2005年9月アーカイブ

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・考える快楽―グレイリング先生の哲学講義
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イギリスの哲学者が、「ガーディアン」紙上に寄稿した、人生の61の根源的テーマについてのエッセイ集。古典のように格調高い文章で淡々と以下のような主題を語る。


第1章 美徳と愚行―勇気とは、もって生まれた才能とひきかえに、人生が課した重荷に耐えることだ(道徳を説く、寛容、慈悲 ほか)

第2章 人生の苦しみと妄信―貧しき者は、すでに地獄での刑期を終えている(ナショナリズム、人種差別、種差別 ほか)

第3章 喜びと楽しみ―みずからを教育するからこそ、余暇を高貴に過ごせるのだ(理性、教育、卓越 ほか)

教師的な淡々とした語りの中に、毅然とした態度で著者自身の知見が述べられるのが、この本の読みどころ。

たとえば、

「寛容」では、


だからこそ、「寛容は不寛容にたいして寛容であるべきか」という問いにたいする答えは断固とした「ノー」であらねばならない。寛容は、それ自身が侵されないようにする必要がある。それは難しいことではなく、誰でも自分の見解を述べることはできるが、人に無理じいしてはならないと言いさえすればいい

「卓越」では、


民主主義を掲げている統治の大半は選挙による寡頭政治に過ぎないし、世界には、真の意味での民主主義はほぼ存在しない。それでも民主主義の精神は、よきにつけあしきにつけ、西欧社会を包囲している。そのよいほうの側面は、すべての人間を公平に扱うよう圧力をかけることにあり、悪いほうの側面は、すべての人間をそっくりおなじに扱うよう圧力をかけることにある。

「キリスト教信仰」では辛らつで


聖職者たちとは、二千年ほども流行おくれになっている道徳の詭弁にしがみつき、古代の超自然信仰を公然ともつ人々だ。社会状況に似つかわしい、思慮深く、教養のある、偏見のない意見にたいして、自分たちの見解のみが優先権を与えられるべきだと主張するのは、異常というしかない。

などと書いている。静かな中に確固とした思想を感じる。

原題はThe Meanings of things。考える価値のあることについて、自分なりの意味を考えることの重要性を教えてくれる一冊。

・オペレーションキャプチャ
http://www.vector.co.jp/soft/winnt/art/se262779.html
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アプリケーションやWebサイトの操作説明を、簡単にHTMLやオフィス文書形式で作成できるフリーソフト。まず、これから作成したい操作説明文書の名前をつける。そして出力形式を選択する。

そしてソフトウェアのキャプチャしたい画面で、キャプチャキー(任意に設定できる)を押すと、デスクトップ全体または指定ウィンドウのキャプチャが保存される。毎回、出力を確認して保存するか、破棄するかを選べるので安心である。

操作に必要な画面をすべて撮影し終わったら、タスクトレイでオペレーションキャプチャを終了させる。すると、ファイルが指定フォルダに出力されている。

サンプルとして簡単な操作説明をHTML形式でつくってみた。この例ではカーソルを赤で表示するように指示してある。

・秀丸で縦書き表示をするには
http://glink.jp/files/hidetate/html/
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フリーソフトでこれだけできるのはすぐれものだとおもう。

・Webを連続キャプチャして画像化するWebSwoon
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/002619.html
・キャプチャツール:キャプラとCaptureStaffLight
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/002447.html
・Spidering hacks―ウェブ情報ラクラク取得テクニック101選http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/001712.html
・デスクトップ操作を録画してFlashプレゼンムービーに変換するWink
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/002531.html

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神道の逆襲

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・神道の逆襲
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明確な教義がない曖昧な宗教と言われてきた神道。著者は仏教やキリスト教のような宗教らしい宗教の枠組みではとらえられない奥深さが神道にはあるのだと逆襲する一冊。

■神さまはお客さま


子どもの頃、外で遊び回って帰ってきて勢いよく玄関から飛び込み、大声で「ただいま」と叫んだ瞬間、何か様子がおかしくて一瞬戸惑った。そういう記憶をお持ちの方は多いだろう。そういう時、たいていは母親がそっと障子の向こうから顔を出し、「今、お客さんが来ているの」とささやく。その一言で子ども心は、奥深い何かを即座に了解したのではないだろうか。子どもが感知した、家の中に漂う言うにいわれぬこの雰囲気にこそ、神さまの経験の根っこがある。

お客様の滞在中の家に帰る体験のように、神道における神との出会いは現実の景色が反転するような体験であるという。瞬きをせぬ人間はいないが、その目をつぶっている瞬間に異世界が存在しているようなものらしい。

人々の平和で豊かな生活は、世界の裏側から来訪するお客様としての神様をもてなすことで実現されるというのが、神道の根本思想であるとする。外から来る客を選ぶことはできないので、それは福をもたらす神とは限らない。禍々しい災厄をもたらす神かもしれない。私たちにできるのは、よくもてなすことだけであり、それが祭祀であるとされる。

■馬鹿正直が愛される

柳田国男は有名な5大昔話(桃太郎、猿蟹合戦、花咲じじい、舌切り雀、かちかち山)に神と民の関係をとらえて「正直」が神に愛されると分析している。これらの話は近代になって子供向けに、善人や正義の美徳が勝つ話に単純化されているが、元の話は少し様相が違っている。


普通の人ならば格別重きをおかぬこと、どうだってもよかりそうに思われることを、ほとんど馬鹿正直に守っていた翁だけが恵まれ、それに銘銘の私心をさしはさんだ者はみな疎外させられたことになっていた

これは誠実とも異なる。子供の目は正直であるという意味に近いという。神のなすことは完璧なので「見えない神の不可解な要求をそのままに受け取ること、神を神としてあるがままに受け止めることが、五部書の説く正直の根本なのである」。この正直は無分別に近い神との純粋なやりとりである。反転していない世界側の人間からすれば、こうした正直は日常風景の中で異質な印象を受けるが、この正直さが祭祀の忠実な執行につながる。


この本は、古代の民間信仰から、伊勢神道、吉田神道、垂加神道、朱子学、復古神道、本居宣長、平田篤胤、柳田、折口の民俗学、近代の神道まで、神道の歴史の流れを丁寧に解説している。そこには日本人の精神性の源流を強く感じる。

とらえにくかった神道の教義や思想を俯瞰できる良い本だった。

・日本人はなぜ無宗教なのか
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/001937.html

・仏教が好き!
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/001708.html

・「精霊の王」、「古事記の原風景」
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/000981.html

・脳はいかにして“神”を見るか―宗教体験のブレイン・サイエンス
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/000134.html

・禅的生活
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/002275.html

・日本の古代語を探る―詩学への道
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/003206.html

・古代日本人・心の宇宙
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/001432.html

・日本人の禁忌―忌み言葉、鬼門、縁起かつぎ…人は何を恐れたのか
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/000809.html

・1年で1000件の発想を書こう ポケット・アイデアマラソン手帳’06
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新しい手帳は1年間、これを使うことに決めた。

アイデアマラソンの樋口さんが考案した手帳。

・アイデアマラソン
http://www.idea-marathon.net/

「この手帳に1000件の発想を書き込めば、あなたの人生は変わる!」

1 毎日、領域を決めないで、最低1件、オリジナルな発想を思いつく。
2 簡潔に手帳に書き込み、できれば絵を描く。
3 同僚、友人、家族に話し、さらに発展させる

初日には決意を書くことと指示があったので「今日から開始1000個など簡単である」と書いた。

この手帳は10月末から日付が始まっているが、私は既に使い始めている。これはスケジュールを管理するのではなく、発想を豊かにするツールなので、まったく問題ない。むしろ早く使い始めて都合がよい点もある。

