提供で実物が見られる。

記録に始まった写真だが、早い段階で芸術表現のひとつにもなる。各時代の写真家たちは、当時の最先端技術を取り入れながら、今見ても斬新な表現に取り組んできた。たとえば画像処理の技術は100年以上前からあった。30枚以上のネガを合成して絵画のような作品に仕上げたオスカー・ギュスターヴ・レイランダーの「Two Ways Of Life」は、今ならばフォトショップの達人の技である。

REJLANDER, OSCAR GUSTAVE: A History of Photography, by Robert Leggat
http://www.rleggat.com/photohistory/history/rejlande.htm
実物の「Two Ways Of Life」が見られるページ。

多数の歴史的傑作が大きく鮮明に掲載されているため、理屈だけではなく写真の歴史を学ぶことができる名著だと思う。

・ ピンホールカメラ
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/004930.html

・Henri Cartier-Bresson (Masters of Photography Series)
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/004931.html

・木村伊兵衛の眼―スナップショットはこう撮れ!
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/004923.html

・Yahoo!インターネット検定公式テキスト デジカメエキスパート認定試験 合格虎の巻
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/004918.html

・GroyaX
http://homepage3.nifty.com/aokura/#Software
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写真アップロード系の掲示板を見ていると、いたずらでエロ画像、グロ画像が貼り付けられていることがある。エロはともかく、グロ画像は大画面で見てしまうとショックが大きい。

Groyaは、説明書を引用すると、

「Internet Explorer 専用です。右クリックして表示されるメニューに新しい項
目を追加します。掲示板などに悪戯で書き込まれたアドレスを不用意に参照し
てしまうと、いきなりエログロ画像が表示されて大きなショックを受けること
があります。そうならないように先に縮小画像で確認できるようにしたのが、
GROYA(グロ厭)です。画像を小さく表示するだけでなく、alpha フィルタに
より白っぽく薄くして表示しますが、画像の上にマウスポインタを置くと徐々
に色が濃くなるようにしてあります。また、副作用として画像を装ったブラク
ラの場合に、画像が表示されないのでひっかかりにくくなるようです。」

という安全対策ソフト。

リンク先の画像が小さく、白いフィルターがかかって表示されるので、事前に内容のチェックが可能だ。

このソフトを使ってみて思うのは、怖いもの見たさの心理を絶妙に満足させてくれるソフトだということ。これと別のアプローチとして、画像認識技術でエロ画像やグロ画像を自動的に隠すことはできるのかもしれない。しかし、精神的ダメージがない範囲では、そういう画像もどんなものなのか、気になるではないか。小さくぼやけて見えるくらいでちょうどいい。


右クリックから、

「Groyaでリンク先画像の一覧表示」

「Groyaで連番画像の一覧表示」

「クリップボードから画像一覧」

などの便利な機能もある。

ロックオペラ「オレコン」とITセミナーの融合 サバイブ・ザ・リアル 〜生きのびるためのメディアリテラシーを解く〜
http://orecon.jp/
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今週の土曜日のイベントのお知らせです。


現在、私も理事の一人であるオーバルリンクが今年もヤリます。

情報のテクノロジーとメディアの変貌を追い続けるビジネス・コミュニティ・ネットワーク『オーバルリンク』が、セミナーとライブパフォーマンスを融合した新しいかたちの公開イベントを展開します。

「私たちがいま置かれている状況は、豊かさを目指してきたはずにもかかわらず、決して理想に近づいたものとは言えません。むしろ、多分に息苦しい、というのが本音かもしれません。

本来のあるべき姿を忘れて、ひたすらに手法と手段のスピードが増すことで明るいかのように見える未来は、必ずしもすべての人々にとっての「明るさ」ではないのです。

「フラット化した社会」とは、ある種のグローバルな合理性によって導かれる世界、とも言えます。それは、私たちのそれぞれの気持ちの在りようまでを保証するものではないのです。

スピードとフラットがもたらす競争戦略を背景にした「いまの社会」に、いくつもの本末転倒な事象が読み取れます。そして、その本末転倒に否応なく巻き込まれる私たちが存在します。

さらに加速するであろう社会全体の価値の変容に対し、私たちは、どう対峙していくべきなのでしょう? 

『サバイブ・ザ・リアル』とは、その社会で生きていくための一つの問いかけです。」


●セミナー1 「未来発想のテクノロジー進化論」
川井拓也 ヒマナイヌ代表 プロデューサ

●セミナー2 「創造的コミュニケーションを実践する」
江渡浩一郎 メディアアーティスト/産業技術総合研究所研究員

●セミナー3 「2010型ビジネスモデルってどうだ?」
「クチコミ2.0」著者 保田隆明 ワクワク経済研究所
ほか豪華ゲストによるパネルディスカッション


●オフトピックアクト:ワインブレイク「ワインレストランでのサバイバル」
「どうせわからないだろうと勝ち誇ったような顔をするソムリエに対抗するために」知っておくべきことがある。OVAL LINK会員のワインエキスパートがやさしく解説します。

ご紹介したワイン(4種)は会場でテイスティングしていただけます(有料:1500円/テイスティンググラスつき)。数に限りがありますので、ご希望の方は参加登録時にご予約ください。

●ライブパフォーマンス:スペースロックオペラ『オレコン』
一つのストリー(物語)によって連なる芝居と音楽と映像が、3つのセミナーの間を縫って進行します。

日時 2007年3月31日(土)
開場 13:00 開演13:30 (18:00より同会場にて懇親会)
場所 六本木SuperDeluxe (地図)
http://www.super-deluxe.com/
参加費 \5,000 (OVAL LINK会員は無料)
懇親会参加費 \3,000
主催/企画 OVAL LINK

お申し込みはこちら。

・ロックオペラ「オレコン」とITセミナーの融合 サバイブ・ザ・リアル 〜生きのびるためのメディアリテラシーを解く〜
http://orecon.jp/
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・Henri Cartier-Bresson (Masters of Photography Series)
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アンリ・カルティエ・ブレッソンは20世紀を代表するフランス人写真家の一人。小型カメラのライカを片手に世界の人々のスナップ写真を撮影し「決定的瞬間」という言葉を作った。この本はその傑作を集めた写真集。洋書。長生きした写真家であったがここに収められたのはすべて白黒写真の時代のもの。約40枚を1時間かけてじっくり鑑賞してみた。被写体の人物に、吹き出しをつけてセリフを書き入れたくなる。ドラマチックだ。

この本の冒頭に2ページほど、アンリ・カルティエ・ブレッソン本人が、自らの写真論を語っている。その中で気になった一節を訳してみた。

「私は「つくりもの」や演出された写真とは無関係だ。敢えて言わせてもらえば、そういう写真はせいぜい心理学的、あるいは社会学的なレベルのものでしかない。事前に準備された写真を撮る写真家と、イメージを発見するために出かけて、それを掴まえる写真家とがいるのだ。私にとって、カメラはスケッチブックであり、直観と自然の道具であり、疑問と決断を、文字通り同時にこなす瞬間の主人である。世界に"意味を与える"ために、写真家は自分自身がファインダー越しにフレームに収める何かと一体感を感じていなければならない。その態度には、集中力と精神の鍛練、感受性と幾何学のセンスが必要である。そして偉大な倹約によってこそ、表現のシンプルさに到達するのである。写真家は、常に被写体と自身に対して最大限の敬意をもって写真を撮らなければならない」

