2007年1月アーカイブ
Web進化論の梅田望夫と芥川賞作家の平野啓一郎の対話。インターネットの時代に人間はどう変わるか、どう生きるかを、スタンスが異なる二人が真正面から意見をぶつけている。その違いが緊張感を保ちつつ、二つの視点交差が時代を立体的にとらえている。読みやすくて、同時に読み応えもある同時代論。
対話の内容は多岐に渡る。特に気になった部分だけを取り出してみた。
梅田氏がネットから受ける刺激は、何時間もかかる読書よりも身近だし手軽で、良いものだという趣旨のことを言ったのに対して、平野氏は、
「ネットには何故飽きないかというと、自分で情報を取捨選択しているからなのでしょう。本は面白くない箇所もありますから、途中でイヤになることもあるけれど、実はそここそが、肝だったりする。良くも悪くも、情報をリニアな流れの中で摂取するしかない。ネットはどうしても、面白いところだけをパパッと見ていく感じでしょう。それで確かに、刺激はありますけど、なんとなく血肉になりきれない感じというか。」
と述べている。私の意見は平野氏に近い。(梅田氏も実際には何時間もかけて本を読んでいる人のはずである。平野氏の意見を引き出したくて、そう言ってみただけのような気もする。)
好きなものばかり食べている人と、苦手も克服しながら食べる人の違いだ。栄養バランスの観点では後者のほうが優れていると私は思うのだけれど、梅田氏は新しい考え方をする人だ。人間の「居場所」についての対話で、こうも述べている。「でもある年齢になれば、ある程度逃げていくことだってできるでしょう。そこは自分で選択していけばいいんじゃないかな。僕の場合、時間の制約ということを痛烈に意識しはじめた四、五年前から、付き合いたくない人とは付き合わないということを最優先事項にして生きようと決めました。」と語る。
食わず嫌いは悪いことではなく、自分が好きな能力を好きなだけ徹底的に伸ばす方がいい、という考え方を梅田氏は持っているようである。
この本で一番スリリングだったのは、世の中における自分の居場所との関わり方について
「
梅田「努力して、自分に適した場所に移るということですよ。ネットの情報がそのきっかけになるということかもしれないでしょう。それはいけませんか?
平野「合わないから移る、というのはいいと思いますけど、変えるべき現状があって変えないというのはどうですか?これは、政治の問題まで含めて。」
」
というあたり。
流動性が高く能力主義のシリコンバレーを選んだ梅田氏と、日本語の芸術家であるが故に日本にこだわりを持つ平野氏の生き方、哲学の違いを強く感じた。全体的な論調としては新しい生き方2.0を打ち出す梅田氏に対して、平野氏は古くて新しい価値で返していて、決して防戦にまわった印象がない。
この対話を読んでどちらを支持するかを問われたら私は僅差で平野氏に一票を入れたい。技術や経済を中心に考える梅田氏に対して、平野氏は文化や社会まで広い視野で今と行く末を語っているからだ。
しかし、梅田氏は、敢えて異なる視野を持つ平野氏を対話の相手に選んで、話の幅が広がるように仕掛けたのだと思う。そしてこの本も売れている。結局、勝ち組は梅田氏ではあるのだが。
・Web担当者現場のノウハウ vol.4―ホームページとマーケティングをWeb2.0でつなぐ
「今月の「Web担」の特集は「アクセス向上 99のワザ」。いつの時代もWeb担当者を
悩ませるアクセス数を上げるために、具体的な方法を99例紹介しています。
独占直撃インタビューは「ティム・オライリーが語るWeb2.0とその先にあるもの」
Web2.0という言葉を世に知らしめたオライリーが考えるウェブの未来について、サ
ンフランシスコで行われた「Web 2.0 サミット」で取材しました。」
連載を担当しているこの雑誌(隔月間ムック)の第4号の特集は「アクセス向上99のワザ」。その冒頭に2ページほど、記事を書かせていただきました。
そのタイトルは...。
「続けていれば今年で10歳の大人気ML「アクセス向上委員会」元管理人が語る
アクセス向上の昔と今、そして未来」
「続けていれば」ってなんだ(笑)。
記事では「アクセス向上の10年史」を振り返り、少々強引に各年度を○○の時代と定義しました。各時期のマーケティング担当者の関心テーマの変遷がわかるように書いています。ここでは目次だけを引用、掲載してみます。
【アクセス向上の10年史】
■1996年 ホームページの立ち上げの時代
■1997年 サイト同士の相互紹介の時代
■1998年 検索エンジンへの登録の時代
■1999年 メールマガジンの時代
■2000年 無料サービスの時代
■2001年 サーチエンジン最適化の時代
■2002年 モバイルメディアの時代
■2003年 コンテンツマッチ広告の時代
■2004年 ブログの時代
■2005年 ソーシャルメディアの時代
■2006年 クロスメディアの時代
そして【2007年のアクセス向上キーワード予想】を書いています。
特集本文は私は関わっておりませんが「アクセス向上 99のワザ」には人気ホームページ、人気ブログづくりのノウハウが満載です。広報担当者のチェックリストとしても使える内容です。
みんなの就職活動日記やSimpleAPIで有名な伊藤将雄さん、GIGAZINEの山崎恵人さんという、現役のスーパーWebプロデューサーたちへのインタビューもあります。伊藤さんは私が編集部に紹介して取材を受けたはずなんですけど、掲載記事を読むと、アクセス向上に対して私と逆のことをお話されています。汗出ました(笑)。
このほかティム・オライリーにWeb3.0とは何か?と突っ込むインタビュー記事であるとか、暴かれたやらせブログ「flog」の末路、企業向けSNS構築サービスガイドなど、興味深いテーマが連続しています。これが第4号ですが一番、面白いんじゃないかと思います。
感想を書いているブログを見つけました。
・memokami :: 「Web担当者 現場のノウハウ vol.4」が届いた
http://memoup.seesaa.net/article/31933217.html
「アクセス向上は、橋本大也さん、秋元さんが書いてて読みやすいです。
いとまささん、GIGAZINEさん辺りのインタビューをしているあたりが秀逸かなと。」
ほらね、すばらしい読者の声。
かと思ったら、「私は「企画書を光らせる珠玉のキーワード」連載シリーズを今回執筆させて頂いています。」。なんだ関係者か...。
それで結局、今日はこの雑誌の宣伝ですか?って言われそうですが、宣伝なのです。買ってください。よろしくお願いします。
・雑誌とWeb連載開始:帰ってきたアクセス向上委員会 on Web担当者 現場のノウハウ、Web担当者Forum
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/004670.html
・再掲:アクセス向上委員会通信1997-1999ログ
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/001346.html
「はたらけど はたらけど 猶わが生活楽にならざり ぢつと手を見る」 石川啄木
フリーター、ニートが社会問題になって久しいが、職を得たら幸せなゴールとも言えない現実がアメリカにはあった。働いても働いても貧しい生活から脱出できないワーキングプアという階層が近年、大きな問題として浮上している。
著名な女性コラムニストである著者は、米国の低賃金労働を体験するために、身分を隠し僅かな生活資金だけを持って、長期潜入取材を敢行した。「頂点から20%の階層」から「底辺から20%の階層」へ。時給6〜7ドルの劣悪な長時間労働の環境で、食費や医療費も切り詰めながら、土日も働く日々を体験した。
低賃金労働とはいえ職を得るのに一苦労する。性格的問題がないことを証明するために馬鹿馬鹿しい数十の質問リストに答え、従順な従業員になることを経営者にアピールしなければならない。麻薬をやっていないことを示すために、担当者の目前での尿検査まである会社もある。
単調な労働に創意工夫は期待されない。一人がちょっと頑張ると「みんながそうしろって言われちゃうでしょ」と同僚から叱られる。できる従業員は酷使されるだけ。仕事ができたからといっても1年後に時給が1ドル上がるくらいの将来しか用意されていないのだから、専門の技能を伸ばすことなど考えられはしないのだ。
最低水準の生活を維持することに精一杯な状況では、よりよい職場へ転職することもできない。貯金が無いので職探しのために仕事を休めないからだ。人間関係も職場に閉じているので天職のための情報や人脈もない。