1日に2つアイデアを書く欄がある。1日に3つ以上のアイデアを発想した場合、翌日の日付のアイデア欄にどんどん書いてしまってよいらしい。だから、発想数が多いと、今日の日付と記入欄の位置はどんどんずれていく。私の場合も既に10月中旬の欄に突入した。この「先を行く」感が快感なのだ。

1日2つの発想がノルマになるのは嫌である。逆に軽々とノルマをクリアして伸び続けるというのは楽しい。目標の上方修正を日々行っている気分になる。考案者の樋口さんは自らに発想数のノルマを課して、何十年もアイデアマラソン生活を続けている人である。アイデアを連番管理する発想ノートには「+100」とか「+200」という数字を書いていると聞いた。本来、その日までに書いているべき数字をどれだけ上回ったかの表示だそうで、これが継続の秘訣だという。このバランス数の欄が手帳にもちゃんと用意されている。

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1週間が見開きで構成されていて、毎週「アイデアのヒント」という課題欄がある。たとえば第一週目は「スリッパに付ける新しい機能を考えてみる。【例】ダイエット中の人向けの万歩計付きスリッパ」」。これで発想のトレーニングができる。発想にまつわる「今週の格言」もアイデアがでないときの参考になる。樋口さん自身の活用例もサンプルとして最初に例示されている。

ポケットに入る大きさで、ビニールカバー、ペンホルダーがついている。移動中はカバンのサイドポケットやスーツのポケットに携帯できる。透明な「簡単スケッチスケール」や、手帳を楽しくする「活用シール」、朝昼晩と自由に数字が書ける「自主記入欄」など、この手帳自体が発想の仕掛けでいっぱいである。

・企画がスラスラ湧いてくる アイデアマラソン発想法
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/000904.html

・デジハリ大学「リサーチ&プランニング」 第6回講義録
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/003521.html

・パフォーマンスアートとしてのアイデアマン
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/003751.html

その他手帳関連:

・人生は手帳で変わる フランクリン・プランナー トライアルセット
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/002651.html

・「超」時間管理法2005
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/002584.html

・文房具を楽しく使う ノート手帳篇
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/002137.html

・メモが上手になる技術
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/001388.html

・手帳200%活用ブック
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/002677.html

・ミリオネーゼの手帳術―8ケタ稼ぐ女性に学ぶサクサク時間活用法
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/002714.html

・新聞がなくなる日
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毎日新聞社に30年いた元記者が書いた新聞の未来。

■紙 VS 電子情報 新聞を上回るインターネット

2004年の新聞協会の発表では、1世帯あたりの新聞の発行部数は1.06部。駅売り分を引いても0.98部でほぼ世帯数に等しい。この数字だけを見ていると、新聞はまだ安泰ではないかと思える。

だが、陰りが見える。

総務省の「情報流通センサス」が日本で流通する全情報を、デジタルとアナログで計量している。10年前は書籍や新聞のアナログ情報が多かったのに、平成15年度では、デジタル情報の30分の1しかない。紙のメディアは近年、圧倒的に流通の比率面では小さくなっている。

・情報流通センサス 平成15年度 報告書
http://www.johotsusintokei.soumu.go.jp/linkdata/ic_sensasu_h15.pdf

この本には、日本新聞協会の調査が引用されている。首都圏に住む18歳から35歳の男女に「自分に深く関わるメディア」を聞いたところ、1位 テレビ 87%、2位 インターネット 41%、3位 新聞 34%、4位 雑誌 21%、5位 ラジオ 10%、という結果が出た。若い世代のマインドシェアでは既にネットが新聞を上回ってしまっている。

接触時間でも、1日平均でテレビ188分、インターネット91分、新聞15分。回答者の7割が新聞を月極め購読しているが、朝刊を毎日読む人は37%と低率で、半数の人が新聞が自分に「影響を与えていない」と答えている。

まだまだ惰性で新聞を定期購読している人は多いのだが、既に新聞は真剣は読まれなくなっている。一般社会人の情報生活においてマストのメディアではなくなってきている様子がうかがえる。インターネットの無料新聞が主な原因である。ブログのような参加型ジャーナリズムも競合として現れた。

■発行部数低下により新聞の流通を支える宅配網が危うくなる

定期購読の率が高いのは、他の国にはない新聞の宅配システムがあるからである。新聞販売店は全国に2万1000店舗あり、これは交番・駐在所の数より多く(1万6000)、郵便局の数に相当するという。

新聞販売店の年間販売収入は約1兆7500億円もある。新聞社と販売店の取り分は9500億円対8000億円。新聞は売り上げの4割以上が販売店に回る販売経費という構成になっている。これに加えて販売店は1世帯当たり年間3000枚もの折込チラシを挿入するビジネスを行っている。この折込みチラシ広告のビジネス規模は雑誌よりも大きい。折込みチラシはテレビ、新聞に次ぐ第3位の広告媒体なのだ。この部分はほとんど販売店の丸儲けになるという。数十万人がこの仕事に従事している。

日本の紙の新聞が他国と比較して値段が高いのは、この巨大な全国宅配システムの維持コストのせいなのだった。著者はいくつかの係数で方程式をつくり、2012年の新聞の発行部数を予測してみせる。すると新聞メディアの崩壊とはいかなくても、この販売店網の維持が危うい水準にまで低下するだろうと予言する。


■紙、電子、電波のメディアミックス、放送+通信のコングロマリットの時代へ

電子新聞をやれば自社の紙の新聞が減るという共食いのジレンマ(カニバリ)が、今の日本の新聞社の課題である。米国では新聞のネット部門は単独で黒字化し、今後も拡大が見込まれている。ネット広告の市場規模が急成長しているからだ。

だが、ネット広告の成長だけでは日本の新聞産業を維持できない。日本の新聞の広告収入比率は36%に対して米国の新聞の平均85%。日本は販売が主で、米国は広告が主という違いがあるからだ。

伝統的に販売収益モデルで運営してきた新聞社の現場には、広告の客寄せとして新聞コンテンツを作ること、ジャーナリズムをやることに、違和感を持つ人も多いようだ。

著者は紙(新聞)、電子(ネット)、電波(テレビ)のメディアミックス、放送+通信のコングロマリットの時代がやってくると考えている。冒頭でアナログ情報の30倍にまでデジタル情報が増えているという数字があったが、メディアの複合化やグローバル化は確実に進んでいきそうだ。

これは新聞メディアにとって、機会でもあり、脅威でもある。IT業界では「コンテンツ不足」とよく言われる。新聞社のつくるニュースの需要自体は増大しているはずだ。草の根ブログだけでは代替できない情報を新聞社は生み出している。新聞やジャーナリズムのコンテンツの価値が疑われているのではないと私は思っている。

メディア複合化の組み合わせの中で、多様な収益源を作り出していくことが、企業としての新聞社に求められている気がする。日本の大きな新聞社は長い間、特殊な立場にあって、そうした当たり前の企業努力をしてこなかっただけのように思えるのだ。

産業としての新聞は、従来の特権的位置から徐々に後退するが、未来においてもプロのジャーナリズムは生き残る、というのが著者のビジョンのようである。

■関心事を拾い読みすること、全体を俯瞰すること、ネットリテラシー教育

先日、ある大きな新聞社の方々と新聞の未来をディスカッションする機会があった。自分なりのメディアの未来をお話した後の質疑で、「私はネットがあるから自宅で紙の新聞は読んでいません。それでも、社会人として必要な世の中の動きはわかっているつもりです」と生意気な意見を言ってみた。