作品を見ていると、被写体と背景という文脈の情報量をいかに簡潔に整理するか、それが切れ味のある写真の極意なのだなと気がつかされる。「決定的瞬間」の元祖の写真は、絞り値を高くした作品が多く、現代のポートレートのように背景をぼかしたものがこの写真集にはほとんどないのである。だから人物スナップであっても時代背景を絶妙に切り取っている。当時の白黒写真は無駄な情報を省くという意味でも、この手法にマッチしたものであったと思う。

どんな作品かをプレビューしたい人は、アンリ・カルティエ=ブレッソン財団に代表作のサムネイルがたくさんある。Googleのイメージ検索でもなぜか大量に見つかる。

・アンリ・カルティエ=ブレッソン財団
http://www.henricartierbresson.org/hcb/home_en.htm

・Googleのイメージ検索
http://images.google.co.jp/images?q=henri+cartier-bresson&hl=ja&lr=lang_ja&um=1&sa=X&oi=images&ct=title

この写真家の「決定的瞬間」として有名なのは、男性が水たまりに向かってジャンプする逆光の写真「behind the saint-lazare station」である。この作品集にも、財団のページにも掲載されている。私は最初この作品を雑誌上で小さなサイズで見た時に、何がいいのか分からなかったのだが、この作品集で大きなサイズで見て、面白さがわかった。

奥にあるポスターに描かれた女性の跳躍と、男性のポーズに最初に注目するといい。奥行きのある左右対称である。同時に水たまりの映りこみが上下の対称を構成している。そのほかにもいくつか対称性を発見できる。偶然のようでいて考えられた幾何学構図なのだ。(しかし、この作品が他の作品と比べて特別優れているわけではないと思うのだが)。

アンリ・カルティエ=ブレッソンの作品には一枚一枚にドラマ性がある。説明がなくても、被写体の人物の生き方や人柄が想像できるものが多い。激動の時代を写した写真家だが、社会的テーマを野暮に掲げる問題意識はまったく感じられない。そうではなくて、それぞれのドラマを背負って生きている人間を、時代の背景と一緒に写すことで、あとは見る者に解釈を任せている。

同時代の日本の写真家、木村伊兵衛とブレッソンは親交があり影響を与えあったと言われる。共通点は多く見出せる。

・木村伊兵衛の眼―スナップショットはこう撮れ!
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/004923.html

・Yahoo!インターネット検定公式テキスト デジカメエキスパート認定試験 合格虎の巻
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/004918.html

ピンホールカメラ

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・ピンホールカメラ
http://www.plazastyle.com/shopping/01/HOB/64/01-HOB-0164.html
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ソニープラザをうろうろしていたらピンホールカメラのキットをみつけて衝動買いした。
誰しも子供のころに習ったと思うが、やったことのある人は少ないだろうから説明すると、ピンホールカメラとは、針であけたくらい小さな穴から入る光によって、内部のフィルムを感光させる原始的なカメラである。このキットの場合は、レンズ部に自分でアルミホイルを両面テープで貼り付けて、針先で穴をあける。細いマチ張りの先でぷすっと小さくあけるのがポイントである。針の胴の部分まで入れると大きすぎる。穴は小さいほど鮮明な像を結ぶ。

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35ミリフィルム(36枚撮りでいい)を内部の巻き取り軸に自分でセットする。感度はISO400が使いやすい。蓋をしたらフィルムを1枚目まで巻いて撮影開始である。ピンホールは光量が少ないので晴天下での撮影がおすすめである。

ピンぼけを楽しむカメラなのでピント合わせを厳密に考える必要がない。ファインダー代わりのプラスチック枠が上についているが、これもおおざっぱなフレームの目安に過ぎない。被写体が写りそうだと思ったらシャッターを降ろす。

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このピンホールカメラの面白いところはシャッター速度は自分で決めることである。スイッチなどないので、何秒間シャッターレバーを降ろしているか、を自分で決めるのだ。短すぎると暗いし、長すぎれば白トビする。紹介例のように全面的に明るくしたいなら、”マチ張りぷすっ”サイズのホールで、ISO400で、晴天下の場合は5秒から10秒がよかった。(逆にピンホール独特の、周辺を暗くするトンネル効果を狙うなら短時間で狙うべきなのだが、フィルムがもったいなくて、まだ狙えない(笑))

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これらの写真は私が新橋、銀座、潮留で撮影した例である。営業の往復でこの場所を歩きながらの撮影してみた。懐かしい感じのやさしい写真がいっぱい撮れた。(ここに出さない半分はボケ過ぎたりフレーミングが合っていなくて失敗作であった)。

被写体ブレは防ぎようがないので、動かないものがはっきりと写るからおすすめだ。このカメラの場合は、三脚穴がないので手持ちが基本になるが、ガードレール、歩道橋の上の手すりに固定して遠方を映すとか、公園のベンチの上に置いて撮影すると、手ぶれが少ない撮影ができた。逆光の近景は難しい。順光の遠景が映りがよい。近景の色の濃い花は印象深いものが撮れる。

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特に晴天下ではピンボケだけれども味のある写真が撮影できる。やみつきになりそうである。

・日本針穴写真協会 JPPS ハリアナ ピンホール
http://jpps.jp/

・Make: Technology on Your Time Volume 02
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4873113180/daiya0b-22/
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・Make: Technology on Your Time Volume 01
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/004714.html

ものづくりハック雑誌 Make:日本語版の第2号。
「作れる物は決して買ってはならないし、探すことのできる物は決して作ってはならない」

地上30メートルの樹上に家を建て3年間暮らした経験をこの本に投稿した科学史家の言葉である。

今回の第一特集は「生物をハックする」。「生物学なんてそんな難しいものじゃないですよ。つつきまわしてどうなるか見てればいいんですから」。キッチンで自分のDNAを抽出し、カタツムリを凍結して蘇生させ、接木や受粉で植物をカスタマイズするのが趣味の人たちが、その魅力とノウハウを熱く語っている。バイオテクノロジーって身近なんだなと思えてくる。

セグウェイの発明者ディーン・ケーメンのロングインタビューもある。「極端に成功する人、逆に極端に失敗する人は、どちらも学校では非常によくできるか、まったくだめかのいずれかだと思います。学校というのは、この世界でどうしたらまずまずうまくやっているかを教えるところじゃないでしょうか。」。発明家・思想家を増やすための非営利団体を立ち上げて、普通じゃない人達の育成にも力を入れている。

パソコン周りの記事としては、PalmPilotを分解し、中身をくり抜いた厚い本の中へキーボードと一緒に埋め込んで、Palmのノートブックを作る記事が面白かった。電源が何日も持つので便利なのだそうだ。

ページをめくるたびに意表を突かれるのは第1号と同じ。空き缶でスターリングエンジンを、ジャム瓶でジェットエンジンを作る。ハムスター発電機まである。コンピュータ万能の時代に、敢え手を動かしてモノを作る世界は憧れる。参入ハードルが低いWebのマッシュアップよりも、ユニークなモノを作りやすいかもしれないと思ったりする。