ウェイトレス、掃除夫、スーパーの店員として会社の奴隷のように、身を粉にして働いた著者だったが、どの職業でも生活の向上など実現できなかった。安売りで有名なウォルマート(大手スーパー)の労働者の給料では、ウォルマートのシャツが買えないのである。
米国でおとな一人とこども二人の家族の生活に必要な実質的な年収は3万ドルで、それは時給にすると14ドルだそうである(これには健康保険や電話料金などを含むが娯楽の費用は入らない)。しかし、米国の労働者の60%は時給14ドル以下で働いている。ブルーカラーの労働に対して企業は前述のように6,7ドルで雇用しているわけだから。
多くの先進国では企業が負担できない費用を政府が健康保険や各種の補助金、税金の控除でカバーしているから、国民の生活は成り立っている。自助努力が原則の米国ではそれが期待できない。自力で3万ドル全部を稼ぐしか生きる道は無いのだ。「通勤用の車まで持っている健康な独身者が、額に汗して働いているにもかかわらず、自分一人の生活を維持するのさえままならないというのは、どこかが間違っている」。
著者は、自らの取材体験やそれらの職場での同僚たちの実態をレポートし、貧困から這い上がれない低賃金労働者の不幸の原因も指摘した。彼らは技能がないから、やる気がないから、低賃金労働をしているわけではないのだ。そこから抜けられない社会構造があるのである。そして貧困の再生産構造は強化され、持つものと持たざるものの格差は年々大きくなっている。
低賃金労働の多くは、いわゆる3K労働であるが、これらは中流や上流の階層が快適を味わうためのサービスである。誰かが掃除をして、誰かがお茶を運び、誰かがマーケットの棚を整理しているから、快適な消費が促進されるのである。
「私たちが持つべき正しい感情は恥だ。今では私たち自身が、ほかの人の低賃金労働に「依存している」ことを恥じる心を持つべきなのだ。誰かが生活できないほどの低賃金で働いているとしたら、たとえば、あなたがもっと安くもっと便利に食べることができるためにその人が飢えているとしたら、その人はあなたのために大きな犠牲を払っていることになる」と著者は訴える。
日本でも格差社会の問題が取り上げられているが、こうした本で、アメリカの暗い現状を知っておくことは、課題の解決に役立つかもしれない。能力主義や資本の論理は経済を最適化するものであるが、バランスを考えない施策では、人間に最適化ができないということなのかなと思った。
「絶滅に瀕したアフリカの種族、キクユ族のために設立されたユートピア小惑星、キリンヤガ。楽園の純潔を護る使命をひとり背負う祈祷師、コリバは今日も孤独な闘いを強いられる...ヒューゴー賞受賞の表題作ほか、古き良き共同体で暮らすには聡明すぎた少女カマリの悲劇を描くSFマガジン読者賞受賞の名品「空にふれた少女」など、ヒューゴー賞・ローカス賞・SFクロニクル賞・SFマガジン読者賞・ホーマー賞など15賞受賞、SF史上最多数の栄誉を受け、21世紀の古典の座を約束された、感動のオムニバス長篇。 」
22世紀、アフリカのキクユ族の末裔たちは、民族の伝統的価値観を追い求め、ユートピアを築くために地球を離れ、惑星改造技術で作られた新天地キリンヤガへと移住した。人々は現代のあらゆる知識や技術を捨て、厳しい自然の中で、古の掟を守って暮らす。全能の祈祷師としてコミュニティに君臨するコリバは、理想の社会を維持するために苦悩する。
伝統と革新、個人と社会、人間と技術といった大きなテーマについて、小さなキリンヤガ社会で次々に発生する事件は、読者に問いかける。人類の進歩とは何か。それは本当にいいことなのか?。コリバが人々に話す寓話は近代、現代の人類の歩みに対して疑問を投げかけるものばかり。
伝統的価値観の中には残すべき良いものが含まれているはずだと漠然と感じるが、それが現代人にとってどのような価値を持つのか、すばりと言い当てるのは難しい。コリバは次第に現代文明に"汚染"されていく同胞の姿に愕然としながら、その難しい説得を続ける。
10話すべてが未来の神話時代の世界を織り成す縦糸、横糸として語られる。どの作品も個別に完成度が高く感動的である。M.ナイト シャマランあたりが映画化したらいいなと思う大変な名作。
関連書評:
・HPO:個人的な意見 ココログ版: [書評]キリンヤガ
http://hidekih.cocolog-nifty.com/hpo/2004/02/post_5.html
・DVD43 v3.9.0
http://www.dvd43.com/
まず注意です。これは興味深いソフトなので紹介しますが、著作権保護の観点は各自で判断の上で利用はご検討ください。違法コピーを推奨する意図はありません。
DVDやCDにはコピープロテクトがかかっている場合がある。iPodやPSPに映像や音楽をコピーして持ち歩きたいと思っても、プロテクトがあると私的複製ができない。プロテクトの解除ツールは他にも幾つかあるが使い方が難しかったりする。
DVD43は、常駐起動させておくだけで、プロテクトを無効化してしまうフリーソフト。起動するとタスクトレイに顔のマークが表示される。DVDやCDを挿入すると、顔が赤い怒った顔になって解除を試みる。無効化に成功すると緑色の笑った顔になる。あとは一般的なDVD・CDの複製ツールでコピーが可能になる。
現在、市販の複製ツールはコピープロテクトの解除には対応していない。こうしたグレーな存在のフリーソフトはできる場合がある。お気に入りのコンテンツの私的なバックアップをつくりたいと思って市販の複製ツールを買ってくるとできず、フリーソフトだとできてしまったりするという、妙な現状がある。
プロテクトを解除して個人が私的なバックアップをつくることが法的に許されるのかどうかは議論の最中のようだ。このようなツールを使うことが違法である可能性があるので気をつけないといけない。消費者としては購入したコンテンツの柔軟な利用ができることが好ましいと思う。
・コピーガード - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%94%E3%83%BC%E3%82%AC%E3%83%BC%E3%83%89
・DVDビデオ( DVD-Video )の私的コピーは違法か?
http://homepage3.nifty.com/nmat/css.htm
・gooメモリ・リトリーバβ - gooラボ
http://labs.goo.ne.jp/mr/index.html
とても興味深い実験ソフトをGooラボが公開している。
「「gooメモリ・リトリーバβ」は『あっ、あれなんだったかな? 思い出せない…』をお助けするツールです。このソフトは、あなたがWebページを閲覧する際に、(1)いつどのページを見たか、(2)どのようにページを利用したか、(3)どんな情報に注目したかなどを記録します。これらの情報をもとに、あなたの行動履歴を分析し、あなたの“記憶の糸”を見やすい画面にして提供します。 」
このソフトウェアはユーザのWeb閲覧履歴を自動で保存し、後でキーワード検索できるようにする。サムネイルでページの内容や見た順番を確認できる。ある期間に見ていたページ群に含まれるキーワードも表示される。何で検索してたどりついたプロセスか分かったりもする。それぞれの時期に何に関心を持っていたかが記録に残るのだ。
Googleデスクトップ検索にも同様のWeb閲覧履歴の検索機能があるが、gooメモリ・リトリーバβでは、ユーザーの注目の度合いによって検索結果の表示順位を決定するという発想が新しい。
たとえば、そのページを見ているときのユーザーのデスクトップ行動を追跡しており、
・Webページを見ていた時間の長さ
・キーボード・マウス操作の有無
・マウスによるテキスト選択(コピー&ペースト)
・印刷操作
という操作が行われているページほど上位に表示される。
ただボーっと見ていただけのページ、偶然開いてしまったページよりも、熟読して印刷したり、意見の書き込みや、仕事の資料へ引用をしたページの重要度があがる仕組み。大量のページを閲覧する研究者にとっては強力な支援ツールになると思う。私もまだ2日だが便利に使っている。
実験公開のため、操作方法が少しわかりにくい部分があるが、基本はインストールしておけば自動でログを保存してくれるし、必要に応じて検索ボタンを押すだけでいいので、利用は簡単である。
GooLabのQ&Aを読んでいて、ある種同業の私はこんな項目をGooさんが用意しているのを見てふきだしてしまった。
「Q.
gooメモリ・リトリーバって難しそう……
A.
