図解 株式市場とM&A
縁があって、著者の保田さんと私は毎週顔を合わせて一緒に仕事をしている関係なのだが、この本を偶然みつけて読み終わるまで、実のところ、よく知らなかった。読み終わって一気に尊敬モードに以降。来週の会議からは先生と呼ばせていただきます。いや本当に。
・ちょーちょーちょーいい感じ
http://chou.seesaa.net/
保田さんのブログも発見。最新の株式市場に対する解説記事が参考になる。
身内だからほめているので決してなくて、アマゾンで第三者がたくさん絶賛してもいます。「株式・社債の部」1位にもなったそうです。投資銀行時代の経験と自身の起業体験を活かして、株式市場とM&Aについてやさしく書かれています。
私も学生時代に起業してから10社ほどのベンチャー企業の創業や役員就任を経験しています。株価、株主、出資、議決権、増資、ストックオプション、M&A、配当、デューデリジェンス、上場(これはやったことないけど)は、一通り経験したり、身近でみてきました。この本のキーワードで知らなかった単語はありません。
しかし、この本のおかげで、知っていること同士の関係が、1段階上のレベルでわかった気がしました。創業者の視点で体験する順序で、各キーワードの意味が説明されているのが、わかりやすさの秘密でしょう。
内容は、一人の若者が友人らの出資を受けてカフェを創業し、複数店舗展開した末、株式を公開、他のカフェの買収や、逆に敵対的買収(TOB)を仕掛けられるまでになるという、青春熱血起業物語です。小説形式なのが教科書と違います。
ドラマとしても演出が効いていて、最後のエピソードでは本当に目頭が熱くなりました。ベンチャーに対する見方が、投資銀行業務出身なのに、暖かでさわやかです。カネのためだけではなくて、自分の夢、みんなの夢のために会社を作る、育てることの楽しさと苦労がよく伝わってきます。
もちろん、実際の起業では、こんなにキレイに物事が進んだり、判断要素がクリアなことはないのですが、経営の基本知識の適切な要約になっています。突っ込んだ細かい事柄はばっさり省略されていますが、社長自身が知っておくべき事柄はこれで十分だと思いました。細かいことは、現場で著者のような専門家に聞けば良いわけですからね。
この本、著者は身内ですが、内緒で自腹で買いました。その価値がある本だと思いました。起業を考えている人、創業以来突っ走ってきたけれどもここらへんで知識を整理したい現役経営者にうってつけの良書。
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