この本の投稿には遠く及ばないが、私は最近、ピンホールカメラの撮影にはまっている。自分であけた小さな針穴を光が通ってフィルムに像を結ぶ。デジカメならば簡単にもっとキレイな写真が撮れるわけだが、ピンホールで現像された写真を手にしたときの感動は何百倍である。人に語りたくなる(今後ブログで語る予定)。そういう語りたい人たちの思い入れいっぱいの投稿記事でこの雑誌はできている。面白い。

・水蒸気ロボ
http://www.crabfu.com/steamtoys/rc_steam_rover/

・自宅をスタートレックに改造
http://www.24thcid.com/

・15人乗りバス
http://busycle.com/

・昨日
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悪童日記3部作があまりに良かったため、すべて読むことにしたアゴタ・クリストフ。

「昨日」は3部作の直後に書かれた作品で、続編ではないが設定や雰囲気には似た部分が多い。アゴタ・クリストフはハンガリー出身の亡命者で、母語ではないフランス語を使って小説家になった。感情移入を許さない、淡々とした客観的な語り口は、そうした作家の背景からくるものらしい。故郷も母語も失って、居場所のなくなった永遠の異邦人としての自身の姿を、主人公に重ね合わせて描いている。

アゴタ・クリストフの作品は影絵みたいだなと思う。感情エネルギーの光の部分よりも、その光が届かない闇の部分が物語の形をはっきりと映し出している。亡命者でなくても、多くの人間が、何らかの喪失感を抱えて生きているものだと思う。だから、読む者の共感を引き出す。

感情的に暗い読後感にならないのもアゴタ・クリストフの人気の秘密だろう。喪失がテーマであっても、後味は悪くない気がする。著者が亡命者ではあっても人生を投げているわけではないからだろう。むしろ、すべてを失っても生きていかなければならないという力強い覚悟を感じる。孤独だからって「癒し」なんて求めている場合じゃないぞ、と言われている気がする。

続いて読んだのが超短編集の「どちらでもいい」

・どちらでもいい
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3ページとか5ページのショート作品が25編。これがまたとても面白い。3部作の大きな魅力が、どんでん返しにつぐどんでん返し的な構成の魔術であったが、このショート作品集は、そうしたアイデアが連発である。たった1ページで独特の雰囲気を作ってしまい、残り2ページで意外な展開をする(かとおもえば、しないものもある)。先が読めない。星新一のショートショートを、ヘビーにした感じで、次はどうくる?と楽しみながら読める。

・「悪童日記」「ふたりの証拠」「第三の嘘」
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/004896.html

好かれる技術

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・好かれる技術
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ビジネスマン(男女)の身だしなみ、姿勢、ジェスチャー、カラーコーディネートなど言葉以外のコミュニケーションの秘訣について、イメージコンサルタントがわかりやすく図解で教えてくれる本。

見た目で好印象であることは、話を聞いてもらうための大前提だと思う。個性は大切だが基本も重要である。握手の仕方、微笑み方、うなずき方、足の組み方、スーツの選び方など、成功例と失敗例、それぞれどのような印象を与えるかについての具体的な解説がある。

「人間は先端が気になるものです。「髪」「足元」「手」。この3点は誰もが目がいくところですから、キレイで清潔でなければいけません。」

かっこよく見えるためのベースとなる姿勢や立ち居振る舞い。自意識過剰はかっこ悪いが、他者からどう見えているかを意識することが、イメージ改善の鍵になる。「鏡をよく見ている人と見ていない人とでは、よく見ている人の方が男女とも自己意識が高まり、その人自身の行動がより望ましい方に変化した」という心理学の実験結果があるそうである。
ところで、私もエラそうなことが言えない勉強中の身であるが、この数年でひとつだけ意識的に直したポイントがある。長年の癖だった貧乏ゆすりである。これを人前でまったくしなくなった。損だからである。

この癖は親しい人から注意されても止める気がなかったのだが、仕事の微妙な交渉の場で相手が神経質そうに貧乏ゆすりを始めたことがあった。それを見て私は「この議論勝てるな」と思ってしまった。そして実際に勝ってしまった。貧乏ゆすりはあからさまにイライラや不安を表に出してしまう不利なボディーランゲージだと気がついた。それ以来、相手が貧乏ゆすりをはじめると内心ニヤーっとしてしまう。自分は絶対にしないようになった。

実利的な損がわかると悪い癖をやめやすい。

最近はやっていないが学生時代は徹夜マージャンをよくした。当時の私のマージャンは喰いながら染めて大きめで上がる戦略なので、他のメンバーに手の内を読まれると失敗する。ポーカーフェイスが重要である。しばし連勝したが、あるとき、一向に勝てなくなったのでどうしたものかと思っていると、ふと友人が「橋本さん、テンパイ(もう一枚でアガリ)になるとタバコに火を点けますよね(笑)」ともらした。愕然とした。

そうだったのか。テンパイ前後でも黙らないように気をつけたり、牌の昇降順を毎回変えたりと工夫していたのに、他のメンバーには私がライターをカチリと点ける音だけで気取られてしまっていたのである。

マージャンも一種の交渉であるから、材料がわかれば利用できる。以後、私はタバコを吸わないのではなく、タイミングをずらすことにした。テンパイが遠いのに火をつけてみたり、黙り込んでみたり。かく乱戦術によって勝率はまた向上した。そういった意味では相互情報下であれば、タバコも貧乏ゆすりも、わざと使うという手もあるのかもしれない。
大切なのはボディランゲージの基本は何か、それを見るものはどう思うかを把握しておくことなのだと思う。そのうえでやりたいようにやればいいのだと思う。そのための基本がこの本にはいっぱい図解で収録されている。

・聖書の謎を追え RIDDLES OF THE BIBLE
http://nng.nikkeibp.co.jp/nng/shop/dvd/bible.shtml
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「人類にとって最も重要な物語の一つである聖書。その物語は果たして史実に基づいて書かれたのでしょうか?この史上最大のベストセラーを、あらゆる角度から科学的に解明していきます。聖書を研究するのは今や、聖書考古学者や宗教学者、熱狂的な信者たちだけではありません。地質学者や天文学者、昆虫学者、気象学者、生物学者、物理学者、地震学者、火山学者たちといった科学者も聖書をテーマに研究をし、そこに秘められた謎を解こうとしています。

DVD-BOX『聖書の謎を追え』では、大洪水とノアの箱舟(旧約聖書創世記)、退廃の町ソドムとゴモラの滅亡(旧約聖書創世記)、エジプトから約束の地カナンへの道のり(旧約聖書出エジプト記)、契約の箱アークの行方(旧約聖書出エジプト記ほか)、ヨハネの黙示録の暗号(新約聖書ヨハネの黙示録)の5つの物語を取り上げ、検証していきます。
今年のお正月休みに観た5枚組みDVD BOX。」

●「ノアの箱船」の大洪水は本当にあったのか
●退廃の街ソドムとゴモラはなぜ滅びたのか
●モーゼが奇跡を起こした出エジプト記の真実は?
●十戒の石版を納めた契約の箱はどこに消えた?
●「ヨハネの黙示録」は人類の未来を予言している?