そんなことはありません! Webブラウザの操作履歴が、一目でわかる一覧となって表示されます。自分がとった行動の通りに表示されるので、自分がどうやって情報を探したのかがカンタンにわかります。ちょっと慣れていただく必要はありますが^^;」
なお、このソフトは2007年6月までの実験公開で期間を過ぎると使えなくなる。ログは蓄積すればするほど有用になるはずなので、ぜひ7月以降もGooさんには、正式公開版を出して欲しい。
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http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/004676.html
「京の骨董店を舞台に現代の「百物語」の幕が開く。注目の俊英が放つ驚愕の新作。細長く薄気味悪い座敷に棲む狐面の男。闇と夜の狭間のような仄暗い空間で囁かれた奇妙な取引。私が差し出したものは、そして失ったものは、あれは何だったのか。さらに次々起こる怪異の結末は―。端整な筆致で紡がれ、妖しくも美しい幻燈に彩られた奇譚集。 」
お稲荷のお使いがキツネの像で、狐憑きという霊的現象もあるからキツネは霊的な印象があるが、本来はこれは動物のキツネが神様というわけではなかったらしい。穀物の神である御饌津神(みけつかみ)の"ミケツ"という発音がキツネの古語である"ケツネ"に近かったため、キツネがお稲荷の使いになったという説がある。
この作品に登場するきつねも動物のキツネではない。それは長い胴体を持って、闇夜にすばしこく動く何かである。お稲荷の総本山である京都の伏見稲荷には数年前に一度行ったことがある。見るからになにかそういうものが棲んでいそうである。昼間なのにどきどきした思い出が、この本を読みながらよみがえってきた。
・伏見稲荷神社で撮った写真をFlashムービー化してみたもの
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/fushimiinari.html
京都の古物商を主な舞台にして、少しずつ重なり合う4つの物語がひとつの世界を構成する。なお、ミステリー小説ではないのですべての謎が解けると思って読まないほうがよい。まさにキツネにつままれたような体験をしたい人におすすめである。この森見 登美彦は恒川 光太郎、川上 弘美などの民俗系のダークファンタジーに通じるものがある。
・雷の季節の終わりに
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/004801.html
・夜市
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/004796.html
大江健三郎が「「伝える言葉」プラス」で絶賛していたのでパレスチナ系アメリカ人の文学研究者、文学批評家エドワード・サイードを読んでみた。サイードは学者としての仕事とともに、社会状況に対しても積極的な発言をしてきた人物であった。この本は時代を代表する研究者が一般にわかりやすくその価値を説明することで知られるBBC放送のリース講演「知識人の表象」(1993年)での講演内容を書籍化したもの。
・エドワード・サイード - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%89%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%BB%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%83%BC%E3%83%89
著者は「知識人とは亡命者にして周辺的存在であり、またアマチュアであり、さらには権力に対して真実を語ろうとする言葉の使い手である。」とそれを定義する。現代の日本ではかつての知識人はただの「物知り」か「専門家」へと後退し、高い志を持った大衆の代弁者としての「知識人」という言葉は「教養」と並んでいまや死語であると思う。
サイードが求める知識人とは上意下達で高い場所から大衆に教えを垂れる存在ではない。支持者や聴衆におもねることなく共感や連帯をつくり、世俗の権力や国家に対して異議申し立てを行うリーダーを指す。
「思うに知識人が迫られるふたつの方向とは、勝利者や支配者に都合のよい安定状態を維持する側にまわるか、さもなくばーーーこちらのほうがはるかに険しい道だがーーー、このような安定状態を、その恩恵にあずかれなかった不運な者たちには絶滅の危機をもたらす危険なものとみなしたうえで、従属経験そのものを、忘れられた人間の記憶ともども考慮する側にまわるということなのだ。」
サイードは、わたしたちは全体主義国家の思想統制や言論活動の制約には監視の目を光らせているのに、「研究や業績も、市場内部でいかに多くのシェアを獲得し維持できるかに主眼がおかれている」自由市場の原理を当然のようにみなしていると批判している。この人気重視の知識流通の仕組みが、戦う知識人にとって大きな脅威なのだという。
そして「現代の知識人は、アマチュアたるべきである。アマチュアというのは、社会のなかで思考し憂慮する人間のことである。」と書いている。専門家が無自覚に行っている活動に対して、一個人として根本的な問いを投げかけ続けるアマチュア精神が、権力に対して真実を明らかにする方法となりうるという。
この本を読むと本来の知識人という概念、社会的役割が明らかになる。権力に対しても、自分の支持者に対しても、常に批判的であり続け、弱者の代弁者であり続けようとする知識人なら、いつの時代でも価値はあるし、情報化社会だからこそ、改めて必要とされているのだと思う。
・「伝える言葉」プラス
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/004794.html
・グロテスクな教養
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/003896.html
「1969年春、横浜の高校で悲惨な事件が起きた。入学して間もない男子生徒が、同級生に首を切り落とされ、殺害されたのだ。「28年前の酒鬼薔薇事件」である。10年に及ぶ取材の結果、著者は驚くべき事実を発掘する。殺された少年の母は、事件から1年半をほとんど布団の中で過ごし、事件を含めたすべての記憶を失っていた。そして犯人はその後、大きな事務所を経営する弁護士になっていたのである。これまでの少年犯罪ルポに一線を画する、新大宅賞作家の衝撃ノンフィクション。」
ジャーナリストの著者は遺族たちに直接取材し、丁寧にその後の28年間の軌跡を追った。遺族たちにとって家族を惨殺された事件の衝撃はあまりにも大きく、一時は家族崩壊寸前まで追い込まれていた。悲しみから立ち直り新しい生活を築いていこうとしても、被害者が生きていたらこんなではなかったという思いが残り続ける。遺族は、慰謝料の支払いはおろか謝罪のことばさえない加害者のことを憎むことさえ避けようとしている。事件を思い出すことが辛すぎるのである。
更正の名の下に加害者の人生を保護し、傷ついた被害者の救済をおざなりにする現在の法制度の矛盾が明らかになる。少年事件では、ほんの数年で加害者は少年院を出所してしまうが、遺族の悲しみは一生続く。「あんなことがあった家」という世間の目が何の落ち度もない遺族に突き刺さるのが痛々しい。
少年の凶悪犯罪という特殊性はあるが、大きな不幸を乗り越えていく家族のドキュメンタリとしてもよく書かれていて内容に厚みがある。遺族の理解の元で調査しており、事件報道の手本となる見事な作品である。
最近も猟奇的な殺人事件がたびたび報道される。特徴的なのは、加害者、被害者がブログを書いていたり、ミクシイを使っていたなど、ネット上に痕跡が発見されること。そのような痕跡を見ると、事件は身近なところで起きているとわかって恐ろしくなる。今後はそうした痕跡を収録した事件取材本がでてくるのだろうな。
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http://blog.anilir.net/
「15歳で海軍操縦練習生となり、海上自衛隊、民間航空のプロパイロットを経て、75歳で飛行機を降りるまでの半世紀もの間、空を翔けつづけた著者が明かす裏話。」。
とても面白かった。空のエッセイ集。
スチュワーデスや管制官とのハプニング話という軽い話題から入って、訓練生時代や現役パイロット時代、教官時代の体験談、そして九死に一生を得たトラブルや生死のかかった戦時の思い出話まで、話のバリエーションが豊か。
定期航空会社の運行規定には「定期航空の四原則」というのがあって安全性、定時性、経済性、快適性で、この順で大切だが、あちら立てればこちら立たずになる。パイロットは総合点でベストを尽くすために実にいろいろなことを考えながら操縦しているのだなと終始感心した。
特に厳しい訓練と定期チェックが印象に残った。日本で年間に階段から落ちて死亡する人は600人。年間に航空事故で死亡する人はそれより少ないと書かれている。飛行機の乗るより2階に住む方が危険という見方もできるほど、現代の飛行機の安全性は高いそうである。
私は飛行機が苦手である。海外へ行くときには仕方がなく乗るが、国内は新幹線で行けるなら陸路を選ぶといった感じなのだけれども、この本を読んで飛行機への興味は高まった。著者の小話のユーモアに笑い、専門知識の披露にフムフムと思い、戦時中のパイロットの壮絶な日常に感動した。
文章が読みやすく、暖かい。
・diskFR(WindowsNT/2000/XP / ユーティリティ)
http://www.vector.co.jp/soft/winnt/util/se376649.html