するとベテランの記者の方からは当然、反論もあった。趣旨は、自分の関心のあるニュースを拾い読みするだけでは、世の中の大勢を把握することができないのではないか?という疑問であった。

「そういうあなたも、子供の頃は紙の新聞を読んで育ちませんでしたか?」と問われた。私は元新聞記者の息子なので平均以上に読んで育ったので答えは「はい」ということになる。「あなたはできるのかもしれないが、紙の新聞を読んで育つという経験がない世代に、ネット情報だけで世の中を俯瞰する能力が育つと思いますか?」という鋭い切込みにはうまく答えられなかった。次の世代のことは正直わからないからだ。

大新聞が描く世の中の見取り図がすべて正しいとは思わない。不偏不党の透明な報道という謳い文句が、実現できているとも思わない。「神の視点」など論理的にありえないと思うからだ。私が読みたいのは、どのような立場であれ、確固たる視点を持って書かれた文章だ。ネットワークを使って、複数の視点を比べて読むことで、自分なりの意見をつくるのがネットリテラシーなのだと考えている。

しかし、ベテラン記者氏から指摘されたように、ゼロから比較の土台を作れるかと言われると私の根拠が怪しい。毎日読んではいなくても、私も物事の判断基準に、大新聞的な見方を意識しているからだ。叩き台、基点となる枠組みとして、新聞の視点がなかった場合、次の世代はどうやって、自分の視点を築いていくのだろうか。

ここでBGM: The time they are a changing' (Bob Dylan)

・日本経済新聞は信用できるか
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/002805.html

・出版考、ふたつの知、情報の適者生存、金儲け
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/001061.html

・トリダヨリ リラックマ生活 (3)
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連休ののんびり読書に最適のおすすめ。一コマ漫画集。

この本を楽しむにはリラックマ生活の1,2どちらかを先に読んでおくと味わいが倍増。


・リラックマ生活―だらだらまいにちのススメ
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・だららん日和―リラックマ生活 2
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あるOLの部屋にいつのまにか居候しているリラックマ。背中にチャックがついているのでクマではないらしいが、じゃあ本当はなんなのかはよくわからない。OLが仕事で留守中は、部屋を散らかし、テレビを見ては、昼寝をして、だらだらと生活する。OLにホットケーキを焼いてもらい、蜂蜜シロップをかけて食べるのが最高の幸せ。

途中から、いつのまにか白いコグマも増えているが、リラックマと元から知り合いとわけでもないらしい。これまた正体不明。キイロイトリはもともとOLが飼っている小鳥で、唯一の常識人(トリ)。散らかした部屋を片付けたり、リラックマの無軌道ぶりにツッコミを入れるけれども、結局、聞いてもらえない。コグマからいたずらされて泣いていたりする。

このサブキャラ、キイロイトリが主役になったのが、この「トリダヨリ」。リラックマの天然お気楽哲学とキイロイトリの普通にがんばる哲学の対比が味がある。やはり天然には勝てないのだけれど。

肩の力が抜けてゆく癒し薬みたいなシリーズ。続編がでたらまた買おう。


・San-Xネット
http://www.san-x.co.jp/relaxuma/top.html
オフィシャルサイト。

・San-Xネット キャラクターライセンスについて
http://www.san-x.co.jp/license/index.html
たれぱんだ、こげぱん、アフロ犬も同じ会社が著作権管理をしている。

・@nifty:ブログ:ココログデザイン:リラックマといっしょ
http://design.cocolog-nifty.com/document/d_94.htm
ココログでリラックマ。

・OneMailCheck
http://park3.wakwak.com/~gao/
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締め切り前で仕事に専念したい。無駄な時間を使いがちなメールチェックは控えたい。でも、この案件の取引先からの連絡メールがあるかもしれない。原稿の締め切りであれば編集者からの緊急連絡があるかもしれない。開発であればプロジェクトのMLだけは見ておかないといけない。やはり、メールボックスをまったく見ないわけにもいかないのか。困ったなあ。

そういうときにOneMailCheckが活用できる。

このソフトはタスクトレイに常駐し、指定したメールボックスを監視して、特定のアドレスからのメールがあったかどうかを調べ、あれば見出しを一覧表示してくれる。アドレスを指定せずに、新着メールがあったかどうかだけを確認することもできる。

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このほか、指定間隔で自動チェック、監視対象アドレスからの着信で音声再生、件名に「※未承諾広告」がついたメールのチェック除外などの機能があり、上のような管理画面から設定できる。

・ネックストラップヘッドホンポータブル
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PSP対応のネックストラップ付きステレオヘッドホン。ネックストラップとヘッドホンが一体化しているので、PSPを首からぶら下げながら電車の中で使うのに最適である。PSPを落とす心配がないし、カバンにしまうときも首からストラップごと外せるからだ。

電車でPSPを首からぶらさげる。

そんなことをオマエは本当にやっているのか?と聞かれそうだが、やっている。

PCで録画したテレビ番組をPSPの対応形式に再エンコードし、メモリースティックに入れている。電車の中で30分から1時間ほど視聴している。いま流行っている番組を把握しておきたいテレビブログの仕事には欠かせないツールとなっている。

PSPは年初にレビューしたままこのブログには登場していなかった。

・PSPの第一印象、今年はPSP Hacksが流行する?
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/002782.html

その後、9ヶ月間使っていたが、Webブラウザーも搭載されて、最近やっと出番が増えている。今後、PSPの話題は増やしていく予定。

・映像ファイルを携帯、PSPで再生する形式へ変換する
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/002733.html

第三回 検索会議 Yahoo! Hacksは9月30日!

百式田口氏との無敵会議コンビを復活して、検索会議の第3回を開催します。

今度は参加者全員にプレゼントするための発想トランプまで作ってしまいましたよ。

・第三回 検索会議 Yahoo! Hacksは9月30日!
blog.academedia.jp/

申し込みは明日の午前9時から開始、上記のURLからたどれます。

■ 第三回 検索会議 『Yahoo! HACKS』

Yahoo! JAPAN協賛による検索会議も第三回。今回は単純に検索を利用するだけではなく、検索を使ってどんな新しいサービスが可能か、さきごろ公開されたYahoo! APIなどを活用した『Yahoo! HACKS』をご紹介します。

ウェブサービス、SOA(Service Oriented Architecture)、リミックス文化などが最近話題です。新しいレベルで自社のサイトをいかに使ってもらえるか、新しいウェブのあり方を探ります。

技術的な話も含まれますが、ウェブの最先端、ウェブを使ってこういうことができるようになったのか、と感じることができるでしょう。次世代のインターネットビジネスを模索されている方におすすめです。

もちろん検索会議ですから全員参加の会議も実施します。インターネットの次世代の楽しみ方、活用の仕方もみんなで楽しく議論しましょう。

■ プログラム

・第一部 百式&PFTF的 『Yahoo! HACKS』

プロのプログラマーではないですが、主催者の二人ががんばって『Yahoo! HACKS』(?)をしてみました。検索とインターネットを使えばこういうことができる、というほぼネタに近いHacksをお楽しみください。また特別ゲストによるLightening Talkもあるかも。

・第二部 Yahoo! JAPANの『Yahoo! HACKS』

Yahoo! JAPAN社員の方々によるHacksをご紹介。特別ゲストも交え、社員ならではの裏技的なHacksが紹介されるかも?!また来月オライリージャパン社から発売予定の「Yahoo! HACKS」(英語版)についても先行して内容のご紹介があります。

・第三部 全体会議

サイトを一つの完結したサービスとしてではなく、より広いレベルでのサービスの一部と考えるとどういったことが実現できるでしょうか。次世代のインターネットサービスを考えます。また今回はそれぞれのグループにYahoo! JAPAN社員の方々にご参加いただき、一緒に議論していただきます。楽しく交流しましょう。

■ 実施要綱

日時: 2005/09/30 (金) 19:15-22:00 (19:00開場) ←いつもと違います!ご注意!
場所: Yahoo! JAPAN会議室
    六本木ヒルズ内
費用: 無料
定員: 120名(先着順)
協賛: Yahoo! JAPAN
協力: 株式会社オライリー・ジャパン
備考: 全員参加の会議を行います。筆記用具を必ずお持ちください。

■ 参加特典!

