口コミ2.0 ~正直マーケティングのすすめ
時代に乗ってノリノリの3人が書いたネットマーケティング論。ネット上でいかにして口コミを発生させるか、ビジネスにどう活かすか、基本的な考え方をまとめた入門書。AIDMAからAISCEASへ、Web2.0とは、正直さが重要など最近のWebマーケティングの話題が一通り解説されている。
口コミを始めたくなるツボとして4つ挙げられていた。
1 エッジ すごい、うまい、ひどいなど、突き抜けた感
2 オープン 素顔をさらけだす
3 ストーリー わかりやすいストーリー
4 クロスメディア 口コミの炎にマスメディアが油を注ぐ
ソーシャルブックマークで流行るモノってそんなものだなと眺めて納得。
ところでこの本、本文の合間に収録されている3人のざっくばらんな座談会がよかった。それぞれ気になった発言を抜き出してみた。
「藤代:人間はニュースも見るけど、みんなが見ているものを見たいという欲求がある。仲間が見てるものも見たい。」
「保田:マーケティングする側からみれば、カリスマ・ブロガーやカリスマ・アフィリエイターに商品を紹介してもらうよりも、そういう一行コメントをたくさん集めて吸い上げてくる方が、もしかしたら価値があるかもしれないね。」
「上原:でもさ、リードオンリーの人たちも、リードを始める手前でのワンクリックは存在しているわけでしょ」
これまでのネットマーケティングは、企業 → インフルエンサー → 一般ユーザー という流れが大切だと言われてきたが、インフルエンサーが不要なやり方ってありうるなあと最近感じていたのだ。
上原さんが運営しているNewsingやはてなブックマークを見ていてそう思う。
・newsing(ニューシング) - ソーシャルニュースサイト
http://newsing.jp/
ソーシャルニュースやソーシャルブックマークのライトユーザーの多くは、情報発信しているという意識がないと思う。誰に影響されたわけでもなく、普通にニュースサイトを見て自分のためにブックマークしたり、○×をつけたりしているのだろう。藤代さんがいうように、みんなが見ているものを見たいという意識も働いているはずだ。インフルエンサーの、ではなく、自分と同じようなみんなの意見を知りたいのだ。
「みんなの意見を集約するサービス」と「カリスマブロガー」は、ユーザーのアテンションを取り合うライバルという面があるなと思う。一生懸命に考えてブログのエントリを書いても、ソーシャルサイトのランキングの方が面白かったりするわけである最近は。
意見を吸い上げる側としても、カリスマの意見だけでなく、みんなの意見も参考にしたいだろう。カリスマも頑張りすぎるとマスメディアと見分けがつかなくなってしまう。ブログよりも、みんなの一行コメントやクリックなどの行動ログが、みんなにとって重要な情報源になってきている。
ブログの次はログ、かもしれない。
はじめまして、こんにちは。
橋本さんの著書「情報考学」を楽しく読ませていただきました。そこで、改めて紙媒体の良さを感じると同時に、ネットの良さを考えさせられました。
次作も期待しています。