ブログ・オン・ビジネス 企業のためのブログ・マーケティング
・ブログ・オン・ビジネス 企業のためのブログ・マーケティング
ブログの総本山シックスアパート社によるブログのビジネス活用のすすめ。ブログの運用システムの世界標準を策定した会社であるため、企業活用の豊富な事例が収録されている。そして、ブログ運用の”常識”が濃縮されている。
「ブログはコミュニケーションの道具」であると関社長がまず宣言する。不特定多数の人たちとコメントやトラックバックを通じて情報交換ができる。企業はこのコミュニケーションを通じて、ちゃんと対応することで、お客さんにシンパシーを抱いてもらい、まずはブログの、そして会社のファンになってもらうことを目標とせよと説いている。その先に業績の向上が見えるのだ。
個別のコンサルティング事例公開も面白い。結婚式のプランニング企業、プランドゥシー社の例。クレームがあったら、そのやりとりをブログ上で公開して進めることで、”おもてなし”の心が、読むものに伝わり、好意的なクチコミにつながるという。コミュニケーションの基本は誠実さ、なのだ。
ラジオ放送局J-Waveの例では担当者の自主性に任せて、番組ごとにブログを勝手に公開できるようにしたところ、20以上のブログが立ち上がって、Webの活性化と番組宣伝につながった。出版社の柴田書店では、自社ブログで書籍を紹介することで、新刊以外の本がロングテイルで売れて、Webの売り上げを10倍にした。リクルートではフリーペーパーと連動したクロスメディア展開が花開いた。
巻末には100社の事例カタログがスクリーンショットと概要説明つきで載っている。これから自社でブログを始めたい担当者は、上司説得の材料を見つけることができそうだ。
ところで、この本を読んで私はブログの怖さも感じた。
ブログは企業にとって、その価値が白日の下に晒される試金石である。
必要とされる誠実さ、尊敬される経営哲学、人気を呼ぶ社員のパーソナリティ、コミュニケーション能力、無論、組織の持つ社会常識や教養までがブログを通じて露出してしまう。つまりブログを活用できるのは裸になっても魅力的な素性の良い会社に限られるのではないか、ということ。
たとえば社長がブログを勝手に書いて公開する。それで問題が起きない必要がある。担当者が自由裁量でサービスを語っても営業と開発の揉め事が起きない整合組織である必要がある。サポートがクレーム対応のやりとりを公開してもボロがでない商品・サービスを売っている必要がある。
ブログができない会社って、いまどきダメな会社かもしれませんよ。
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私のブログに限らず、いいと思うブログを投票してあげてください。ブログの活性化につながる企画だと思います。また選ばれるように私もブログを強化していこうと思っています。
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