今回はYahoo!JAPANさんご協力のもとプロデュースした「Hackers' DECK」を参加者全員にプレゼントします。トランプにもなる、ハッカーのためのカード型発想支援アイテムです。なんと、このイベントのためにオリジナルで作成した豪華版です!

使い方は簡単です。それぞれのカードには「インターネットサービス名」「機能」の二つが記されています。そのカードをランダムにひいていけばあっというまに新しいサービスが考案できるという便利アイテムです。新規サービスを考える際のお供に是非ご活用ください!

■ お申し込み

お申し込みには事前課題への投稿が必須です。事前課題は2005年9月21日正午にこのブログ上で発表します。またお申し込みは同じくこのブログ上で、2005年9月22日午前9時から開始となります。よろしければどうぞお越しくださいませ!

・誇大自己症候群
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長崎の中学生による児童殺人事件、佐世保の小学6年生による同級生の殺害事件。

「普通の子」が突然、残酷で猟奇的な事件を起こして次々にニュースになる。精神鑑定をしても何らかの障害と診断される程度には至らない」という結論が出されているらしい。
だが、従来の基準では病気と言えなくても、こうした子供には共通する特徴があるという。

1 現実感の乏しさ、自己愛的な空想
2 低い自己評価とそれを補う幼児的万能感
3 他者に対する共感性の乏しさ、罪悪感の欠如
4 突発的に出現する激しい怒りや過激な行動
5 傷つきやすさ、傷つきへのとらわれ

などである。こうした一連の特徴を持つ人格を、著者は誇大自己症候群と名づけて、最近の異常事態の根底にあるものだと述べる。誇大自己症候群とは、発達の過程で現実的な自尊心や自信の形成に失敗し、それを補うために幼少期の誇大自己が支配を続ける状態であるとする。

原因は幼少時に溺愛され、その後見捨てられる体験をしたような、「溺愛と愛情不足の並存」した生育環境に生じやすいらしい。一見、恵まれた家庭で育った「王子様」がやがて周囲の期待に添えない現実に直面したときに陥ったりする。

誇大自己は、自分を神のようだと思い、母親らによって、すべての願望が満たされるのを当然のごとく期待する心のありようで、万能感と自己顕示性を目立った特徴とする。

彼らの非行も自己顕示による、奇妙な自己実現につながっている。

「名を挙げるために」「自分の力を示すために」「ただ者で終わらないために」

と取調べに答える子供たち。

破壊は万能感の表現でもある。

そしてこの症候群は、少年犯罪者だけでなく、広く現代人に見られる傾向であるという。「世界の中心の私」が増えているのだ。それは犯罪者ばかりではない。ワグナー、サルトル、クリントン、ガンジー、マイク・タイソン、チャーチル、O.J.シンプソンなどの著名人も、この症候群の傾向があったと著者はケース分析をしている。

そして、特にガンジーなど歴史上の偉業を達成した人たちは、幸運なきっかけにより、その偏向を克服できたのだとまとめられている。

後半には自己誇大症候群の10項目診断チェックリストがある。

最初の3つは、

自分のこと、自分の関心のあることばかり話したがる
大げさな表現や大きなことを口にしたがる
理屈っぽく、理詰めで話をする傾向がある

など。

おや、どうやら、私も自己症候群の傾向があるようだ。

大物になれるだろうか?(笑)。

飽食の時代に少子化で、甘やかされて育った世代が親になって、その子供が自己中心的に育っているということは、なんとなく分かる。その詳細を臨床の現場ではどのように分析しているかがよくわかる本であった。

・なぜ「少年」は犯罪に走ったのか
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/002593.html

こういうことでブログを使うのもどうかとおもいましたが、告知チャンネルとしてこれ以外考えられなかったので...。

「連休中、私にメールを送った方、お手数ですがもう一度ご送信ください。」

16日午後から20日午前中まで、私のデータセクションのメールアドレスが私の設定ミスで、容量フルになっておりました。せっかく出していただいたメールが届いておりません。今はこの障害は解消いたしました。どうかもう一度メールをよろしくお願いします。

#この記事は告知終了後、消えます。

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http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/000561.html

・きのこ(Windows95/98/Me/ユーティリティ)
http://www.vector.co.jp/soft/dl/win95/util/se354433.html

プレゼンテーションの前にデスクトップに並んだ大量のアイコンを新しいフォルダを作成して整理するのが私の習慣である。だが、このソフトがあれば、数百のアイコンをびっしり並べたデスクトップを見せて驚かせるのも楽しいかもしれない。

きのこはデスクトップのアイコンのサイズを小さくするソフト。常駐しないのでメモリ使用量もゼロである。

たとえば使用前と使用後を比べてみる。

使用前
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使用後
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使用方法は簡単。


実行するだけで、デスクトップアイコンの大きさが変更されます。
アイコンの大きさを元に戻すときは、もう一度実行してください。
スタートアップにショートカットを登録することで、起動時にデスクトップアイコン
を小さくすることができます。

・FOCAL POINT iTalk GRI-IP-000005
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iPod用ボイスレコーダーiTalkを購入し、しばらく使ってみた。

iTalkはiPodに音声録音機能を追加するモジュール。iPodに接続すると液晶画面に録音用メニューが表示される。ここで録音ボタンを押すだけで開始されるので、会議やセミナーで、思い立ってすぐに録音したいときにも手間取らない。

録音ファイルの仕様:

録音フォーマット: WAVE
サンプルレート: 8kHz
チャンネル: モノラル
サンプルサイズ: 16bit
ビットレート: 128Kbps

録音内容は自動的に日時のファイル名で保存される。

特徴的なのは、

・スピーカーを搭載している

録音した内容をその場で簡易スピーカーで聴くことができる。もちろん通常の音楽も再生できる。

・イヤホンジャックを搭載している

iPodのイヤホン端子を使うiTalkを接続していても、iTalkのイヤホン端子を使うことができるので、常にiTalkをつないでおく使い方もできる。常時接続していると若干、電池の減りは早いようには感じたが、許容範囲内だ。

記録されたファイルは音楽ファイル同様にiTunesに同期するので、PC接続すれば自動的にハードディスクへ転送されることになる。音声メモやセミナー録音を帰ってからチェックするのに、iPodユーザならば特別な追加ツールを必要としないのがいい。

iTalkはポッドキャスティング(iPodで聴くネットラジオ)のコンテンツを作成するのに向いている。録音したコンテンツがiPodでどう聞こえるかが、その場でチェックできるからだ。こんなツールを使ってそろそろなにかやってみようかなと企画中。

