劇画古事記-神々の物語
古事記の劇画化。
スサノオ、オオクニヌシ、アマテラスなど日本神話の物語が漫画で読める。
原典に忠実に描こうとしているので、原典を知らないとストーリーとしてはわかりにくいかもしれないが、愛好者にとっては満足度が高そう。古事記の前半は、八百万といわれるほど多数の神々が誕生する。名前しか記録にない神が多いので、特徴を持った絵にするのは苦労が多いはずだが、かなり丁寧に一柱一柱の姿を描いている。
今年読んでいる現代語訳は河出書房版。昨年読んでいた三浦 佑之の口語訳版よりも、アレンジ要素が少なく、かなり平易に原典に忠実に訳されている。
・古事記講義
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/003755.html
何度かここで書いているが、古事記の漫画として最高峰は安彦良和の「ナムジ」「神武」だと思う。「劇画古事記-神々の物語」は叙事詩風だが、「ナムジ」、「神武」はそれを原作に情熱的な人間ドラマに翻案しているのが見事だ。7年前にこの作品を何度も読んで以来、記紀ファンになってしまった。
私の場合は最初に神武、続けてナムジを読んだ。物語の順序としては逆なのだが、先代の活躍を後から読むというのもなんだか味わい深いものがあったので、結構おすすめな読み方である。
・ナムジ―大国主 (1)
おすすめ。
・神武―古事記巻之二 (1)
おすすめ。
・私の好きな漫画家たち
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/000741.html