聖書の謎に科学で迫るナショナルジオグラフィックの大特集。購読者割引で購入。

CGも使った聖書時代の再現映像が素晴らしい。

科学者や考古学者が、ノアの箱舟の痕跡を探したり、モーセが海の水を動かした奇跡は本当に起こりうるのか実験したり...。聖書の記述は歴史的根拠があるはずだという信念のもとで、聖書の有名なエピソードを検証する人たちのドキュメンタリである。

科学的アプローチとは言っても、「神々の指紋」のグラハム・ハンコックが有識者として登場するので、どこまで本気か分からないのだが、「ダヴィンチコード」が好きな人には、ちょうどいい娯楽性が入っている。そもそも登場する専門家たちも、ワクワクしながら研究しているように感じた。

西洋の古代史として聖書があるとすると、日本における古代史は、古事記・日本書紀だろう。邪馬台国や卑弥呼の謎を検証するノリに近い気がする。ただキリスト教の信者の多さと、聖書という前提を無条件に信じる思いの強さが、研究の幅を広げ、深いものにしているように思った。その世界の多数が信じているなら、それは事実でなくても真実になる。世界の3分の1くらいの人にとって、それは真実でなければならないこと、なのだな。

学生時代に聖書は通読したことがあるが、長すぎて覚えていられない。映画、アニメや漫画でよかったものを紹介。なんにせよ聖書は知っておくと西洋文化の理解に役立つなあと思う。

・十戒 50周年記念版 (初回限定生産): DVD: チャールトン・ヘストン,セシル・B・デミル,ユル・ブリンナー,アン・バクスター,セオドラ・ロバーツ,シャルル・ド・ローシュ,エステル・テイラー,ジーニー・マクファーソン
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これは今見ても物凄い迫力。映画史に残る傑作。

・マンガ聖書物語 (旧約篇): 本: 樋口 雅一
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・手塚治虫の旧約聖書物語
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関連書評:

・ユダの福音書を追え
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/004582.html

・グノーシス―古代キリスト教の“異端思想”
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/004060.html

メメント・モリ

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・メメント・モリ
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この写真集を見て心を揺さぶられない人はいるのだろうか?

20年前に出版された、藤原新也の伝説的な傑作。

メメント・モリ=死を想え。

インドの野原で焼かれ、川原で野犬に食われる遺体の写真。「ニンゲンは犬に食われるほど自由だ」「遠くから見ると、ニンゲンが燃えて出す光は、せいぜい60ワット3時間。」というコメントがつけられている。行き倒れの行者の遺体に「祭りの日に聖地で印をむすんで死ぬなんて、なんてダンディな奴だ。」。

思わず眼を伏せたくなる、生々しい死の現場がある一方で、数百年、数千年変わらない気がする原風景の懐かしさや、この世と思えぬ、天上の楽園のような美しい風景もある。死を意識することは生の喜びを確認することにつながるんだという、著者の視覚メッセージに、まず頭をぶん殴られ、言葉を失い、そして魅了される。

露出不足気味の暗い画面に、ぼうっとインドの、日本の、生と死が浮き上がっている。ピントをあえてはずしていることで、読者の想像の余地を残す。著者が後日談として発表した「黄泉の犬」を読んでおくと、一層イメージが伝わってくる。

この本が出版されて以降も、現代人の日常から死はどんどん遠ざかっている。同時に生の手ごたえも弱まっている。昔よりも今の方がこの古い写真集の衝撃は大きくなっている気がする。

・写真家 藤原新也オフィシャルサイト -fujiwara shinya official site-
http://www.fujiwarashinya.com/main.html
メメント・モリの一部がオンラインで見られます。

・黄泉の犬
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/004906.html

・3月21日 ネットエイジデイ
http://www.jobweb.co.jp/netageday/
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昨年上場を果たしたネットエイジグループは、関連子会社、投資先企業43社とともに、下記の求人イベントを開催します。ネットエイジは、ネットの草創期からミクシイをはじめ数多くのITベンチャー企業に対して投資と起業支援を行ってきました。同時にWeb2.0のテクノロジーに早い時期から取り組んできたエンジニアたちのグループでもあります。

私が代表を務めるデータセクション社もその一翼を担っています。

ベンチャー起業を目指す人、技術でなにかとてつもないことをやってやろうと思う人。ぜひこのイベントにご来場ください。

私は、ネットエイジグループのチーフエバンジェリストとして講演を行います。

お申し込みは上の画像をクリックしてください。

「netage day はインターネット事業を営むネットエイジの関連会社と、ベンチャーファイナンス・インキュベーション事業を営むネットエイジキャピタルパートナーズの投資先企業の中から、厳選された43社が集う求人イベントです。」

・木村伊兵衛の眼―スナップショットはこう撮れ!
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木村伊兵衛(1901〜1974)。20世紀の日本の写真史上、土門拳らと並んで最も有名な写真家の一人である。当時、1台で家が一軒建つといわれたほど高価なライカカメラを片手に、日本と世界の街角でスナップ写真の手法で時代を切り取った。

この本は、木村伊兵衛の代表作品と関係者によるエッセイで構成されている。

「下町育ちで古き良き江戸っ子の粋人ぶりを伝えるエピソードに事欠かない木村のストリートスナップは、「居合術」とも称された。出会い頭にすうっとカメラを構えてパチリ、深追いなしのワンショットである。この人が歩くと、まるで呼び寄せるかのように絶妙のシャッターチャンスが訪れたという伝説もあるほどだ。」

掲載されている代表作は見事である。ページをめくるたびに感嘆する。

有名な街頭スナップだけでなく、女性のポートレートも素晴らしい。

どうやったらこんな表情を撮れるのか?。女優や芸者や祭りの踊り子たちが白黒写真の中から闇の中の真珠のように浮き上がる。艶やかで光を放つ眼が凄い。敢えてぼかされたピント具合が女性の魅力をありえないほど引き出している。

写真家アラーキーのように被写体の女性にこまめに声をかけて雰囲気をつくる人ではなかったようだ。撮影現場にふらっと現れて「なんにもしなくていいです。そこに自然にしてくれればいいです」とだけ伝えて、私どうしたらいいのかしらと戸惑いがちな女性をパチリパチリと撮影したものだという。実はそれが女性の可愛らしさを引き出す極意の術だったのかもしれない。

「相手方から受ける感情を写して行くという内面的なつかみ方と雰囲気をつかんで行って、その中から対象を描き出すという、まわりから入っていく方法」と木村伊兵衛は自身の写真について語っている。

被写体になった人や関係者の証言によると、木村伊兵衛の撮影はあっけないほど短時間に終わってしまうものだったらしい。いつのまにかパチッと撮っているので、撮影されたのを気がつかない人もいたほどである。作為に染まらない自然を写すことを狙ったらしい

この本の面白さのひとつに木村伊兵衛の36枚撮りフィルムのコンタクト(ネガ一覧)が何枚も全部掲載されていること。最終的に作品として木村が選んだ、ひとつかふたつに○がつけられている。その前後に撮影したボツ写真が一緒に見られるのが勉強になる。本当に撮り直しをしない人であったようで、一期一会の居合い斬りに賭ける写真家だったことがわかる。

