「物語力」で人を動かせ!―ビジネスを必ず成功に導く画期的な手法

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・「物語力」で人を動かせ!―ビジネスを必ず成功に導く画期的な手法
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人を論理で説得する。その難しさは誰だってわかっている。実際には人は論理だけでは納得しないのだ。この本はビジネスのコミュニケーションやマーケティングにおいて、物語の力を活用せよと説く。

「モノを売り込むには、論理で攻めるよりも、相手を共感させ、感情移入させる「物語」のほうが効果的」。従来の「ロジカル・シンキング」の落とし穴は、人間が純粋にロジカルな存在ではなく、感情を持った非ロジカルな存在だという事実を見落としていることにある。

物語には、単なる論理の理解ではなく、共感、感情移入、想起、想像というプロセスがあるから強いと著者はいう。人類史上最大の説得力を持った聖書は、事実や論理ではなく、物語という形式をとっているではないかという。

「現在」から入り、いったん「過去」にさかのぼり、再び「現在」に戻ってくる「V字型のストーリー」が効果的だとする。失敗や挫折を乗り越え、主人公が出発点からどこまで到達できたのかの遠近感に人は感動するのだという。誘因、紛糾、危機、山場、解決の構造。NHKの番組「プロジェクトX」など成功物語のほとんどは確かにこの形式を取っているなと思う。具体的なV字型ストーリーの構成法が語られる。

物語法は製品開発においても効果があるという。従来の製品開発形式には、明確な市場ニーズを満たす製品を作る「需要プル型」と、明確な技術シーズを適用するための市場を探す「技術プッシュ型」の2種類があるが、近年、どちらでもない「芸術型製品開発」が増えているのだという。消費者のニーズも、技術シーズもはっきりせず、両者を対話させながら、開発が進行していくケースのこと。

多くのインターネットの「Web2.0」なものの開発がその例だと思う。市場ニーズも技術シーズもはっきりしないが、断片的な情報に予兆を読み取り、こうしたサービスを消費者は使うようになるに違いないという「意味」をみつけていく。まさに物語をみつけるプロセスである。

物語は組織を率いるリーダーの言葉としても効果を発揮する。リーダーシップとは、チームで物語を作り、共有することでもあるからだ。


リーダーは自分の物語を追及するだけではダメ。チーム内のひとりひとりを主人公に見立てた物語を本人たちと共有し、つねにプロジェクト全体に目配りできることが大切です。」

利点を図や箇条書きにしただけではダメで、相手を主人公にした利用シーンを語ったら、わかってもらえた、ということはビジネスシーンでよく経験する。過去の成功を伝説や神話にすることで長く繁栄している企業もある。論理で戦略を立てて、物語で人を動かす方法について、とても参考になる一冊だった。

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このページは、daiyaが2006年8月15日 23:59に書いたブログ記事です。

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