だまされる視覚 錯視の楽しみ方
眩暈がするような面白い本。
止まっているのに図なのに、動いて見えたり、光って見えたり、実物より大きく見えたり、色の濃さが違うと感じたり。
錯視デザイン研究の第一人者 北岡明佳氏が一般向けに、錯視の事例と面白さを語った本。同氏のWebサイトは私も始まった頃から見ていた。人間の知覚を騙す図が満載である。特に「回転する蛇」は静止画なのに何回見ても動いて見える。
・北岡明佳の錯視のページ
http://www.ritsumei.ac.jp/~akitaoka/index-j.html
この本は白黒であるが、多数の作図例が紹介されている。長時間続けて見ているとめまいや気分の悪さを感じてしまうほど私には強烈だった。自分の目が信じられないという事実に精神的にも動揺するのだ。研究が進んでいる事例では、なぜそう見えてしまうのかの原理を著者は説明してくれる。
すべての錯視がすべての人に有効というわけではないそうだ。人によってある錯視は見えるが、別のものは見えないということがあるらしい。私もこの本に収録された図のうち2割くらいはうまく見ることができなかった。ステレオグラムも苦手である。研究者の中には遺伝が関連していると考える人もいるようだ。がんばっても見えないものは見えないのかもしれない。
錯視は日本よりも海外で評価が高いらしく、海外にも充実したサイトがある。
Optical illusion
http://www.ophtasurf.com/en/illusion.htm
Optical illusion :: Optical illusions - Just a painting.
http://www.optical-illusion.org/
3Dによる錯視に挑戦している人もいる。
・田村貞夫「3Dによる錯視図形」集
http://www.geocities.co.jp/Technopolis-Mars/8198/
・錯視―視覚の錯覚
http://www.brl.ntt.co.jp/IllusionForum/basics/visual/index.html