誰にでもできて奥が深いスナップショットの可能性について知りたい人におすすめである。

・Yahoo!インターネット検定公式テキスト デジカメエキスパート認定試験 合格虎の巻
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/004918.html

・夢見の技法―超意識への飛翔
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著者のカルロス・カスタネダは、ニューエイジ運動のカリスマであり、この本はスピリチュアル系のオカルト本である。メキシコのインディアン呪術師に師事して、夢見の技法を修得するまでの著者の15年間の体験を綴っている。夢見の技法とは、夢を完全に意識でコントロールすることによって、高次元の世界と接触する古代呪術である。

呪術師の教えによれば、すべての人間は右肩甲骨の2フィート背後に光輝く「集合点」を持つ。その光は呪術師にしかみることができないが、集合点には宇宙エネルギーが集まり、その状態が人間の世界認識に影響を及ぼしている。これは光とレンズと写像の関係に似ていると思った。レンズとしての集合点が動けば光エネルギーの受け方が違った形になって、異なる世界認識の像を与えるのである。

普通の人間はみな同じ位置に集合点が固定されている。だから通常は固定観念を離れることができない。だが、夢を見ている間は第二の注意力と呼ばれる超常意識状態を得ることができ、集合点をずらすことができる。意識を覚醒させたまま夢を見ることで、集合点をずらしたまま保つことができるようになると呪術師は教える。

この本はオカルトであるが、これに似た明晰夢という現象が実際にある。世界のいくつかの部族は訓練を積むことで夢の内容を意識で制御し、見たい夢を見ているそうである。心理学や意識科学の研究者が検証したりもしていて、本当のことらしい。(夢の内容は自己申告だから研究者のいうこととはいえ、それが本当かどうかを証明することは難しそうだが)。

呪術師は変性意識を自由に操るうちに、高次元の世界を知る。すべてはエネルギーであり、形あるものは実在ではなく、物の見方によって移り変わる幻影にすぎないと悟る。そして彼らは夢見の中で、別の在り方をする世界と接触する。そこでは非有機的存在、偵察、死の使者などと呼ばれる高次元の存在が、夢見の探究者に干渉をしてくる。ときにその干渉は夢の中から現実にまで影響を及ぼす。著者は師の教えにより、夢見の技法を習得して危険な異次元とのコンタクトを何度か体験する。

スピリチュアルの指導書として読んだ場合、トンデモ荒唐無稽な内容なのだが、幻想小説として評価すると極めてオモシロい本である。ハヤカワSFの一冊であっても売れたのではないか。映画スターウォーズにたとえると、呪術師ドンファンは老師ヨーダであり、著者はルーク・スカイウォーカーであり、夢見の技法はフォースとその暗黒面の話である。そんな師弟の禅問答(禅の影響も感じられる)がこの本の内容である。そんな類似がベストセラーになた理由かもしれない。

夢に現実感を感じることは多いし、逆に夢を見ながらそれが夢だと意識する体験はよくあることだ。いいところで目が覚めてしまって続編を希望しながら二度寝すると、続きが見られることがあったりもする。誰しも体験する夢見の技法の入口はリアリティがある。その先に高次の存在との接触が本当にあるかどうかは知らないが、フィクションとしての面白さには、特筆すべきものがある奇書なのである、これは。

・ヒトはなぜ、夢を見るのか
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/001062.html

・千年、働いてきました―老舗企業大国ニッポン
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意外な事実がたくさんあって、とても面白い経営学の本。日本版エクセレントカンパニーとは何かがテーマである。

日本には創業100年を超える老舗企業が10万社以上あるのだという。世界最古の会社は日本にある。西暦587年創業で1400年の歴史を誇る金剛組という建設会社だ。寺や神社の建築と修復を請け負う会社で飛鳥時代から今日まで存続している。この本でも取材されていたが、検索したらホームページまで見つかった。

・世界最古の企業 金剛組
http://www.kongogumi.co.jp/

100年以上続く店舗や企業はお隣韓国には1社もなく、中国やその他のアジア諸国にもほとんどない。ヨーロッパでさえ老舗の数は日本に及ばず、最古の企業の歴史は600年程度である。日本の老舗企業の多さは世界で飛びぬけた現象であると書かれている。

ただ歴史が長いというだけでなく、そうした老舗の中には、携帯電話の開発やバイオテクノロジーの研究へ転進して成功し、現代でも成長を続けている企業がある。事業の継続という観点からみたとき、超優良企業は日本に集結している。

この本では著者が多数の老舗企業の経営者にインタビューしてまわり、老舗の歴史や経営哲学をまとめている。共通しているのは以下の5つのポイントであった。

1 同族企業だが外部の優秀な人材の登用を躊躇しない
2 時代の変化に対応して事業内容は変化させてきた
3 創業以来のコア家業は譲らない
4 分をわきまえ好景気でも投機をしない
5 「町人の正義」を実践してきた

1の代がわり問題について

「日本の老舗企業にも、一族経営は多いのだが、血族にさほどこだわらない融通性をあわせ持っている。たとえ長男でも、娘婿が経営者として優秀であれば跡継に選んだり、養子や赤の他人に家業を任せる場合も珍しくない」

と述べられている。そして中国や他のアジア諸国の商人文化は家族とカネしか信用しないので、優秀な人に経営を譲る発想がなかったのではないかと分析されている。これに対して日本人は長い間、国家(お上)を信頼してその庇護の元に、職人文化を発達させることができた。老舗10万社のうち4万5千件は製造業なのである。儲け主義の商人発想ではなく、職人発想であったことが、事業の長期の継承を可能にしていたと著者は述べている。

日本人の精神性と企業経営の関係を歴史的に実証しているきわめて面白い新書。

大量発生しているITベンチャー企業はどれくらい長く続くのだろうか、とふと思う。私の会社は創業7年目。今年度決算はおかげさまで黒字で好調です。70年とか700年とか続く、かなあ。

私のメインのメールアドレスは、受信(1日500通以上)の7割がスパムメールである。スパムメールをどうフィルタリングするかは生産性に直接関わってくる。私のメールソフトはBecky!で、これに対応した精度の高いスパムフィルターが必要である。

・POPFile - Automatic Email Classification
http://popfile.sourceforge.net/
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会社のPCでは、長年POPFileを使ってきた。ローカルにサーバを立てるプロクシー方式で、メールソフトに依存しない長所がある。スパムメールを最初に100通くらい手作業で分類すると、スパムメールらしさを自動学習し、以後はメールを振り分けてくれる。スパムだけでなく汎用的な振り分けフィルターとして使うことが可能だ。

POPFileは優秀なのだが、スパムの学習設定のインタフェースがWebベースであるため、こまめな学習に手間がかかる。プロクシ形式のため、受信済のメールの再振り分けができない。また、ときどきPOPFileのサーバが落ちてしまうと、メールが受信できなくなるトラブルがあった。

(ここでいう再振り分けというのは、誤認識したメールをスパムとして学習した後に、再度振り分けてスパムゴミ箱フォルダへ移動させるという意味である。)