私は、仕事で動画サービスの開発をしているので巨大な動画ファイルをデスクトップに置いている。しばらく使っていると、ハードディスクが一杯になりWindowsの動作が重くなる。一杯になる前に状況を知りたいと思っていた。
diskFRはタスクトレイ上でリアルタイムにハードディスク残量をグラフ表示するフリーソフト。形式は棒グラフ、円グラフ、星型を選べる。ギガ、メガ、キロ、バイトなど計量単位を指定できる。確保しておきたい空き容量を指定しておくと、それを超えそうになると警告を表示する機能もある。
複数のハードディスクの容量を並べてサイドバーとしてデスクトップに常時表示する機能も便利である。
ブランド文化論の専門家が書いたブランド入門。ルイ・ヴィトン、エルメス、シャネルについて創業から現在にいたる栄光の歴史を紐解くことで現代消費のキーワードのブランドを解題する。
ルイ・ヴィトン、エルメスをはじめ多くの高級ブランドは、起源においては顧客にフランス皇室を持つロイヤルブランドであった。ナポレオン三世の奢侈産業振興政策を背景に、ルイ・ヴィトンは貴族のドレスを鉄道輸送するための高級な木箱をつくった。それはひとつずつ手作りの特注品であり、貴族が召使いに持たせるものであった。顧客のオーラを受けてブランドは輝いた。
馬具商エルメスは自動車の時代、大量生産の時代になることを理解し、だからこそ逆にハンドクラフトを「少なく、高く、売る」、つまり「売らないことによって売る」の戦略が大切になると考えた。希少性の戦略の前提には大量の消費がある。安物、贋物が多く出まわれば、むしろ少数の本物の価値があがると考えて、過剰生産の陳腐化を避けてきた。ひたすらに永遠に変わらないものを追い求めた。
皇室のオーラと少量生産のロイヤル・ブランドの時代に革命を引き起こしたのがシャネルであった。シャネルは皇室のオーラをまったく必要としなかった。孤児であった創業者自身の成功と華やかな生活が、メディアで取り上げられ、彼女自身の姿や生き方のオーラがブランドパワーの根源となった。ココ・シャネルは晩年、ジャーナリストの取材に対して「彼女たちが私の真似をしたのは、私が素敵に見えたからよ。もし時代のなかで何かはやったものがあったとしたら、それはショートカットじゃないわ。流行したもの、それは私よ」と答えたという。
シャネルは本物主義さえ否定した。自分のデザインがそっくりコピーされることを許した。型紙を買っていった業者たちはシャネルの名前を使って自分達の服を世界中に大量に売った。デザインは機能性を重視し、流行(モード)をつくりだした。ロイヤルブランドの永遠に変わらないものの価値を否定した。
シャネルの偽者主義はイミテーション・ジュエリーを自らデザインし販売したことにも現れている。本物の宝石と偽者の宝石を混ぜて使い、ココ・シャネル自身が身に着けて見せた。だが価格は高額のままであった。これは本物の宝石だから高いのではなく、シャネルだから高いのだと言った。
そして王家の血筋よりも有名性がブランドパワーの根源となり、メディアが伝説を作り出す時代になった。モード(流行)とブランドは本来は対立するものであったが、現代はモードなブランドの時代である。ルイ・ヴィトンは「ファッショナブルであってもファッションブランドにはならない」と宣言している。貴族の贅沢がストリートに降りてきてバッグを働く女性に売っている。
女性向け高級ブランドについて名前は知っていても、それぞれがどういう位置づけや価格帯なのかは私はよく知らなかったのだが、この3社が高級御三家で、ルイ・ヴィトンとシャネルはまるで違うものだと基本がわかってまず勉強になった。
・ブランド王国スイスの秘密
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/004359.html
経済学の教授が書いた値ごろ感、経済心理学入門。
値ごろ感の方程式が前半のテーマである。
それは、
値ごろ感= 価値 ÷ 費用
というもの。
価値がわかりやすい商品であれば、おまけと割引では基本的に割引の方が効用が高い。
おまけ付値ごろ感= 価値(500円+100円) ÷ 費用(500円) = 1.2
割引の値ごろ感 = 価値(500円) ÷ 費用(500円-100円) = 1.25
「つまり、同じ財源を使うとすれば、値ごろ感という視点からは、おまけよりも割引に使った方が有効であることが分かる。しかし、この簡単な値ごろ感の分数式からいくつかの重要な視点も導き出される。それは割引と同等の値ごろ感1.25を作り出すには、分子には500円×1.25=525の価値を作り出さねばならない。つまり、100円の割引に対して、125円のおまけでやっと釣り合うわけである。
この単純な事実から、おまけをつける場合は相当なものでなければ有効でないことが分かる。そもそも割引には価格という最も明確な費用を差し引いてくれるという実感もあるし、お金が戻ってくるようなものだから、ただでさえ好ましい側面がある。
」
無論、効用関数の計算だけではないと思う。手数料無料の戦略や、衝動買い、ついで買いのポイントなども解説されている。値決めについて考えたい人、売り手の思惑を見抜く賢い消費者になりたい人に基本的な知識を与えてくれる本である。
値ごろ感について最近考えることがあった。
先日、地元のデパートで物産展をやっていた。ミニたい焼きという実演ブースがあった。いろいろな餡子を入れたとても小さなたい焼きである。おいしそうなので買うことにしたのだが、閉店間際だったこともあり、値引きをしてくれた。定価は1個50円である。それを10個で500円のところが350円になった。3割引である。
お金を支払い商品を受け取ると店主が「ちょっとまって、おまけもあるよー」といって、いま買ったのと同じ分量10個をおまけで追加してくれた。本来20個1000円のところを350円で買ったことになる。65%オフである。
だが、私は90%オフ以上の物凄い値ごろ感を感じた。店主の値引き+予想外のおまけの二段階サービスが、65%オフをそれ以上の効果へ増大させたのである。投売りにしても、やり方はあるものなのだなと感心した。
正月にも値ごろ感事件はあった。家族で近所のミスタードナッツへ行ったのだが店頭で福袋を売っている。キャラクターの弁当箱や手帳などのグッズがいくつか入っているそうである。お客は満員なのに、この福袋はあまり売れていなかったし、グッズだけでは買う気がしなかったのだが、売り子がぼそっと大変な事実を述べた。「ドーナツ10個の引換券も入っています。すぐでも使えます」。
福袋コーナーにはドーナツ10個の引換券について表示が無かった。ドーナッツの平均単価は100円を超える。家族で10個は簡単に消費する。どう考えてもお得なのである。3人以上で来ている場合、事実上、タダでグッズ類が手に入るようなものなのである。満員のお客たちはこの事実を知ったら、ほとんどのテーブル席の客が買っただろう。10個くらい食べているんだから。
売り子はダメ押しに「この1000円にはポイントもつきますよ」。妻はミスタードーナッツのポイントカード利用者、貯めてグッズと引き換えるのを楽しみにしていたのである。買わないわけがない。
そしてドーナッツ10個を引換券で注文してグッズを楽しめた。たいへんな値ごろ感であった。わたしたちだけが知っていて得をしているという気分が効用関数をさらに引き上げていた。帰りにもう一袋買おうか?という案まで出ていた。
現代の流通システムには販売奨励金や補助金などのさまざまなインセンティブ制度が働いているから、あの手この手の割引やおまけが店頭で展開されているから、そういうものに対して消費者は麻痺しがちである。ミニたい焼きのように割引の後におまけを提示する戦術や、ドーナツのように、一見割高だけどよく聞いてみるとお得というサプライズ感の演出が有効なのではないだろうか。
「歩いていると、ついてくるものがあった。
まだ遠いので、女なのか、男なのか、わからない。どちらでもいい。かまわず歩きつづけた。」
この最初の一行にぞくっとして、これはひきこまれてしまうぞと確信した。なかなか書けない見事な書き出しであって、トンネルを抜けるとそこは雪国だった、級である。ついてくるものは憑いてくるものであるという、そういう異界ものの話である。すうっと異界にひきこまれて2時間半で読み終わり、無事、こちらがわへ戻ってくることができた。
句読点で短文を区切り、会話も内面も続けてことばを置いていく実験的な文体は、主人公と本当はそこにいないものの間を地続きにする。ひら仮名の短いことばは、この世にやってきたばかりの、子供のことばであり、常世のことばに近いのかもしれない。
「真鶴、はじめて。百が笑う。わたしも、こないだが、はじめて。一緒に笑う。岬の突端で突然空が広くなり、遥か下に海をのぞんだおりの、頬を耳を風がなぶったときの感触をいちじに思い出した。」
なにげなく取り出した一節だが、短文も活きているし、岬の突端で、からの一文も名文だと思う。日本語の表現力を引き出している。そして川上 弘美の文章は、根っからの女の文体だなと思う。生理があって血を流し、男に抱かれて、子供を産み、浮気に嫉妬して、ヒステリーを起こす。愛しすぎて男の首を寝ている間に絞めるかもしれない。そういう、どうしようもなく女であるっていう状態の文体である。男性は読んでいて怖くなるかもしれない。女性はどう読むのだろうか。
題名の「真鶴」というのもすごいではないか。温泉地の熱海でもなく、湘南海岸の江の島でもなくて、小さな港町の真鶴である。私は子供の頃に一度だけ行ったことがあるが、やはりこれは真鶴でなくてはいけない。大磯でも二ノ宮でもだめである。他の東海道の駅ではイメージが違うのである。ついてくるものがあるとすれば曇りときどき雨の日の、真鶴だという気がする。真鶴(まなづる)という字も音も、なにかが憑いている。
