起業バカ 2 やってみたら地獄だった!
起業が失敗した成れの果てを起業地獄と著者は名づけた。
「
ある会社は、会社をたたんで自己破産、夜逃げ、一家離散と奈落の底に転がり堕ちる。ある人間はタガが外れて銀行強盗、コンビニ強盗、放火、殺人、幼児誘拐に突っ走る。また、ある人間は、すべての負債を一身に背負い自殺に追い込まれ無残な最期を遂げる。父親の借金のカタに、風俗に堕ちる娘だって少なからずいる。
」
地獄を見た体験者の実例が多数、取材されて収録されている。著者自身が倒産の修羅場をくぐった実践者でもある。
・起業バカ
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/003465.html
のパート2。
続編の方が面白くなっていると珍しい例だと思う。
紹介される実例の中で一番魅力的だったのが、1980年代にウィークリーマンションで大富豪となるも、バブル崩壊時に1000億円の負債を負い、しかし、諦めずに新事業で復活を果たした川又三智彦社長の章。
・川又三智彦公式ホームページ
http://www.222.co.jp/president/
このホームページは面白い。
1000億円の負債の話は、
・毎日連載!1000億円失って:バックナンバー
http://www.222.co.jp/president/daily/
で詳細が読める。
「社長になっちゃいけないヤツがなったから失敗する」というのが川又社長の結論で、とにかく、気が遠くなるほど諦めない人間以外は社長は向いていないということになる。
ところで前作で起業詐欺の例としてナマナマしい実態が書かれていて面白かったのだが、案の定、著者は、書いた先から訴訟を起こされているらしい。今回もそれ書いちゃって大丈夫ですか?と心配になる体験談がいくつか書かれている。
ブームに乗った安易な起業に、強烈な警鐘を鳴らす本であるが、起業家にとっての試金石みたいな本であるとも思う。この本の裏テーマが、実は起業のススメであることは間違いないようにも感じる。
とりあえず、この本を読んで少しでも怖いと感じた人は起業は諦めた方が賢明だろう。そもそもこの本を読むような人間は起業に向いていないからやめておきなさいと書いてあったりもする。やる人は読む前にやってしまっているはずだからという。こういう警告の本はもっとあってもいいと思った。
・逆風野郎 ダイソン成功物語
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/003886.html
・成功前夜 21の起業ストーリー
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/003020.html
・ 起業人 成功するには理由がある
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/000712.html
・図解 株式市場とM&A
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/003975.html
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