ホワイトハウスの職人たち
普段あまり語られることのないホワイトハウスの裏方スタッフの職人にスポットライトをあてた本。登場するのはホワイトハウスお抱えの菓子職人、学芸員、理髪師、料理人、仕立て屋、フローリストの6人。彼らへの取材を通して大統領一家やVIPの華やかな私生活も垣間見える。
「ホワイトハウスの菓子職人にならないか、と誘われたのです。世界最高の権力を持つリーダーのためにペーストリーを作ることに魅力を感じた私はすぐさまイエスと答えました。」
どうやってホワイトハウスに職を得たのか、日常気をつけていること、大統領一家とのエピソードなど話題はことかかない。歴代大統領が愛1した料理やデザート、家具調度品、スーツ、フラワーアレンジメントなど、固有名詞も紹介されているのでモノ好きにも参考になる内容である。
「
ホワイトハウスの総料理長と主席菓子職人の年俸は、平均約8万ドル。在職中は曜日に関係なく拘束され、個人の生活を犠牲にすることが強いられる。しかも12月や1月ともなれば、毎朝5時から深夜12時まで働きづめだ
」
他の職種でもホワイトハウスの年俸や待遇はエリート職人にとって必ずしも高いものではない。だから採用は情熱と信頼を基準に行われている。10%は忙しさとストレスで1年以内に脱落してしまうそうだ。身元調査を必要としないため、世襲の職人も多いという。
こうしたホワイトハウスの縁の下の力持ちに対する歴代大統領の気配りのこまやかさはさすがと思った。絶妙のタイミングで気の利いた感謝のメッセージを伝えることで、職人達のモチベーションを高めている。
そしてホワイトハウスはある種のブランド名であることがわかった。目指す場所であり、プライドを持って働く場所なのである。それに比べると日本の首相官邸はブランド力って弱い気がする。何が違うのだろう。やはりトップの威光だろうか。
・ホワイトハウスの超仕事術―デキるアシスタントになる!
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/004698.html
日本における「ホワイトハウス」並のブランドは首相官邸じゃなくて皇居でしょ。
今回のエントリの「ホワイトハウス」という単語を「皇居」に置き換えても違和感はない気がします。
いつもお世話になります。
>日本の首相官邸はブランド力って弱い気が・・
もったいないと思います。ホワイトハウスが持つある種のブランドは、アメリカに住まう人々の国を愛する心⇒感謝が、何かの役に立ちたいという願い=強い社会貢献意欲となり、そこから醸成されていると感じます。
一方日本の場合、官民の壁が厚過ぎたことから公(おおやけ)に参加する=社会貢献している、という考えが根付なかったように思います。
他方、民間で成功する経営者ほど社会貢献の強い想いを抱く傾向にあり、ここに官民の偏りを痛感しています。
さりとて今、官民の関係に変化が訪れ地方の浄化は盛んになり、公に対する失望はまもなく期待に変わると思います。
ここからは誠に身勝手なお願いですが、経営感覚と改革改善の資質を持つ経営者ほど、国や地方の中央で如何なく活躍して頂いて、より良い社会づくりに貢献賜りたいと期待する次第です。
その土壌は整いつつあるようでありまた、そうなれば首相官邸のブランド力は飛躍的に高まると思います。
よりよい日本に期待を抱きます。
PS:鮒谷さまのメルマガより、上梓の運びをお聞きしました。この度、おめでとうございます。拝読させて頂きます。有り難うございます。