・TaskSwitchXP
http://www.ntwind.com/taskswitchxp/
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WindowsではAlt+TABで現在実行中のアプリケーションタスクを切り替えることができる。しかし標準機能のタスクスイッチでは、アプリケーションの起動順で切り替え選択しかできなかったり、アイコンから内容を推測しなければならないことなど不便も多かった。
TaskSwitchXPはWindowsのタスクスイッチ機能を強化する。このソフトを使うと、実行中のアプリケーションのサムネイルを表示し、任意のウィンドウへクリックでも切り替えることができる。多数のウィンドウを起動する使い方をしている私には大変に便利だ。

設定項目も多様で以下のようなメニューがある。起動や操作方法、表示スタイルはユーザが変更できる要素が多くて柔軟性がある。よくできたソフトだ。

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テレビブログが16日付け日経産業新聞1面及び24面で特集されています。

本日はテレビブログのリニューアル日でした。

・テレビブログ
http://www.tvblog.jp/
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新デザインになり、来週以降、順次、機能追加、サービス拡充の予定です。今後もよろしくお願いします。

そのような状況で発表も兼ねてイベント「ネットとテレビの近未来」を開催しました。

・第1回 テレビとネットの近未来カンファレンス第1回
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/003756.html

会場は100人を超える満員御礼でした。ご来場いただいたみなさん、ありがとうございました。

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予定のスピーカー

「テレビとネットとCGMがおりなす、新たなTV生活!大胆予測」

テレビブログ編集長 神田敏晶(KandaNewsNetwork,Inc.)

井上大輔(メタキャスト)
橋本大也(メタキャスト)

に加えて、フジテレビで「ブログタイプ」などの人気番組をてがける

久保木 準一氏(フジテレビ)

という豪華ゲストをお迎えしました。

スピーカーの立ち位置は、

神田氏 ネットジャーナリスト
井上氏 ネットベンチャー
橋本  ネットオタク

そして、

久保木氏 テレビ業界

という前者の周縁草の根グループと後者のテレビ業界真っ只中という構図。

互いの立場から見ると、放送と通信、ネットとテレビの融合に対する考え方の違いも明確になりました。またパネルディスカッションでは、ネット側、テレビ側という対立関係ではなく、相補関係で新しいコンテンツ創出や収益化の仕組みについてアイデアを出し合いました。

きっとどこかのブロガー参加者が今日のイベントの内容を報告してくれると思いますので、私はとりあえず自分の使ったプレゼンを公開します。ああ、楽しかった。また来月あたりの第2回でお会いしましょう!




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・ゲーム理論を読みとく
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ゲーム理論の批判。


私はこの本で、人間の行動や社会制度を解明する道具としてみると、ゲーム理論は核心部分に重大な問題を抱えており、社会現象の分析や政策への性急な応用は重大な失敗を招く危険性があることを説明したいと思う。ゲーム理論は、人間と社会にとって不可欠なもの、決して無視できないものを切り捨てることによって成立する理論なのだ。

その無視できない不可欠なものとは、まず、ことば、暴力、遊びであるという。戦略的行為とは違って、それ自体で意味を持つような種類の行為である。もうひとつは、私たちの行為の絡み合いの中で発生する予期せざる結果である。相互行為の全体が個々の構成員の行為の総和以上になるとき、そのパワーは個には還元できない「あいだ」の力である。こうした予期せぬ出来事の影響はゲーム理論の対象外であると著者は指摘する。

人が会話や遊びに夢中になっているとき、ことばも遊びも道具的、戦略的な意味を持っていないことが多い。目的と手段の枠組みに収まりきらない行為は、ゲーム理論では通常は計算外である。暴力や戦争は戦略的にも使われるが、それ自体にわれを忘れてしまうこともある。

ゲーム理論が前提するプレイヤーは「計算する独房の理性」だ。人間は戦略的思考で損得計算を行うコンピュータと同類とみなされる。モデル化に際して捨てるものが多すぎて、現実の実践的な知恵として、ゲーム理論は役不足であるというのが、この著者の意見である。

この他、気になった論点としてはルールの不変性や、知識、非言語

・ルールを変えるプレイヤー

一定のルールのもとで問題が生じた場合に、当事者のなかからルール変更の動きが出てくるのは、ほとんど普遍的な現象であろう。したがって、深刻な問題が生じたときに、ルールを含む初期条件をそのままにして、ゲームが続行される可能性は少ないはずだ。ルールもゲームの進行とともに変化するのである。

・共通の知識のパラドクス

戦略的ベストレスポンスから生まれるナッシュ均衡は共通の知識を必要とするが、共通の知識は無限回の確認作業を伴うので実際には不可能である

・狂人理論


つまり、狂人相手では合理的戦略も立てようがないから、交渉では不利になるというわけだ。逆に見れば、交渉を有利にするためには狂人を装えばよいことになる

などの多数の論点がある。

つまり、私はこう解釈した。

二人の男が花札で賭けをしているとAがBに大敗しそうになったので、Aはいきなり、ちゃぶ台をひっくり返してしまう。怒って錯乱したBがAに殴りかかるが、殴られたAは妙な嗜好に目覚めてしまい、Bもまたそれが快感だったりして、二人は仲むつまじく暮らしましたとさ。

そういう展開をゲーム理論は、初期設定(AとBの保有金額や花札のルール)からでは、予想できないということだろう。ゲームは花札だったはずなのに、いつのまにか違うゲームになったのだから。

この本は後半では特に、歴史上の国家戦略の判断(キューバ危機、冷戦構造など)や、経営意思決定(シリコンバレー産業における遊び心の重要性は面白かった)におけるゲーム理論の適用を批判する各論が続く。論点がかなりゲーム理論と離れてしまった章も多いが、読み物として楽しめる個別の章とみなすと勉強になる。

理論と現実はかなり遠い。ゲーム理論を万能視して、人間の行動を予想したり政策立案することの危うさに警鐘を鳴らす一冊だった。

・ゲーム理論トレーニング
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/000620.html

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http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/002774.html

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http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/003417.html

・編集者・執筆者のための秀丸エディタ超活用術
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ユーザ数200万人とも言われるテキストエディタ 秀丸エディタの解説書。

テキストエディタのユーザ層には主にライター・編集者系のユーザと、プログラマのユーザの2種類がいると思う。この本は前者の使い方に特化しているのが特徴である。

秀丸エディタは長年、私も愛用しているが、設定を見直したことがほとんどなかった。理由は、設定項目が多すぎること、変更するとどうなるのかメニューの項目名からはわかりにくかったからだ。

バリバリと物書きモードで使いこなしている人の設定を知りたいと思っていた。この本がまさにそうしたパワーユーザ向けの一冊。

設定パネルのこの項目はこうしろ風に、デフォルトの設定と著者の推奨設定が順に説明される。ファンクションキーの推奨設定も勉強になる。

○用字用語の統一
○数字表記の統一
○固有名詞の正字の使用
○行頭の不要スペース削除
○すべての行頭に全角スペース
○半角記号を全角に
○ページ数表記の統一
○西暦表記を漢数字に
○漢字をひらがなに開く表記の統一
○送りがなの統一

など話題が盛りだくさんである。

タグ付き正規表現の使い方は特に参考になった。

たとえば、

「あり方」「有り方」「在り方」→「ありかた」

という表記の統一を行いたい場合は、

検索文字列 [あ有在]り方
置換文字列 ありかた

という正規表現処理で置き換えることができる。

ここまでは常識だが、日本語の文章には活用形や熟語がある。そこでタグ付き正規表現をさらに高度に使うテクニックが紹介される。

たとえば、

「直す」「直る」の活用すべて → 「なおす」「なおる」

を行いたい場合、

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というような検索式を使った工夫が示される。活用形に対応しただけでなく、硬直する、素直そうという表現を除外している。