さて、文体の技巧やタイトルばかり褒めているのは、この小説が本当に素晴らしいので、ちょっとでもネタバレをしたくないからである。絶賛の5つ星である。
概要だけ引用すると「失踪した夫を思いつつ、恋人の青茲と付き合う京は、夫、礼の日記に、「真鶴」という文字を見つける。“ついてくるもの”にひかれて「真鶴」へ向かう京。夫は「真鶴」にいるのか? 『文学界』連載を単行本化。 」というものである。
・龍宮
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/004759.html
・雷の季節の終わりに
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/004801.html
先週後半の会議中、熱がある、Wiiの遊びすぎだろうかと真剣に言っていた同僚が、月曜朝に社内MLにこんなメールを送ってきた。
「医者に行ったらインフルエンザと診断されました。タミフルを飲んでいますが高熱で今日はまだ出社できそうにありません。例の会議は明日に延期させてください。」
とりあえず「完全に直るまで家で休んでください。下手をすると会社が全滅しますから」と返信しておいた。私が感染症の本を読んだばかりだったから、というのもあるが、我ながら正しい対応だったと思う。
これは感染症と予防医療の専門家が一般向けに書いた本。インフルエンザやノロウィルスのような身近な感染症から、鳥インフルエンザやSARS、エイズなどの深刻な感染症までを、特に伝播経路に焦点をあてて、わかりやすく説明してくれる。
伝播経路は、
1 病原体が人体のどの場所から出て、他の人のどの場所へ侵入するのか
2 どんな媒体によって運ばれるのか
3 どのくらいの期間生きているのか
の3つで整理できる。これらのポイントを知っておけば、感染症への各自の対策ができるし、過度の心配がいらなくなる。
箸を使い風呂に入りコンドームをよく使う日本人は本来、実に衛生的な国民だそうである。感染症の広がりは、病原体の性質だけでなく人々の生活環境や生活習慣と密接な関係があり、伝播経路の変数に影響している。日本において、世界であれだけ騒がれたSARSやエイズが蔓延しなかったのも、日本人が比較的清潔な生活をしているからでもあるらしい。
実に面白いのが、日本語の発音の特徴が飛沫感染の起こりにくさに関係しているのではないかという著者の発表した仮説である。英語・中国語にはptk(中国語ではさらにqhc)の破裂音のあとに母音がくると息がはげしく出される有気音がある。この発音のときにウィルスの飛沫が飛びやすいのだという。日本語ではそれが無気音になるので、飛沫感染が起きにくいと著者は考えている。
日本語のプレゼンの方が英語のプレゼンより安全ということか。風邪の時には外来語を使うべきではないのか?なんて考えて可笑しくなったが、真面目な医学誌に掲載された話であるそうだ。日本語は清潔な言語と言えるのかも知れない。ちょっと嬉しい。
感染症対策として、清潔であれば大丈夫というわけにはいかないのが難しいところである。清潔な環境では免疫力が育たない。アレルギー症も増えるし、抗菌は薬の利かない菌を作り出す原因にもなる。適度に汚いくらいの環境でこどもの頃にウィルスや最近の感染を受けたほうが丈夫な子供が育つとも考えられるそうである。
生カキには気をつけたほうがいいらしい。カキの養殖場は植物プランクトンが多い下水処理場の近くであることが多いため、下水の中で生き続けるノロウィルスを濃縮してしまうことがあるそうだ。海のきれいな産地を選び、ガツガツ大量に食べないようにするといいらしい。途上国では絶対に食べるなと書いてある。生カキは結構好きなので参考になった。
そして、インフルエンザにはマスク、エイズにはコンドームが効果的な予防策になるという著者の主張は、論旨明快で実践しやすいものであった。著者は、人間が喋るときと咳をするときに口から出る風速を測り、飛沫感染に対するマスクの有効性を検証した。結論としては、非感染者がではなくて、感染者がマスクをするのが最も効果があることがわかったそうだ。
一般には風邪が流行ってくると、予防のためにマスクを非感染者がつけることが多いと思うが、飛沫は乾燥して飛沫核になった状態では普通の薄いマスクは通過してしまう。これを防ぐには分厚いN95という特殊なマスクが必要になる。これに対して、感染者がつけた場合は薄いマスクであっても飛沫が外へ出るのを防ぐことができる。会社でゴホゴホ言っている人が身近にいたらマスクを配るといいわけだ。
エイズが日本で今まで広まらなかったのはコンドームがよく使われる珍しい国だからだそうだ。日本以外ではピルの方が一般的で、コンドームの人気がないらしい。コンドームは避妊以外にも感染症予防効果が高いので、この素晴らしいコンドーム文化を守るべきだと主張している。マスク同様、出口に袋をかぶせるのが有効なのだな。
感染症は目に見えないから心理的に不安である。知識が無ければ過剰に心配したり、効果も無い対策をやってしまいがちだ。この本は、病原体の種類と性質、伝播経路と対応策が明確に書いてあって、情報によって感染症と戦うことができるようになる、いい本だと思う。
・感染症は世界史を動かす
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/004403.html
・インフルエンザ危機(クライシス)
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/004247.html
・世界の終焉へのいくつものシナリオ
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/004729.html
「ミクロの世界に時間というものが仮にあるとしても、マクロの世界における時間とミクロにおける時間は、同一のものではない。また、マクロの世界においても、物理学的時間と人間(生命)が感じる時間は同一のものではない」
マクダカートによる時間の分類が最初に紹介されている。
A系列の時間 自分がいる「今」という視点に依存する主観的な時間
B系列の時間 歴史年表のように過去から未来を見渡す客観的な時間
C系列の時間 順序関係がない、単なる配列
人間が普段、感じているのはA系列の時間である。デカルト哲学やニュートンの科学が相手にしているのはB系列の時間であった。(時間という概念でB系列のイメージを持つ人が多そうである。)。マクダカートはこうも述べている。
「A系列の時間も、B系列の時間も、実在しない。しかし、C系列は実在する可能性がある。」
C系列は時間とは呼べないので、時間は実在しないともいえる。
「時間は、もともと人間の感覚から生まれた概念である。毎日、太陽が昇り、星座が動き、狩りに出た良人の帰りを待ち、新たな生命が生まれ、そして死んだ人は還らない。こうした日常経験の中から、われわれの祖先は時間という言葉を創りだしたのである。」
だから、時間は実在しているのではなく、脳に組み込まれたアプリオリな概念なのである。ミクロの世界、量子力学の世界では、粒子の位置と速度は同時に確定することができない(位置を測定するには粒子に触ることになり、触れると速度が変わってしまう)。粒子のふるまい自体も確率論的で順序や因果関係もない。ミクロの世界に時間の向きや流れは存在しないのだいえる。
これに対してマクロでは、時間というものが仮定される。不可逆なプロセスが存在するからである。エントロピー増大の法則がはたらく世界の中で、人間は秩序に価値を見出す。価値ある秩序とは未来へ向かう意思がなければ存在しない。生命の生きる意志が過去から未来へ向かう時間の向きと流れをうみだしていると著者は結論している。
「われわれは、なぜ秩序に価値を見出すのか。その答は明らかである。それはわれわれが生命だからである。生命こそは秩序そのものであり、秩序なくしては存在しえないものなのだから。それゆえ、われわれはわれわれと似た秩序をもつものに価値を見出すのである。」
人間が感じている主観的時間と、科学実験や計画策定のための客観的時間を統合し、時間とは何かの本質に迫った面白い哲学本である。
・「時間」を哲学する―過去はどこへ行ったのか
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/001835.html
・時間の分子生物学 時計と睡眠の遺伝子
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/002803.html
・瞬間情報処理の心理学―人が二秒間でできること
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/000624.html
「エンタの神様」「24時間テレビ」「投稿!!特ホウ王国」「速報!歌の大辞テン!!」「マジカル頭脳パワー!!」「クイズ世界はSHOW by ショーバイ!!」など視聴率20%超の番組を次々に作り出し、ハズレがほとんどないヒットメーカーの本。
1000万人が求めるものをコンスタントにつくる人の持論が展開されている。
「
あえてヒットを生むための肝心な要素を挙げるとすれば、まずは世の中でいちばん多い、いわゆる”普通の人”のことをよく理解しておくことだと思う。常日頃から自分の中に、世の中の最大公約数的な”普通の人”を住まわせておくようにすることが何よりも大事なのだ。この後に続く本書の主要なテーマも、まさしくそこにあるといえる。
」
「
スタンダード的要素の割合が多いヒットというのは、わかりやすく言えば、すでに世の中に「ありそうでないもの」を生み出す作業、ということになる。