そして最近、モバイルPCにはBecky!専用のプラグイン BkASPil for Becky!2を導入してみた。こちらはBecky!専用ソフトであるため、メール一覧から右クリックから簡単にスパム学習や再振り分けが可能である。2万通近くあった受信フォルダが再振り分けによって、4000通ほどに減り、Becky!自体の動作が軽くなった。

・BkASPil for Becky!2 総合案内
http://b2antispam.s33.xrea.com/
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BkASPilは発信者のIPアドレスをユーザー同士で共有するIPアドレスフィルター方式と、スパムらしさ、一般メールらしさを両方学習するベイジアンフィルター方式を併用している。

今のところ、POPFile、BkASPil共にスパム認識率は95%程度である。気軽な使いやすさという点ではBkASPilの方が優れていると感じた。POPFileの方が設定項目が多く、メールソフトやさまざまな社内システム環境での利用に対応しているため、プロ仕様というイメージがある。

会社のデスクトップでPOPFile、モバイルPCにBkASPilという組み合わせで、今のところ満足している。

・「金のアイデアを生む方法 ”ひらめき”体質に変わる本
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アイデアマラソンの開祖 樋口先生の最新刊。私も日々実践中で信者の一人。

アイデアマラソンは、毎日テーマを決めずに、自由に発想をノートに書きだす発想力トレーニング。アイデアを1000個出せば3つは貴重な発見が必ず含まれているというのが樋口さんの持論である。冒頭に一般書として異例の返品保証が宣言されている。

「本書を読んで、1000個の自分の思いを書き続けた後、貴重な発想を発見できなかった人、自分に発想の自信がつかなかった人には、著者として本書の代金を返済する。樋口健夫 http://www.idea-marathon.net/

ネタが尽きない人は、ネタ切れを恐れないものだと思う。仕事のプロというのは新発想を年中求められるから、常にネタ切れの状態からネタを生み出している。逆にアマチュアは持ちネタから離れられない。発想の幅が狭い。

教室で学生に自由にアイデアを書き出すブレインストーミングをやらせると、時間内に数が出せる人と出せない人がいる。観察していると、典型的なパターンがあることにきがつく。

出せる人に共通するのは初速が速いことである。最初におもいつきを全部書き出してしまう。そこで詰まるが、思考モードが変わるとまた猛スピードでいくつか書き出す。そういうスタートダッシュを何度も繰り返している。裏返すと、発想によく詰まるのである。

逆に出せない人は、なかなか書き出さない。なぜ書き出さないかというと、自分のアイデアがつまらないと思っているからなのだ。いきなり金のアイデアを生もうとして、結局、平凡なアイデアのリストも作れないで終わる。こちらは発想が詰まることさえないのだが、文字通りつまらないのである。

重要なのは、ネタ切れして煮詰まった状態の先に金のアイデアがあると信じられるかどうか、だと思う。そのためには経験しないと信じられない。私の仕事の経験では、フリーランスの人は発想が豊かであることが多い。実際、企画プロデュースの大物はフリーである。

これは自由人だから自由な発想ができるというだけでもないと思う。明日の仕事を取るために、生活レベルで強烈に煮詰まった経験があるからだと思う。会社員のネタ切れとフリーランスのネタ切れは深刻さが違う。フリーはどうにかしなくてはいけないから、なくても出すのである。

樋口さんのいう1000という数は、ちょうどいい数字だと思う。誰でもウンウンうなれば100くらいは書きだせる。1000というと何度も停滞を経験せざるを得ない。ウンウンうなるくらいでは勘弁してもらえない状況が金のアイデアを産む境地をつくる秘訣なんではないだろうか。

本書は、樋口さん自身の23年間のアイデアマラソンの、煮詰まり体験とその脱出成功例の本だとも言える。脱出の肝は発想に何らかの制約を課す発想ゲームであることが多いようだ。そういうノウハウがいっぱいある。

たとえば、アイデアマラソンの練習問題が最後に掲載されている。

・「過去の大笑い」を3つ考えなさい
・「過去に得したこと」を3つ考えなさい
・「過去にびっくりしたこと」を3つ考えなさい

これらの問題に答えると、自分にとって刺激的な意味作用を持つ9つのアイデアが得られそうだ。それを他のアイデアと結びつけることで、たくさんの新発想を産みそうである。まず9つ書いてみるかどうかが、できる人とそうでない人の分かれ目になりそうだと思った。

アイデアマラソンって何?という初めての人にもおすすめ。

・企画がスラスラ湧いてくる アイデアマラソン発想法
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/000904.html

・Yahoo!インターネット検定公式テキスト デジカメエキスパート認定試験 合格虎の巻
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デジカメエキスパート認定試験の公式テキスト。

・デジカメエキスパート
http://cert.yahoo.co.jp/beginner/digicam.html

「デジカメエキスパートとは、「デジタルカメラマガジン」公認の認定試験です。デジタルカメラを使って生活や趣味の写真を撮る方から、仕事でデジタルカメラを使う方、コンテストに作品を応募したいと考えている方のスキルを認定します。」

カメラが好きなのに、私は絞りとシャッター速度の関係や、ホワイトバランスの意味など基本を最近まで知りませんでした。実技はともかく知識だけでも詳しくなっておきたいと思ったのが受験の動機です。

この公式テキストをベースに知識を詰め込んで挑みました。もちろん目指すは1級。

受験料は3級は無料、2級は1000円、1級は3000円です。公式テキストは1600円ですから、1級受験のための費用は4600円かかりました。他にも何冊か写真の本を買いました。勉強に費やした時間だって、もったいないですから、後には引けません。

問題はすべて4択です。1問1分での即答が求められます。

1級では写真サンプルが示されて、この写真の撮影時のセッティングはどれでしょう?や、4パターンのシャッター速度、絞り値、ISO感度が示され一番明るいのはどれでしょう?などの撮影技法が問われます。これは勘では難しく、一眼レフのマニュアル撮影の基本を知る必要があります。フィルターに関する問題など、一部テキストを超える出題があって焦りました。

光学機械、精密機械としてのカメラの機構についての出題もあります。CMOSやCCD素子、リチウムイオンバッテリーの特性など、ハードウェアにも詳しくなります。リチウムイオンバッテリーはメモリー効果がないので、こまめに充電しても寿命が減りません、というのは使える知識ですね。パソコンとの連携部分はパソコンに詳しい人であれば、常識で答えられる部分もあります。

写真の歴史についても出題されます。土門拳、木村伊兵衛って何をした人?「決定的瞬間」という言葉を作った人は誰?など。公式テキストの冒頭部分にはたくさんの歴史的な名作写真が掲載されていて見ごたえがあります。

なお、1級は出題内容の多くがデジタル一眼レフについての問題なので、コンパクトデジカメ専門の人は、2級までで十分だと思います。

Yahoo!インターネット検定 - デジカメエキスパート1級
http://cert.yahoo.co.jp/category1/overview/7.html

「デジカメエキスパート1級では、デジタル一眼レフカメラの露出やシャッタースピード、レンズやメディアの役割を正しく理解し、シーンに応じた撮影方法を身につけているかが問われます。また、デジタル一眼レフカメラの機能をはじめ、写真の出力とデータ管理についての知識の理解度も問われます。
写真の知識があり、デジタル一眼レフカメラを使いこなしたいと考えている方に最適です。」