さて理屈では正規表現を使うと便利になることは分かったが、毎回、こうした正規表現を書くこと自体が面倒である。

そこでこの書籍には著者の長年のノウハウを結集した表記統一マクロ集やファンクションキー設定集が付録CDROMに収められている。これを使いこなせれば、編集業務の効率化に相当威力を発揮しそうである。

長文派のブロガーにもおすすめ。

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http://www.measureandconvert.com/prod07.htm
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・簡単画面キャプチャー&アップロードソフト プリンパ
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「プリンパ」は、「プリントスクリーンをパッと転送!!」を略した名前です。

「プリンパ」は、 いまあなたが見ているその画面をマウスで最短2回クリックするだけで写真のように撮影し、それを専用のサーバーにアップロードし、 簡単に他のユーザーに見せることができるキャプチャー&アップロードソフトです。

自分のデスクトップの状況をいますぐネットの向こうの友人に公開したいと思ったとき、画期的に便利なソフト。ユーザのデスクトップ画面をキャプチャし、画像を専用サーバ(利用料無料)に自動アップロードして公開できる。この作業が最短で2クリックで完了してしまう。

使い方は下記の丁寧な説明を見ればすぐにわかる。

・使い方説明
http://prinpa.servepics.com/howto.html

キャプチャ後、ペイントを起動してコメントを書き込んだり、ローカルに保存することも可能。専用サーバにアップロードした画像は一定期間で自動消去されるので、管理も不要である。

さっそくブラウザーをキャプチャしてみた。公開URLは以下のようなものになる。

・簡単画面キャプチャー&アップロードソフト プリンパ - アップロード画像
http://prinpa.servepics.com/view.cgi?087508980772000971

・3Dコピーライティング
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Sound(音味)
Mean(意味)
Look(形味)

のSML3つを兼ね備え、立体的に人の心に訴求する上手なコピーライティング方法は何かを探る本。パターンと実例がまとめられており、読み物というより、ネーミングやコピー、詞をつくる際の参照本として使える。

煮詰まったときにパッと開くと手法が見つかる。たとえば「畳語」というネーミング方法。紹介されている事例は以下のようなもの。

コカコーラ
パラッパラッパー
Orange Range

○○の○○という形も手法のひとつであるらしい。この手法がジブリのアニメ作品に共通しているとははじめて気がついた。

天空の城ラピュタ、となりのトトロ、魔女の宅急便、紅の豚、千と千尋の神隠し、もののけ姫、ハウルの動く城、風の谷のナウシカ

私が心を強烈に揺さぶられたコピーと言うと、やはりアップルコンピュータの「ThinkDifferent」キャンペーンのコピーだ。はじめに聞いたときは震えがきた。今も読むたびに力が湧いてくる。


クレージーな人たちがいる。

反逆者、厄介者と呼ばれる人たち。

四角い穴に、丸い杭を打ち込むように

物事をまるで違う目で見る人たち。

彼らは規則を嫌う。彼らは現状を肯定しない。

彼らの言葉に心をうたれる人がいる。

反対する人も、賞賛する人も、けなす人もいる。

しかし、彼らを無視することは、

誰にも出来ない。

なぜなら彼らは物事を変えたからだ。

彼らは人間を前進させた。

彼らはクレージーと言われるが、

私たちは彼らを天才だと思う。

自分が世界を変えられると

本気で信じる人たちこそが、

本当に世界を変えているのだから。

そして、年に一回はヤラれてしまうのが、公共広告機構のCM映像。サイトでも最近のCM映像を見ることができる。

・社団法人 公共広告機構 ACオフィシャルサイト
http://www.ad-c.or.jp/index.html

いまこのサイトで視聴できる作品としては、博報堂制作の、


「あなたが大切だ」

命は大切だ。
命を大切に。
そんなこと、
何千何万回
言われるより、
「あなたが大切だ」
誰かが
そう言ってくれたら、
それだけで
生きていける。

公共広告機構です。

は、いい。グッときた。そうだよ、わたしが大切だ(違)。

ACで歴代で一番記憶に残っているCMは2002年の「IMAGINATION」。

妙なサイトで映像を発見した。

・pya! 心に浮かんだことを、そのまま書けばいいんだからね
http://pya.cc/pyaimg/pimg.php?imgid=1922


コピーの検索エンジンではコピラが充実している。

・東京コピーライターズクラブ コピラ
http://www.tcc.gr.jp/index_main.html

過去40年の広告コピーを13業種、「新聞」「ポスター」「ラジオCM」「TVCM」「パンフレット」「ネーミング」などのジャンルや、広告主別に検索できる。

テレビとネットの融合をテーマにしたセミナーイベントを開催します。

ナビゲーターの神田敏晶さんと一緒に、インターネットとテレビの新サービス、新ビジネス動向を考えるセミナーです。このテーマに関心のある方のご参加をお待ちしています!

・第1回 テレビとネットの近未来カンファレンス
http://www.tvblog.jp/event09/event.html
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詳細情報とお申し込みはこの画像をクリック

米国生まれの"Tivo"は、完全なるタイムシフトによって、TV番組
視聴を根底から変革させた!
放送後は空気の藻屑となっていたTV番組
をTivoが蘇生させたからだ。

「CMスキップ」といっても、見過ごしていた番組の中からスキップされる
のだから、視聴率には影響はないはずだ。しかし、正しい視聴率は
もっとタイムシフトをプラスとして捉えることができただろう…。

しかし、そんなことじゃない。TVとネットが融合するという論理
ではなく、ネットとTVは「ダブルスクリーン」でも「ながら」でも
blogと連動して、HDDでもHDでも楽しめる時代だ。いや、ボクたちが
想像もしないことが、創造されているにちがいない。

むしろ、「ライブ視聴率」にこだわるだけではなく、「視聴質」や
「視聴共有」にもこだわってみたい。もしも、テレビ局がGoogleならば、
もっと番組の「API」を巻き散らかして、テレビを楽しくする努力を
することだろう。

そんな新しいTVの視聴体験を、現在から未来を通じてこれから何が
起きるのかを検証していくTVとネットの近未来カンファレンスが
開催されます!


【基調講演】
「テレビとネットとCGMがおりなす、新たなTV生活!大胆予測」 テレビブログ編集長 神田敏晶(KandaNewsNetwork,Inc.)
http://kanda.tvblog.jp/knns_tvblog/
http://knn.typepad.com/knn/

【資料】

総務省「地上デジタル放送の利活用の在り方と普及に向けて行政の果たすべき役割」
http://www.soumu.go.jp/s-news/2005/050729_11.htmll
TVの歴史
http://www.nhk.or.jp/strl/aboutstrl/evolution-of-tv/index.html
野村総研「CMスキップ損失総額540億円」の謎?
http://www.nri.co.jp/news/2005/050531.html
「電通レポート」のいいたいこと
http://www.dentsu.co.jp/marketing/report/dvr2.pdf
変わりゆくeNEWSギャザリング(ENGからeNGへ)
http://www.nhk.or.jp/eizou/
http://news.livedoor.com/webapp/project/
http://www.janjan.jp/journalist/journalist.html
Tivoで変わる予約率
https://www3.tivo.com/tivo-com/tco/top25.do?show25=seasonpass
NHK放送技術研究所「テレビ屋が考えるテレビの未来像」
http://www.nhk.or.jp/strl/
ブログパワーがTVを変える!
http://www.technorati.jp/home.htmlテクノラティ「Live Web Japan」