できあがってみれば「なーんだ」と言われるくらいに当たり前で、誰からもまんべんなく支持されるものでありながら、それまではどこにもなかったもの。
普通の人に受け入れられるヒット番組、ヒット商品とはそういうことだと思う。
」
「
普通の人が潜在的には誰もが感じているけれど、誰も気づいていないニーズにうまく応えることができればヒットにつながる
」
自分の中でつくりあげた普通の人の部分=「100のレベルの自分」に対して「200のレベルの自分」が新しい答えを見つけ出していってあげることが発想の基本だとする。そのためには自分の頭に1000万人を住まわせ、日本一普通の人になることが大切だという。
「まったく新しい何か」を生み出そうとしてその結果、マニアックだったり奇をてらったモノをつくると失敗するということらしい。
テレビの場合は1000万人が見るという前提は常に存在していて、その枠組みの中で、何を売るかという考え方になる。「視聴率は親切率」だとし、とにかくわかりやすさを心がけろとアドバイスしている。外さないことが重要で、アバンギャルドは常に傍流だと切り捨てる。
究極的にマス相手のマーケティングの極意は参考になった。実績が示すようにこの著者は時流に乗った天才なのだと思う。
と同時に疑問も生じる。
「エンタの神様」「24時間テレビ」「投稿!!特ホウ王国」「速報!歌の大辞テン!!」「マジカル頭脳パワー!!」「クイズ世界はSHOW by ショーバイ!!」
私はこれらの番組が面白いと思えない一人だからだ。
「最大公約数の面白いと思うもの」という発想は、逆に言えば、そこから外れた人たちにとっては「つまらないもの」にもなりうる。インターネットはよく使うけれどテレビはあまり見ない人たちというのが私の周りには、随分多くなってきた。そうした層の多くは多様なこだわりや趣味を持っていることが多い。多様な最小公倍数のニッチ集合が、画一的なマスとは別に増えてきているのではないだろうか。”ロングテール”はネットだけでなく、テレビでも進行しているのではないか。
「1000万人向けの感動」をしらじらしく感じながらも視ている視聴者はきっと多いはずである。放送の限界を通信が突き破り、コンテンツの世界でも革新が起きるとしたら、新しい世界では、1000万人が浅い感動をするのではなくて、数万人の異なる集団が異なる内容に対して、深い感動をするようになる気がする。
・誰がテレビをつまらなくしたのか
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/003903.html
・テレビの教科書―ビジネス構造から制作現場まで
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/003734.html
・テレビのからくり
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/002987.html
・テレビの嘘を見破る
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/002377.html
・Ghostzilla - the invisible browser
http://www.ghostzilla.com/
メールソフトの一部がWebブラウザーに変身している図。クリックすると拡大。
ボスが近くに来てもMixiや2ちゃんねるを読んでいるとはバれないようにするための擬態ブラウザー。あらゆるアプリの画面の一部を、モノクロの地味なWebブラウザーにしてしまう。エディタや表計算ソフトや業務アプリを擬態させていれば、なにかちゃんと仕事をしているように見えて大丈夫、というわけ。
使い方。
1 Ghostzillaを起動しておく
2 表示させたいアプリケーションのウィンドウをアクティブにして、マウスで画面の左端→右端→左端の順で触れる
すると、アクティブなウィンドウ領域がWebブラウザーに変わってしまう。デフォルトではすべてモノクロだし画像も表示されないので、テキスト情報のように遠目には見えてしまう。
こういうお馬鹿なアプリを真面目に作る人はえらい。
編集の神様、松岡 正剛著。日本は主題の国ではなく方法の国であるとし、万葉から満州までの歴史を、情報編集国家日本の歴史として説明する。
「日本人が外来の自然や文物や生活を受け入れ、それらを通して、どのような方法で独特なイメージやメッセージを掴もうとしたかということが、本書で説明したいことのひとつです。この方法が日本的編集です。」
日本の社会文化的特徴を「おもかげ」「うつろい」という言葉に託している。おもかげのおもは、主・面・母と重なり、「おもしろい」「おもむき」「おもう」などにもつながる。うつろいは移行・変化・変転・転移を意味するが、うつは空、虚、洞とも通じる広がりを持っている。
外からやってくるものを巧妙に内なる文化に取り込む。それが日本文化の方法だったのである。移ろう影として実体がなかったものも、その面を映し出すことで、現(うつつ)として成る。そんな風にしながら日本的な文化は柔軟に形成されてきた。古事記や万葉集の古代から近代までの日本の歴史を振り返りながら、日本的編集の巧妙さがよくわかる本である。
「日本人はもともと、互いに異なる特色を持つ現象や役職や機能を横に並べて、それらを併存させることがそうとう好きなのかと思わせます。日本人は対比や対立があっても、その一軸だけを選択しないで、両方あるいはいくつかの特色をのこそうとする傾向を持っているのではないでしょうか。」
確かに日本というのは方法の国としてみると凄い国である。文字だけみても仮名と漢字にカタカナ、英数が混在している。食べるものも和洋中伊仏など混在している。外来の強力なものを、取り込まれるのではなく、ちゃっかり取り込んできた。そうして100年もすると外来文化もいつのまにか日本文化の顔をしていることがあると思う。
この本の扱う年代をさらに遡っていくと、縄文時代を含めて10万年くらい、南方や大陸から段階的に波状的に外来文化と人と一緒に渡ってきて、日本という文化が成っていったのだろう。そうして考えると、日本文化はたまねぎの皮みたいなものでどこまで向いても、オリジナルなメッセージというのは出てこないのかもしれない。そうではなくて、外来を取り込んで重層的に織り成していく方法論こそ、日本文化の肝であるという著者の主張はとても的を射た主張であると思われる。
・知の編集術
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/003328.html
「コーヒーカップと口の角度で、残量がわかる。残り少なくなればカップの角度が垂直に近くなる」
お客様のお代わりのタイミングを見計らうために帝国ホテルの従業員はそう教えられるそうである。バーテンダーはお客様がグラスを置く位置を記憶してお代わりの二杯目をその場所に置く。客室のゴミはお客様出発後1日おいてから捨てる、お客様専用金庫室には鏡を置く。電話オペレータはお客様が名乗ったら一瞬間をおいてから「○○様ですね」と確認する。
「サービスは声高にするものではない。控えめに。それが上品だと教えられてきました。「控えめ」でさりげないサービスを徹底すると上品になるということです。」
簡単な作業書以外にマニュアルは存在しないが、帝国ホテル行動基準というカードを全スタッフが携帯している。この本にはそのコピーが全文掲載されている。挨拶・清潔・身だしなみ・感謝・気配り・謙虚・知識・創意・挑戦の9項目。当たり前を積み重ねて上質なサービスを実現する。
社内には「さすが帝国ホテル推進運動」というサービス向上運動があるそうだ。社員以外のホテルハイヤー運転手、靴磨きスタッフ、氷彫刻師などの仕事も表彰されている。表彰理由になったお客様対応のエピソードが多数紹介されている。
ホテルマンの行動基準というとリッツカールトンのクレドも有名である。ザ・リッツカールトン東京は六本木の防衛庁跡地「東京ミッドタウン」に2007年3月開業予定である。7月にはザ・ペニンシュラ東京が帝国ホテルの近くで改行する。
・ザ・リッツ・カールトン東京[THE RITZ-CARLTON TOKYO]
http://www.ritzcarlton.co.jp/
・Tokyo Hotels: The Peninsula Tokyo
http://www.peninsula.com/tokyo_jp.html
・驚きより「顧客感動」〜帝国ホテル・小林社長の戦略
http://job.yomiuri.co.jp/news/jo_ne_06032419.cfm
外資系高級ホテルの進出で、帝国ホテルも厳しい競争環境におかれているはずだが、1880年創業で2005年に115周年を迎えた帝国ホテルは「アーケード」「バイキング」「ホテルウェディング」などをうみだした革新のパイオニアでもある。
「さすが帝国ホテル」で検索してみた。お客の感想がいっぱい出てきた。
・「さすが帝国ホテル」 の検索結果 約 1,350 件
http://www.google.co.jp/search?sourceid=navclient&hl=ja&ie=UTF-8&rls=GGLD,GGLD:2005-14,GGLD:ja&q=%e3%81%95%e3%81%99%e3%81%8c%e5%b8%9d%e5%9b%bd%e3%83%9b%e3%83%86%e3%83%ab
「さすが○○」と言われるブランド力でどう外資ホテルを迎え撃つかが2007年の課題のようだ。
・ホテル戦争―「外資VS老舗」業界再編の勢力地図
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/004068.html
・図説 50年後の日本―たとえば「空中を飛ぶクルマ」が実現!
