「おいしい」となぜ食べすぎるのか―味と体のふしぎな関係
■おいしさの科学
この本によると、味を感じる細胞には5つの受容体があり、それらに対応する甘み、塩辛味、酸味、苦味、うま味の5つの基本味があるそうだ。それぞれ、ショ糖、食塩、クエン酸、キニーネ、グルタミン酸が特異的に作用することで、味細胞を活性化させているらしい。
味覚は音楽に似ていて、ひとつやふたつくらいなら単体で感覚することができる(グレープフルーツは甘くてすっぱい)が、複合的な”おいしさ”はシンフォニーのようなもので、全体として感じることしかできなくなる。
この味覚要素のシンフォニーとしてのおいしさに対する人間の判断力と言うのはかなり曖昧らしく、ある学者が、老舗の一本2400円の羊羹とスーパーの800円の羊羹を目隠しで評価させると、被験者の意見はちょうど半々に分かれたという事例が紹介されていた。ただし、「よく噛んで」と指示を与えると、老舗の羊羹の支持者が増えたという。これは歯ごたえ、風味がよく感じ取られた結果だそうで、注意深く味わえば、料理の価値は分かるものだという結論。
そもそも生き物は甘味を生まれつき好む性質はあるらしい。新生児に甘みと苦味を与えると、甘みでは微笑むが、苦味は嫌な顔をする。甘みはエネルギーに結びつくので、生物は好む。
食後に快感があったり、食事の際の良い思い出と結びつくと人はその味を好きになるという心理効果も大きいらしい。最大の快感は「おいしい」と思うことであり、おいしいから食べ過ぎるということでもある。
私はお菓子のラムネが大好きで、大人になってからもときどき買ってはスーツのポケットに入れて持ち歩いたりしている。理由ははっきりしていて、子供時代に海外に居た頃、このラムネ菓子というのが、滅多に手に入らず、希少で貴重な「夢のようなお菓子」だと思っていたから。ときどき入手できると、薬の錠剤のような外観と、不思議な感じの人工的な甘さが、とてもおいしく感じられた。まさに、甘さと思い出のダブルパンチで30過ぎてもラムネを買っているんだなあ、と納得。
この本では、他にも、マヨネーズ、ピーナッツにはまる理由の科学的な分析だとか、満腹でも甘いものを食べられる別腹の解明だとか、味覚判別センサーの開発、食べ合わせのよさ、悪さなど、おいしさをめぐる謎が解明されていく。なぜおいしいのか、おいしいと思うのかには理由があるのだ。
■究極のおいしいを知る方法
この本では、味の各要素の受容機能は生物学的なものであっても「おいしい」は後天的なものという結論になっている。若者と中年と老人がおいしいと思うものは違うようだし、普段のライフスタイルや所属する社会階層でも「おいしい」は違いそうだ。おいしいものを教えあうソーシャルネットワーキングサービスなんてあったらいいな、と思う。
で、その真似事をここでやってみようかと思いついた。
私は神奈川県民なのでときどき横浜の中華街にでかける。この中華街、本当に美味い店というのがありそうなのだけれどなかなか見つからない。相当に高い値段を払えばそれなりにうまさの保証もあるのだろうけれど、地元民としてはそういう店を知りたいのではない。長いこと中華街で大満足という店がなかった。
先週の休日に中華街に行った際、ぶらぶらと探索していたら、街のはずれに一軒の店をみつけた。質素な店構えなのだけれど何か本物っぽさを感じた。この店を観察していると中国人しか出入りしていない。どうやら華僑が観光客相手の店を避けて集う本格の店らしいと感じた。入ってみると私たち家族以外は皆、中国語で話している。もしかして、この店アタリ?。
結果はというと...。
出てくるもの全部が、物凄く美味かった大アタリ。本場の味付け。私の横浜中華街体験では史上最強だったと思う。値段も手ごろで、素晴らしくおいしい店。土日なのに行列もしていない。
さて、この店について知りたくありませんか?
先着10名さまに店の名前と場所をお教えしましょう。ただし、私から聞いた後、この店は他人にどうか教えないでください。少なくともネットでは。
そして、あなたの究極の店を一軒教えてください(全国で構いません)。知る人ぞ知るでお願いします。私もその情報については少なくともネット上では、黙っています。
おいしい情報のギブ&テイク希望者は、
【締め切りました】
まで、自己紹介メールを送ってください。あなたが先着10名以内ならば情報を送ります。それに対する返信としてあなたの究極の店情報を送ってください。
よろしくお願いします。
###でしたが10人に達して締め切りました。
・感性の起源―ヒトはなぜ苦いものが好きになったか
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/002597.html
・東京 五つ星の手みやげ
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/001930.html
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というsocial shared bookmark serviceがあるのをご存知でしょうか?
日本では、LiVE-MARKというのがありますが、こういうのを利用して、情報を共有する手もあると思います。