ブログと呼ばず、CGMと呼ぼう!「ConsumerGeneratedMedia」
https://upload.video.google.com/
http://www.cnn.com/SPECIALS/2005/online.evolution/feedback/
http://www.current.tv/
ビデオアーカイブはデータベース放送
http://video.google.com/
http://blinkx.tv/
http://www.archive.org/details/movies
http://participatoryculture.org/download.php
TV放送のトラックバックサービスは?
「テレビブログ」過去番組へのトラックバック
http://www.tvblog.jp/

【ゲスト予定】
メタキャスト 井上大輔
メタキャスト 橋本大也 
当日発表の豪華ゲストも。

【日時】
2005年09月15日(木)19:30開場 20:00開演
こちらからお申し込みください。

【料金】
3,000円

【場所】
デジタルハリウッド大学 秋葉原キャンパス
〒101-0021 東京都千代田区外神田1-18-13 秋葉原ダイビル7階
[ 地図 ] http://www.dhw.co.jp/un/access/index.html

【主催】
楽しいTVの未来を考える研究会

【協賛会場提供】
デジタルハリウッド大学

・古事記講義
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10年以上、長く何度も読んでいる本として古事記と日本書紀がある。数年前に出版された口語訳古事記は、特に読みやすく、解釈も大胆でわかりやすいので、いまだにだらだらと何度目かを読んでいる。その解説書が「古事記講義」である。

・口語訳古事記 完全版
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記紀の面白さはエロチックでプリミティブでミステリアスな物語であることだ。ミもフタもないようなエロ話や、残酷な殺人物語、感情的で短絡的な神々が、この国の土台をどう作ったかを説明する長い物語である。国の成り立ちを語るはずなのに、これではちっとも権威づけになっていないし、矛盾も多い。古事記は特にそうだ。

なぜ口語訳が面白いのだろうか。それは著者が言うように、古事記が長く口頭で語り継がれた話だったからである気がする。民衆の前でリーダーが面白く飽きずに聞かせるために、性や死の要素、笑いの要素が散りばめられているのだろうと思う。


文字を絶対化し、書くことから歴史は始まるのだというような論理は、ヤマト中心史観であり、国家史観でしかないと思うのです。六世紀あるいは七世紀の日本列島を文字が覆い尽くしていたとはとても考えられないことです。

また、いつの時代もヒーローとして語りづがれるのは悲劇の英雄たちだ。本流の中の本流では応援のしがいがない。古事記の代表的英雄であるスサノオ、オオナムヂ、ヤマトタケルは皆、荒ぶる強烈なエネルギーと大きな才能を持っていながら、それゆえに上から疎まれる。

日本書紀との対比も読み比べると興味深い。正史である日本書紀は、総じて格調高く書かれているし、天皇家に連なる直系を美化して描いている傾向がありありと見える。


大雑把な計算になりますが、古事記上巻の神話部分の四分の一に相当するおよそ二十五パーセントを占める出雲神話が、日本書紀正伝にはまったく存在しないのです。


古事記は、歴史書編纂の試行錯誤の途中に生まれ、主流からは外れてしまった歴史書の一つだったのではないかとわたしは考えています。

日本書紀にも残ってしまったのは、あまりに人気がありすぎて、カットすると民衆の支持が得られなかったような事情もあったのではないか。

そして、ミステリアス。記紀の物語は、世界の神話と同じ原型を共有していると言う分析は大変面白い。

・バナナタイプ
高天原を降りた天孫ニニギが、山の神の娘、コノハナサクヤヒメ(桜の花、富士山の女神)を嫁にもらうが、一緒にきたブスのイハナガヒメ(岩、永遠の命)を拒絶したため、神が怒って人間の寿命を有限にした。インドネシアからニューギニアにかけて、バナナと石、バナナと蟹を選ぶ物語として、同型の神話が伝わっている。

・ハイヌヴェレ神話素
スサノオが食べ物の神オホゲツヒメが口や尻から出した食べ物を汚いと怒って殺してしまう。もしくはツクヨミがウケモチの神を殺してしまう。その結果、死体から五穀が生まれる。その代わり、人間は働いて穀物を育てないと食べることができなくなったという物語。これも、同型がインドネシアなどに広く見られる。

・ペルセウス=アンドロメダ型
ヤマタノオロチに人身御供にされそうなクシナダヒメを救うスサノオ。多頭の竜や蛇から王の娘を救って娶る物語は、東アジアからヨーロッパまでユーラシア大陸に広く分布している。

アフリカを出発した古い人類が、沿岸部を通ってインドを経由し、東アジアに至る長い旅の間に、何か原型となる出来事が本当にあったのかもしれない。あるいは、こうした物語は人類共通の原初イメージに深く焼き付けられた共同幻想なのかもしれない。こうしたことに思いをめぐらすと、興味が尽きない。火焔土器や遮光器土偶の縄文時代の造形にまで遡って想像は膨らむ。

「神話とは、いまここに生きてあることの根拠を語るものだ。」

科学が人類の起源を解明する日はいつかやってくるだろう。人類が共通の祖先を持つというミトコンドリア・イブ理論は科学の解明した一端である。だが、それとは別系統の神話による起源譚は、人間の想像力が生み、それが本当だと何千年、もしかすると何万年も信じられ続けてきたものである。

フランス語では歴史と物語は同じイストワールという言葉で表現される。歴史=物語という観点では、科学の一元的な説明よりも、重層的な物語である神話の方がずっと完成度が高いことになる。淡々と事実を追った正史であったならば、ここまで語り継がれてはこなかっただろう。

こんなDVDも見た。記紀マニア必見の超大作。どちらかというと格好をつけていて日本書紀寄りの解釈なのは残念だが、見ごたえあり。

・日本誕生
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『十戒』や『ピラミッド』など聖書や古代史を題材にしたハリウッドのスペクタクル史劇大作に負けまいと、東宝が製作1000本を企画した。監督には、『無法松の一生』や『宮本武蔵』など骨太な作品の巨匠・稲垣浩を起用。出演は、三船敏郎、鶴田浩二、原節子、司葉子、香川京子、草笛光子など、まさにオールスターキャストというのにふさわしい超大作だ。
日本神話の日本武尊(ヤマトタケルノミコト)にまつわる逸話を中心に、イザナギとイザナの国造り、天照大神の岩戸隠れ、須佐之男命の八俣の大蛇退治などのエピソードを織りまぜながら描いている。ストーリーはおなじみの話の羅列だが、円谷英二による大迫力の特撮のすばらしさは圧倒的だ。なかでも、キングギドラの原形ともいうべき八俣の大蛇の造型の迫力は、最高の見どころであろう。(堤 昌司)

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・ListView to CSV
http://www.yoshibaworks.com/ayacy/inasoft/lv2csv/index.html
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電子メールの受信一覧や送信一覧、エクスプローラのファイル階層一覧、その他のアプリケーションに表示される様々なリスト表示、ツリー表示を、データとして取得するためのソフトウェア。画面には見えているのにデータとして取得できないもどかしい状態を解消できる。

起動すると、現在実行中のアプリケーションで、リストビューとツリービューを利用して情報を表示しているウィンドウのタイトルが表示される。選択すると別ウィンドウでデータのプレビューも確認できる。欲しいリストが見つかったら、CSVに保存できる。あとはExcelや他のアプリケーションでデータを加工すれば再利用可能だ。