そして、1級に合格しました。合格者はオンライン認定証、後日郵送の認定カード、そしてYahoo!フォト、オークション他の場所でIDの横に認定マークが表示されます。カメラについての基本知識がありますということを明示できます。ちょっと誇らしい。

・Yahoo!インターネット検定 - オンライン認定証
http://cert.yahoo.co.jp/b/holdings/daiya2003

この公式テキストは、試験の参考書というだけでなく、デジカメの撮影の基本をビジュアルに教えてくれる良書でもあると思いました。

・ナショナル・ストーリー・プロジェクト
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すばらしい企画だと思う。3ヶ月かけて毎晩少しずつ読んだ。

ポール・オースターがラジオ番組から、全米のリスナーに対して、あなたが語るべき人生の物語を投稿してほしいと呼びかけた。あらゆる年齢、性別、職業、人種の人々から、何千編もの実話の投稿が集まった。どの話も、語り手にとって人生の中で人に語りたいことが数ページに濃縮されている。オースターはその中から珠玉の180編を選び出して番組で放送した。そしてこの本ができた。

初恋のときめき、愛する人との別れ、壮絶な戦争体験、犯罪や暴力の体験、信じられない奇跡体験、動物の話、学生時代の思い出、九死に一生を得た事件事故など、ストーリーはバリエーションが豊かである。なにげない日常生活の中に自分の人生の意味を見出した話もある。「アメリカが物語るのが聞こえる」。20世紀のアメリカが丸ごとこの本に入っているのだ。

各国でナショナル・ストーリー・プロジェクトを立ち上げて、外国のストーリーを読みあったら有意義だろうなと思った。第二次世界大戦を描いた映画「硫黄島からの手紙」には、捕虜のアメリカ兵の残した母親からの手紙を日本兵が読む場面がある。出征した息子へのアメリカ人の母親の手紙は、敵は鬼畜ばかりだと思っていた日本兵たちの心をうった。

小説や映画原作を書きたいという人にとっても、この本は話のタネが満載だから、かなり参考になるのではないかと思う。

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自己プレゼンの文章術

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・自己プレゼンの文章術
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ベテラン広告マンが書いた就職のための自己プレゼンの書き方の本。

「学生の作文によく出てくるの語の一つは「思う」である。これを安易に使って、文章の底を浅くしてしまっている作文は少なくない。<中略>「客観的事実や当然の帰結に「思う」をつける必要はないし、意見・考え・趣味が分かれそうな事柄を「思う」の一語で片づけるのには問題がある。「思う」だけで思考がストップしてしまうのだ。」

これは私も文章を書きながら悩むテーマだ。

1 「思う」は本当に難しい
2 「思う」は本当に難しい、と思う。

上のようにふたつ書き方があってどちらにするか迷うことが多い。「かもしれない」や「であろう」も同じようにつけるべきかどうか迷う。

考えてみれば、執筆者が神様でもない限り、すべての文末に「と私は思う」はついていておかしくないのである。逆にすべて削ってしまっても意味は通る。だから、「思う」をつけるかどうかは、どんな印象を読み手に与えたいかの戦術を考えた上で、攻めでつける「思う」だけを残すのが正しいのだろうなあ、と思った。守りの「思う」は要らないのだ。
著者と同じように、私も年に何度か学生の作文を大量に読む。一度に100本近く読む。文法が間違っているような文章は少ない。書く前の整理ができておらず、字数を埋めるための引き伸ばし戦術に出て、冗長になる失敗例がとても多い。「思う」はその代表例だ。

最初の1行に言いたいことを印象に残る形で書いてある作文は、いいものが多い。

実際に私が読んだ作文の例だと、冒頭で「私は音楽なんて大嫌いだ。」と書いて改行したものがあった。何が先に書いてあるのだろうと思う。そして本文が終わって最後の一行も「だから、私は音楽なんて大嫌いだ」で終えていた。形としてうまいと思った。読み手を意識していることが感じられる。肝心の本文はまずまずだったのだが、印象に残ったので高得点をつけた。

この本にはたくさんの文章指導がある。文例と改作案がわかりやすい。具体的、簡潔に書きなさいというアドバイスが繰り返されている。執筆と同時に編集を意識することが肝だと思う。

ひとつ私もいい方法論を考えた。

自己プレゼンを書く人は、短時間に100本の作文を読む採点者の心理を意識すべきだと思う。その作業を一度体験してみるのが、文章を練習するよりも効果的な訓練になるかもしれないと思う。友人・知人の長文の自己プレゼン(Mixiの自己紹介文でもよさそう)を100本集めて印刷し、1本あたり3分で300分間、エクセルでも使って評点とコメントをつけてみるというのはどうだろうか。

やってみると最初の10本は楽しくても、次第に面倒くさい、と思うはずである。職業意識に燃える採点者だって多かれ少なかれそう思っているのだ。目に飛び込んでくる文章とは何かがわかってくるはずである。それを真似すれば、100本を書くよりもてっとり早く自己プレゼンの文章術を身につけられるのではないか、と私は思う。

・地球のすばらしい樹木たち―巨樹・奇樹・神木
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仕事から帰って深夜にひとりでぼおっと見ている本。

英国の貴族で歴史学者トマス パケナム伯爵は1998年に、英国中を旅して巨樹・奇樹・神木を見てまわり、精選したベスト60本の樹木の写真集「Meetings with Remarkable Trees」を出版して絶賛された。これは、その著者が2002年についに世界のベスト60本を選んだ「Remarkable Trees of the World」の日本語版である。大判サイズで重たい、いかにも巨木の本らしい装丁だ。

収録されているのは、どの樹木も味わいぶかい名木である。一本一本が独自のオーラを放っており、特別な樹であることが一目瞭然である。静かに見入っていると風に揺れる木々ざわめきや、朝靄のさわやかさ、太陽のにおいがページの向こうから伝わってくる。

100メートル以上、樹齢何千年、将軍という名の、レッドウッドの巨木に圧倒され、異界に迷い込んだかのような幻想的なバオバブの林に目を奪われる。日本の木も3本ある。日本の老樹は神木である。

写真集だが解説の読み物部分が充実している。それぞれの樹木に伝わる伝説や撮影時のエピソードが見開きの半分を占める。本のサイズが十分に大きいので、片面に解説、片面に写真のレイアウトは正解だと思う。見開き全部を写真に使ってしまうと、中央の綴じ部分が見にくくなってしまうから。最初に写真を心ゆくまで味わい、記事を読んでから、また写真を味わう。じっくりと読みながら長時間、鑑賞できる構成が秀逸。

ここに選ばれたものは老木が多いのだが、半分枯れた樹よりも、力強く生きている樹が魅力があるように思う。樹木が輝くには単体ではだめで、周囲の環境も大切な要素だと知った。中くらいのサイズの樹木に取り囲まれる中で、際立って大きく美しい樹木こそ神々しくみえるものだ。

日本の樹木も神々しさでは上位にあると感じる。屋久島はいつか訪れてみたいと思った。
異彩を放つのは何本も収録されているアフリカのバオバブの樹。著者はバオバブの樹木で別に写真集を出版しているが、この本においても、大きなバオバブの素晴らしさは特筆すべきものがあった。それが立ち並ぶ様は幻想的、人類の原風景といえるものかもしれない。