東京大学と野村證券の共同研究として、50年後の未来について考える「未来プロデュースプロジェクト」の研究成果。15人の東京大学の各分野の研究者が、産業・生活・世界の3つのグループで討論した結果をわかりやすくまとめたもの。現在の科学技術の延長ではなく、ブレークスルーが起きることを前提として自由発想で未来を描いている。未来の予想の内容をあいまいにぼかさず、「2055年には「エアーカー」という今までの自動車とは異なる新しい車が生まれ、街中を走りまわります」みたいに言い切る潔さがかっこいい本。科学的根拠だけでなく、こんな形のものがあったらいい、社会にとってこういったものを築きあげる必要がある、という視点が予測の基本姿勢にある。
私が気になって付箋を挟んだ項目をリスト化してみた。
・地震の揺れを吸収する「考える土」
・服を入れるとクリーニングするタンス
・東京ー大阪間を30分でむすぶ超電導磁気式リニアモーターカー
・自家製ゴミ発電
・今日の体調に最適化する家庭用サプリメント製造機
・自分にぴったりのテーラーメイド美容液
・量子コンピュータ
・軌道エレベータで宇宙へ
科学技術の未来といえば宇宙開発が私は最初にイメージするのだけれど、地上3万6千キロの軌道までのエレベータをつくり6時間をかけて宇宙へ移動する軌道エレベータが構想されている。NASA出身の研究者達が設立したLiftport Groupでは一般投資家から投資を集めて、ちょっと気の長いカウントダウンまで始めている。
・Liftport Group Home
http://www.liftport.com/
軌道エレベータのロードマップ
・LiftPort Group、さらなる宇宙エレベーターの開発テストに成功 (MYCOMジャーナル)
http://journal.mycom.co.jp/news/2006/02/22/364.html
コンピュータの進化では量子コンピュータ、ナノサイズの3次元トランジスタなどが実現されるという。バイオ分野では、イノベーションが人間の生命や健康に大きな変化をもたらす。
仕事柄、普段、パソコンの中でどんな新しいことができるか仮想技術ばかりを考えているのだが、この本に取り上げられた多くは現実世界を大きく変える技術が多い。発想を広げるデータブックとしてとても参考になった。
「サイバースペース」「サイバー社会」「サイボーグ」の語源であるサイバネティックスの創始者ノーバート・ウィーナーのよみごたえのある伝記。知能早熟に生まれ14歳でハーバード大学に入学した天才少年は、MITの教授になり、情報理論の大家となる。だが、若い頃から奇行が目立ち孤立しがちであった。それに加えて戦争に研究成果が利用されることに強く反対し政治的な発言を繰り返したため政府の危険人物リストに載っていた時期もあった。後年は高名だが孤独であった。革命的な業績を残したにも関わらず、正当な評価を受けていない「見えない」ヒーローの一人である。
ウィーナーは10歳の頃に「無知の理論」という哲学論文を書いている。人間の知識は相対的で、すべて近似にのみ基づいているもので、不完全であるという内容だった。この相対主義的な考え方は、後年のウィーナーの研究にも影を落としているなと思った。サイバネティックスの中心的な概念である、負のフィードバックによる制御モデルも、系が不完全であるということが重要な前提となっている。ウィーナーは生まれ変わりを信じていたそうだが、これも循環因果論的な考え方を突き詰めるとそういう人生観になるのだろう。信念の人であった。
情報論の基礎を築いた論文としては、ウィーナーの弟子のシャノンの通信理論が有名である。シャノンは通信チャンネルを流れるビットの量が情報量だと定義したが、もともとシャノンはウィーナーの情報論にかなり影響されていたらしい。ウィーナーはシャノンより大きなビジョンを持っていたと認めている。
「シャノンは自分の研究に制限をかけて、理論の自分が進めた部分を、ある特定の純然たる技術的なところに限ったことを、あらためて認めた。ウィーナーによるサイバネティックスの使命と展望の特徴となる、大きな哲学的希求と、社会的関連ぬきの部分だった。「理論はビットをこちらからあちらへ移すことだけに関係する」とシャノンは繰り返した。「それが理論のコミュニケーションの部分で、通信工学者がしようとしていたことだ。意味を付与する対象となる情報はその次で、それは一歩先のことで、それは技術者の関心の対象ではない。そういう話は面白いんだけどね。」」
そのまさに面白い部分がいまWeb2.0の世界では注目されているのだと思う。
「ウィーナーの見方では、情報は、意味があろうとなかろうと、伝えるべきビットの列、つまり信号の連なりにとどまるものではなく、系における組織化の程度の尺度だった。」
ネットという系でもデータ量の増大によってエントロピーは増大している。その一方でタグや関連リンクの付与、ブックマーク数のランキングなど、人間がデータに意味を与えて組織化していく動きがある。データに間違いがあれば訂正や批判や無関心によって、修正が行われている。こうしたWeb2.0的コミュニティのあり方は、サイバネティックスの発想にとても近いものではないかと思う。
ウィーナーはサイバネティックス理論において、アナログで連続的な相互作用に注目していた。目的論を指向した時期もあった。これはデジタルの離散的で相互作用中心の情報論に対して、いま一度、古くて新しい革新をもたらすのではないか、と私は考える。Web時代の再評価として時機をとらえた和訳の出版に拍手。
・MultiPing Grapher
http://www.snapfiles.com/get/multipinggrapher.html
10台までのサーバにPingを送信し、反応速度を並べてグラフ表示できるネットワーク管理ソフトウェア。管理しているサーバに、何か異常がないか見張るのに便利である。並べてグラフ表示できるインタフェースは、同じネット環境なのにパフォーマンスが悪いサーバを発見するのに向いていそうだ。
起動する前に、ソフトウェアと同じフォルダにあるhosts.txtに、監視対象のサーバ名、表示名などを書いておく。
上の画面の例:
www.datasection.co.jp;DATASECTION test;1
www.metacast.co.jp;METACAST test;2
www.dhpodcast.com;DHPODCAST test;3
127.0.0.1;LOCALHOST test;4
Pingの送信間隔(秒数)、送信パケットサイズは任意で指定できる。グラフウィンドウをダブルクリックすると、テキストベースのログを確認できる。ファイルとして保存することも可能。グラフには平均の数字を表示させておくこともできる。
昨年に続いて今年も新春ポッドキャストの企画を、ブロガーのたつをさんこと山下達雄さんたちと一緒にやりました。
たつをのChangelog たつを氏
http://nais.to/~yto/clog/
2006年に一番ついていたこととして、たつをさんは書籍にインタビューが収録されたことを挙げていました。
・新春ポッドキャスト ブロガー対談 「ツイてる!ポッドキャスト2007」
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/004850.html
それがこの本です。第一線で活躍するシステムエンジニア9人に成功の秘訣をインタビューした内容で、たつをさんはトップバッターです。早速読んでみました。
「具体的には、まず本を読んだりウェブを見たりというのが多いですね。あと新しい技術やチップスをみつけると何か一つ自分で作ってみます。そしてサイトにプログラムを置いたり、ブログで紹介してみます。僕の中ではブログというのが、簡単にアウトプットできる場所として定着していますね。何か作ったら、とりあえずブログに置いておけばさらに情報がもらえたり、間違っていたら教えてもらったりというフィードバックが来るんです。それがまた、仕事に役立つんですよ。」
これはSEではないですが、私も実感しています。
それから大変に感動したのが、山下さんがパッケージソフトからウェブへと指向を変えたきっかけとして外部との交流があったという部分で、
「僕がよく行っていたのは「無敵会議」というイベントです。「百式」の田口元さんや橋本大也さんが主宰していたイベントで、技術主体のイベントではないのですが、技術者もいたりして刺激になりました。」
と書いてくれていることです。無敵会議というのは私と田口さんが2003年12月から2004年12月まで毎月一回全13回開催したイベントのことですが、
・無敵会議最終回 超忘年会議 報告第3弾
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/002751.html
私のまとめ。
・[企]: 無敵会議『超まとめ』
http://shigepi.seesaa.net/article/1432485.html物凄い参加者の方のまとめ。
まとめ方として無敵。
そのようなきっかけをつくるイベントを主宰できたことは改めてとても嬉しいことでした。
山下さんに続いて登場するのは、オープンソースDBの「PostgreSQL」の開発・普及に尽力し、日本ユーザー会理事長を長年務めた石井達夫氏、ニフティの「ココログ」を企画し、現在「はてな」のCTO(最高技術責任者)として活躍する伊藤直也氏、Debian JPプロジェクトを立ち上げ、現在グーグルに在籍する鵜飼文敏氏など、まさに第一線のプログラマやエンジニアの方々。
彼らが成功したのは、高いスキルを持っていることは当然ですが、どうやってそれを身につけたのか、どのような努力をしているのか、きっかけはなんだったのか、など具体例がたくさん見つかります。
エンジニアのキャリアを選ぼうとしている人にとてもおすすめの一冊です。
唐突ですが、このお正月はガンダム三昧でした。
ファーストガンダムのDVDボックス発売とゲーム新作の連続発売によって、この年末年始はガンダムがとても熱かったと思います。ガンダム三昧になったのは私だけではないはずです。
・機動戦士ガンダムDVD-BOX 1 特典フィギュア付(完全初回限定生産)
■機動戦士ガンダムTHE ORIGIN
ガンダムマンガ専門雑誌ガンダムエースで連載中のTHE ORIGINです。ご存知のように安彦良和がファーストガンダムを劇画として描きなおしています。そもそもガンダムエースという雑誌はこの連載をするために作られたそうです。アニメでは描ききれなかった登場人物たちの背景設定や深い心理描写があふれています。それでいながら原作に忠実で、アニメのキメ台詞がきちんとでてきます。そのキマり方が素晴らしく、しびれます。
特にこの愛蔵版はおすすめです。私は、連載開始時はガンダムエースで毎号読んでいたのですが、ストーリーは知っているわけですから、細切れになることが不満で、通常の単行本に移行しました。しかし、単行本はサイズが小さいのです。サイズが大きくカラーページも多い、この愛蔵版は、おもいっきりガンダム世界へ没入できます。
・愛蔵版 機動戦士ガンダムTHE ORIGIN vol.1 始動編
・愛蔵版 機動戦士ガンダムTHE ORIGIN (2) ガルマ編
なお、ガンダムエースは現在はオデッサ編に突入したところです。
・GUNDAM A (ガンダムエース) 2007年 02月号
物語全体の半分を過ぎました。この壮大なリメイク作品が完結してくれることを心から祈ります。多くのガンダムファンが老後に読み返すことでしょう。
・GUNDAM BASE
http://www.kadokawa.co.jp/gundam/top.html
・機動戦士ガンダム公式Web
http://www.gundam.jp/
■MGアッガイ(プラモデル)
2005年03月06日にこのエントリを書いてから、
・ガンダム・モデル進化論
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/003091.html
ずっと、いつかガンプラをもう一度つくろうと心にきめておりました。
どのモビルスーツにすべきか数ヶ月迷った後、アッガイを選びました。水陸両用の造形が好きなのです。ゴッグ、ズゴック、アッガイは3強なわけで、しかし、全MS中でザクレロに続いて無理な造形のゾックが愛すべきMSだと思ったりするわけですが、ゾックはMG化されておりません。だから3強から選ぶかなあと絞込んだわけです。で、なぜアッガイかを語り始めると小一時間かかるので割愛しますが、アッガイでよかったと思います。ずんぐりむっくりしたマスターグレードです。
一応、ゴッグとズゴックのMGはこうです。
お正月に紅白歌合戦を見ながら、2時間半かかって完成。約20年ぶりのガンプラ体験。驚くべきことに接着剤を必要としないんですね。かわりにドライバーが必要でした。昔のように塗装はしませんが、既に基本的な配色は成型レベルでなされているので、満足なレベルに仕上がります。