今日はどうも書く気が起きないので過去(2003年)にあるニュースサイトに寄稿した記事の再掲載。そのサイトは既に消えているので、それなりに意義があるかなと。

■パフォーマンスアートとしてのアイデアマン

アイデアマラソンの提唱者、樋口健夫氏は、毎日、発想のメモをノートに記述されている。1984年1月に開始して2003年11月末までの20年間で、276冊のノートに17万6000個以上の発想を記録しているという。この偉業は発想メソッドとして体系化され、文庫書籍にもなっている。まだ半分も読んでいないので、アイデアマラソンというメソッド概要の説明を目次レベルで知って考えたことを書く。

このアイデアマラソン、紙のノートでは検索性が悪そうに思うのだけれど、恐らく、メモの集積よりも、アイデアを常に生み続けられる著者の能力こそ重要なのではないかと感じている。このメモの集積は、使えるデータベース構築というよりは、オンデマンドにアイデアを産み出せる頭を作るための練習の記録なのではないだろうか?。

研究職であれば、研究しアウトプットの集積を作ること自体が仕事実績と認められそうであるが、一般の営業や営業、企画では、ジャストタイミングで最適なアイデアを提出することが、アイデアマンとしての重要な資質になるだろう。メモの大量の集積をすべて頭の中に持ち歩くわけにはいかない。アイデアマンはパフォーマンスアートと考えた方が良い気がする。

■腕時計型PCの経験と即席ウェアラブルアイデアマン

PDAやノートパソコン、持ち歩ける手帳。モバイルツールは、ある程度までこのパフォーマンスを支援する武器だと思う。私は以前、Ruputerというセイコーインスツルメンツの腕時計型PCを愛用していた時期がある。

・Ruputer
http://www.sii.co.jp/ruputer/support/support_index.html

当時は3メガバイトのデータをディレクトリに分類して持ち歩いていた。内容は、過去数年分の書いた原稿で、文字量に換算すると、日本語で150万字、400字詰め原稿用紙に換算して3750枚分に相当した。この原稿を腕時計型PCで全文検索することができた。

例えば会議やパネルディスカッションの最中に、腕時計を見る振りをしてデータを参照することがでる。WindowsCE端末にせよザウルスにせよ、PalmPilotにせよ、PDAを取り出してしまうと、「あ、データを参照しているな」と周りに分かってしまうが、腕時計にしか見えないRuputerなら誰もデータを参照しているとは気がつかない。「その分野だとこんな事例がありますね。ご存知ですか?」と10個も20個もデータを暗唱して見せることができて愉快だった。

■情報を近い場所に置くことでつながり、発想が生まれる

多分、実力以上にアイデアのある人と思われたに違いない。当時の市場価格で1万5千円は安かった。ただ、この腕時計を忘れてくると、話ができなくなってしまう。いつでも参照できると思うと、記憶を怠る。

情報同士がいかに近い場所にあるかによって、新しい発想がでる確率が高まると漠然と考えている。スタンドアローンのPCにある情報同士より、ネットワークでつながったPCの情報の方が、新たな発想につながりやすいと思う。究極は、脳内で記憶しておくことだと思う。シナプス通信はADSLやBフレッツよりもずっと速いからだ。

それゆえ、腕時計PCはしばらく使っていない。時計としてデザインがいまひとつだったこともある。だが、あの便利さ、パワーアップ度は素敵だった。ウェアラブルPCは、パフォーマンスアートとしてのアイデアマン量産に役立つものと思う。

次は、必要な情報をメモ集積やネットワークから自在に取り出して、耳元でささやくデバイスや、TPOに反応して眼鏡に半透過で関連情報が投影されるような、見た目も洗練されたウェアラブルデバイスの登場を願いたい。

・腕時計コンピューティング10連発
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/000940.html・Web Travelers
http://www.econavi.org/weblogue/webtra/hashimoto/36.html

・もこ窓
http://tomo.panicode.com/index.php?Software%2FMokomado
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任意のウィンドウを縮小することにより、デスクトップ領域を有効かつ快適にできるようにするソフトウェアです。たとえばエクスプローラのウィンドウを縮小して、ファイルのコピーを快適にするなどです。うまく使えば、ごちゃごちゃだったデスクトップはすっきり快適になります。

フォーカスされていないウィンドウを自動的に縮小することで、デスクトップを広く使おうというアイデア。

起動するとタスクバーに常駐する。アイコンをクリックすると縮小対象とするアプリケーションの「ルール」を設定できる。エクスプローラやブラウザーなど複数立ち上げるアプリを登録しておくと、効果的。ウィンドウの縮小率やどのような状況で縮小処理をするかも指定できる。

・「伝わる!」説明術
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著者によると、人間の頭はなんでもアナロジー(類推)で理解するようにできている。「わかる」というのは、アナロジーによって物事の相互関係をわかりやすい状態にすることであるという。

「わからない」→「わかった」の間には「難しさ」という山があり、アナロジーはこの山を低くする触媒である。わからないことをわかりやすい状態に変化させる。頭のいい人・悪い人の違いは、理解のために、ものごとをアナロジーでわかりやすくする能力の差なのであると著者は考えている。

アナロジー(類推)には2段階があって、


類:ものごとの間に、共通する点や類似する部分を見つけ出し、そこに着目する
推:共通する部分を土台として、考えている話題について、考えを推し進めていく

つまり、既知の関係と似ているものとして、新しいものを説明するということだ。

アナロジーを使った説明法は私も随分考えた。たとえば自社開発した連想検索エンジンを売るために、ややこしい多次元ベクトル空間の計算ロジックを、こんな風に色に置き換えて説明したことがある。5年前のこと。

・データセクション株式会社 :: SemanticWeb Company といえばサーバ技術概要
http://www.datasection.com/index.php?page=toieba
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このアナロジー説明の効果は?

まあまあだった。なぜかというと、色空間との相似はばっちりだったのだけれど、色空間自体が説明としては、複雑性が高かったのだと思う。

この本ではアナロジーの基本条件として以下の3つを挙げている。

1 おおまかにいって正しいか
2 よく知られた題材か
3 関係図を描けるか

私の色空間のアナロジーは2が怪しかったのだろう。

わかりやすい関係性はパターンがあるという。本では10パターンのアナロジーの基本形が紹介されている。どれも比較的簡単な内容だ。関係性が難しすぎてもいけないのだ。

因果関係、きょうだい関係、共起関係、じゃんけん関係、トレードオフ、ボトルネック、ピラミッド、鏡、無関係

こうした原型それぞれに自分なりの使いやすい比喩を用意しておくことで、説明の効果が高まると言う。たとえば「それは軽いギアと重いギアの関係ですね」であるとか「つまり、この二つは兄弟ではなくて従兄弟みたいな関係なんですよ」、「それはコンピュータのハードディスクとメモリーの違いです」といった調子である。

理解や説明のための、アナロジーの脳内ピースを増やしておくことが、頭の良さ、回転の速さにつながっているのだという内容であった。

もっとアナロジーのピースを増やしてみようと思う。

今、考えた。こういうのはどうだろう。

「なにかに還元できない人間のこころって”割り算の余り”みたいなものですね」

この表現、我ながら味はあると思うのだが、分かったような、分からぬような。

煙に巻くのにもアナロジーは使えるツールだ。

濫用するなとこの本にもちゃんと書いてあったのであった。

・「わかる」とはどういうことか―認識の脳科学
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/000973.html

・「分かりやすい文章」の技術
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/001598.html

・「分かりやすい表現」の技術
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/000451.html

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