世界中の選りすぐりの樹木をいつでも大判の写真で鑑賞できる。飽きずに長く楽しめる素晴らしい写真集である。

・WELCOME TO THE TULLYNALLY CASTLE AND GARDENS HOMEPAGE
http://www.tullynallycastle.com/
伯爵である著者の城。

本当に素晴らしい写真集読み物。

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人類と建築の歴史

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・人類と建築の歴史
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東京大学教授の建築学者が、人類が建築を生みだした起源について大胆な仮説で迫る本。中学、高校生向けにルビつきで平易に書かれているが、人間の精神性と建築の関係について深く考えさせられる内容である。20世紀に入ってからの近代建築史は最後にわずかに記述があるだけで、90%は古代建築について語っている異色の構成。

時代が下るにつれて建築は地域ごとに多様化してしまうので人類共通の建築の歴史と呼べるものは数千年前でしか論じられないと著者は考えたようだ。宗教と建築の関係について特に詳しい。

日本の最高神、アマテラスは太陽神である。高さ48メートルあったと言われる出雲大社はなぜその高さになったのか。出雲大社の周囲には30数メートルの杉の森があった。それより高くすることで天上世界との境界をつくりたかったのではないかと著者は考えている。中心には太い柱があるが不思議なことに屋根を支える構造になっていない。この柱は王者の亡骸を安置し、その魂を天上へ発射するための呪術的装置の意味があった。太陽神を信仰する他の巨石文化のスタンディングストーンと同じ役割を果たしていたのではないかと著者は論じる。

ストーン・サークルやピラミッドはなぜつくられたのか、など古代の建築物についてとても詳しく考察されている。写真も多い。考古学的にはそれらの起源はまだ不明であるはずだが、著者は古代人の心理を想像し、説得力ある仮説を物語る。

たとえば新石器時代に家が出現したことについて、

「久しぶりに見た家が昔と同じだったことで、今の自分が昔の自分と同じことを、昔の自分が今の自分まで続いていることを、確認したのではあるまいか。自分はずっと自分である。人間は自分というものの時間的な連続性を、建物や集落の光景で無意識のうちに確認しているのではないか。新石器時代の安定した家の出現は、人間の自己確認作業を強化する働きをした。このことが家というものの一番大事な役割なのかもしれない。」

どういうことを考えて建築をつくったか、ということと同時に、そういう建築に住まうとどういうことを考えるようになるか、というフィードバックの視点は有意義である。人々のニーズで建築が生まれるが、建築は人々の精神に影響を及ぼすものでもある。そして、インターネットという新しい建築が、そこに住まう人に影響を及ぼしているのだなあ、と思う。

・Split Browser
https://addons.mozilla.org/firefox/4287/
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SplitBrowserはFirefoxのユニークなプラグイン。ブラウザーの画面を自由自在に分割して多画面ブラウザーにする。メニュー表示は日本語に対応。

右クリックメニューから"ブラウザを分割"を選択すると、カーソル位置にあるブラウザ領域に対して上下左右に分割を行うことができる。"リンクをブラウザを分割して読み込む"をクリックしても分割できる。分割した領域をさらに分割して、さらに分割してということも可能。

分割された各画面は独立したブラウザーになっていて、好きなWebページを表示させておくことができる。ふたつのページを並べて表示させたいときには、タブ切り替えではなく、分割表示の方が便利である。あるいは縦に長いページの異なる部分を同時に表示するなんていう目的でも使える。

・ImageSorter
http://mmk.f4.fhtw-berlin.de/?page_id=40
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大量の画像ファイルを色別に自動分類することができる画像整理ソフト。実用性はともかく表示が斬新で芸術的である。軽快に動くので、とても楽しい。このブログで使っている画像ファイル1850件を、このソフトで分類させてみた。本の表紙や商品画像、写真などである。1分程度で分析処理が終わり、全画像がマップ上に配置される。

MapViewモードで色の近いものが近く配置された図。拡大縮小表示、隙間の調整、個別画像の表示などが可能。

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SphereModeでは球状にマッピングされ、マウスで球を回転させたり、拡大縮小することができる。

本の表紙は新書ごとに群れができたりして面白い。

デジカメ写真のフォルダを指定すると、似たような写真が集まっている。大量の画像の中から、これに似た感じの画像を探したいというときに便利そうではある。デザイナーではない私には、なかなかそういう作業が求められないのだが。

・EXIF完コピ
http://www.vector.co.jp/soft/winnt/art/se395888.html
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JPEG画像に含まれるEXIFメタデータは、画像処理ソフトでレタッチすると消えてしまう場合がある。消えてしまうとアルバムソフトで正しく日付順の並べ替えができなくなったり、再加工の際に必要な撮影時情報が失われてしまう。

EXIF完コピは元画像からEXIFデータだけを抽出してファイル化し、加工後の画像に付け替えるフリーソフトである。EXIFデータの編集にも対応している(設定のまるごとコピーモードのチェックをはずす)。手作業で内容を書き換える場合には、画像ファイルとつじつまが合わなくなるので気をつける必要はある。

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なお、専用形式でEXIFとは別にコメントを記録することもできる。

・EXIF情報をエクスプローラで詳細に表示するMicrosoft Photo Info
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/004904.html

・アメリカよ、美しく年をとれ
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アメリカ史の大家 猿谷要教授の最新刊。なんと御年83歳である。渡航が制限されていたため意外にも43歳ではじめて渡米。それ以降、アメリカの大学に在籍して歴史を研究し、日本に大国アメリカの光と影を紹介してきた。自身が体験した戦後の古きよきアメリカから、次第に軍事力を背景にした帝国主義に染まりつつある今のアメリカまでの変遷を、回想で辿る。

共同通信の調査によると、世界で最も悪い影響を与えていると見られている国としてアメリカはイランについで第2位だそうである。過去に学ばず、大義なき戦争を繰り返している。

「おそらくアメリカ人の多くは、今の超大国のまま永遠に続くと考えているかもしれない。ちょうどローマ帝国の人たちと同じように。」

「しかし今のように他の国から嫌われたまま初老を迎えれば、やがて世界に老醜をさらすようなことになりかねない。これだけ世界中から憎まれ嫌われては、決して美しく老いることなどできはしないだろう。」

モンゴル帝国、スペイン、イギリスなどかつての覇権国家も今は小国である。歴史家の目にはそろそろアメリカも全盛期を過ぎて老いる時期であると写っている。老いて何を残せるのか、アメリカを友のように愛した著者は、軍事力より文化力に重点を移すべきだと苦言を呈する。

前半の古きよきアメリカの思い出話が上質のエッセイとして楽しい。建国以来の歴代大統領の逸話や歴史的事件がしばしば言及される。後半は経済大国でありながら貧困層を20%も抱える今のアメリカの実態や、人種問題の複雑さ、為政者たちの驕りぶり、などが語られている。この230年間のアメリカの全体像を遠近感を持って大局で知ることができる内容になっている。

それにしても83歳で、これだけ明晰な文章って書けるものなのか。著者自身が美しく年をとっているよなあと感心してしまう。

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