可動部が多く(そのために組み立ては複雑になっている)、自由にポーズをとらせることができます。アッガイ特有の体育座りができますし、例のシーンのようにカツ・レツ・キッカのミニフィギュアがついているので頭の上を走らせることができます。
20年の進化形としてマスターグレード凄いなと思いました。さらに進化したパーフェクトグレードはいったいどうなっているのだろうか。次はもうひとつMGをつくってからPGに挑戦しようとモデルを年末まで物色することにします。
気になっているのはPGの中でもこのウイングガンダム ゼロカスタムです。ファーストガンダム世代としては邪道だと思うのですが、プラモデルとして圧倒的に見えます。これは次回挑戦候補です。
■PS3 機動戦士ガンダム ターゲット イン サイト
プレイステーション3は発売日に店頭に並びましたが入手を逃してしまい、アマゾンで先に予約していた「ターゲット イン サイト」が2週間、ソフトだけ悲しい感じで手元にありました。年末にやっと遊ぶことができました。
ガンダムの3Dゲーム化はこれが初めてではありませんが、本作の売りは「パーツ破壊」です。腕や頭部を吹き飛ばしたり、吹き飛ばされたりするのです。右腕を壊されると武器がもてなくなりますから、左手の盾を投げ捨てて火器に持ちかえるなどの選択を強いられます。頭部がなくなるとレーダーが使えなくなります。
・機動戦士ガンダム ターゲット イン サイト / 攻略映像配信
http://www.b-ch.com/gundam_tis/index.html
結構、難易度は高いのでミッションがなかなか先へ進められませんが、ジムやザクなどのザコでも十分に迫力があって鑑賞を楽しめました。鑑賞体験という点ではもうすぐ発売予定のXBOX360の「ガンダム オペレーショントロイ」も期待できそうです。
・ガンダム オペレーショントロイ
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000BNCJRI/daiya0b-22/
・GUNDAM OPERATION TROY
http://www.bandaigames.channel.or.jp/list/x360_troy/
・ガンダムエース12月号増刊 ガンダムエーススペシャル ゲーム特集号
http://store.yahoo.co.jp/tj-grosnet/bks-kk002.html
ガンダムエースもゲーム特集。最新ゲーム映像DVDがついています。
・2006年度 書籍売り上げ ベスト20
このブログ経由で、読者の皆さんにお買い上げいただいた書籍の売り上げ数のランキングです。
・2005年度 書籍売り上げ ベスト20
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/004116.html
・2004年度 書籍売り上げ ベスト20
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/002759.html
以下、URL部分をクリックすると紹介記事へ、表紙画像をクリックするとアマゾンへ飛びます。
1位 戦争における「人殺し」の心理学
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/004370.html
圧倒的によく売れました。
2位 鉄則!企画書は「1枚」にまとめよ
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/000575.html
3年連続で売り上げランキングに登場。
3位 アイデア・ブック スウェーデン式
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/004203.html
アイデアに詰まったときに、机の上においてあれば突破口になりそう。
4位 フェルマーの最終定理―ピュタゴラスに始まり、ワイルズが証明するまで
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/004192.html
・フェルマーの最終定理―ピュタゴラスに始まり、ワイルズが証明するまで
この本がきっかけで未来の数学者を志す、何百人、何千人の若者がいたに違いない。
5位 Life Hacks PRESS ~デジタル世代の「カイゼン」術
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/004414.html
・Life Hacks PRESS デジタル世代の「カイゼン」術
創意工夫が大好きな皆さんには、間違いなく面白いですのでオススメの本です。
6位 ストレスフリーの仕事術―仕事と人生をコントロールする52の法則
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/004530.html
・ストレスフリーの仕事術―仕事と人生をコントロールする52の法則
知識労働のための具体的なToDo管理技法を提案し、ベストセラー
7位 説明上手になれる「らくがき」の技術
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/004700.html
「グラフィック・ファシリテーションの手法は「集団によるエネルギー」「学習のためのセオリー」「イメージマップ」という三つの要素の微妙なバランスによって成り立っています。これらの要素を組み合わせることによって、反対意見の応酬でちっとも意見がまとまりそうにない会議をアイデアを生み出す場に変えることができるのです。」
8位 「頭がいい人」が武器にする 1分で話をまとめる技術
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/004383.html
1分の話は字数にすると約400字で、新聞のリード文に相当する。必要最低限のことを伝えるには十分な量だとして、話を短くわかりやすくする方法論が語られている。
9位 上達の法則―効率のよい努力を科学する
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/000645.html
仕事や趣味、英会話やスポーツ、囲碁将棋、茶道など。技能の上達とは、科学的にはどういうことなのか、上級者と初心者は何が違うのか、記憶と認知の研究で裏づけを持たせながら、わかりやすく一般向けに語る本。著者は社会心理学の教授。
10位 ヤバい経済学 ─悪ガキ教授が世の裏側を探検する
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/004611.html
若きエリート経済学教授と気鋭のジャーナリストが書いた全米100万部のベストセラー。
米国で「2005年度に最もブログで取り上げられた本」に選ばれた。オモシロ論点満載。
11位 人の心を動かす文章術
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/001400.html
この本も3年連続で売り上げランキングに登場。
12位 ガリレオの指―現代科学を動かす10大理論
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/002797.html
13位 人類が知っていることすべての短い歴史
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/004707.html
ビッグバンによる宇宙の始まりから、地球が誕生し、生命が生まれ、進化し、人類が誕生するまでの百数十億年の歴史が30章で語られている。
14位 暗号解読―ロゼッタストーンから量子暗号まで
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/004028.html
2005年度のオススメ書籍 第一位でした。
15位 仕事は、かけ算。
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/004552.html
すぐやる共和国の大統領閣下の著。
16位 第1感 「最初の2秒」の「なんとなく」が正しい
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/004336.html
最初の2秒の状況判断=第一感はかなり正しいということの科学
17位 Web2.0 BOOK
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/004315.html
まえがきに推薦文を書かせていただきました。
18位 すばらしい思考法 誰も思いつかないアイデアを生む
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/004716.html
天才の創造性は「ランダムな変異から、優れたものを選択して残す」やり方にあると著者は自論を展開している。ダーウィンの進化論、自然淘汰の仕組みと同じである。
19位 全米NO.1のセールス・ライターが教える 10倍売る人の文章術
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/004488.html
・全米NO.1のセールス・ライターが教える 10倍売る人の文章術
第一センテンスは短く書け、と始まる。
20位 SAS特殊任務―対革命戦ウィング副指揮官の戦闘記録
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/004518.html
これも圧倒的なドキュメンタリでした。
お正月も3日目。
例年通り今年も箱根駅伝を沿道まで応援にでかけました。
・箱根駅伝
・遊行寺初詣
さて、ネットラジオの3日目の話題は、2007年はこれがツイてる!。3人のブロガーがこれが今年は面白くなるんじゃないかと勝手な意見を述べています。
Passion For The Future 橋本
×
俺と百冊の成功本 聖幸氏
http://blog.zikokeihatu.com/
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たつをのChangelog たつを氏
http://nais.to/~yto/clog/
放送はデジハリ大学放送部のサイトでダウンロードできます。
・ツイてる!ポッドキャスト新春2007
http://www.dhpodcast.com/tsuiteru/index.html
新春ポッドキャスト2日目です。
Passion For The Future 橋本
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俺と百冊の成功本 聖幸氏
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たつをのChangelog たつを氏
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放送はデジハリ大学放送部のサイトでダウンロードできます。
・ツイてる!ポッドキャスト新春2007
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2日目の話題は各ブログの「2006年人気記事ランキング」と「アフィリエイト」についてご紹介。
・紅白をみながらアッガイとかつくりました
新年あけましておめでとうございます。
21世紀最初のラッキーセブンの年が始まりました。
よいことがいっぱいあるといいですね。
今年もよろしくお願いします。
■新春ポッドキャスト ブロガー対談 「ツイてる!ポッドキャスト2007」
ラッキーセブンでツイてる!2007年の最初の企画です。
昨年の新春ポッドキャストが予想外の好評だったため、今年もお正月らしくだらだらと、同じメンバーで、ツイてる!をテーマに対談します。今年も収録にはデジタルハリウッド大学放送部の力を借りました。1月1日から3日まで毎日放送です。
・ツイてる!ポッドキャスト新春2007
http://www.dhpodcast.com/tsuiteru/index.html
元旦の今日は、3人それぞれの「2006年ツイていたこと」をベスト3形式で発表していきます。
Passion For The Future 橋本
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俺と百冊の成功本 聖幸氏
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