マンガ・心理分析
・マンガで心理学の理論を、気軽に面白く読ませる本。
中心となるのはpーソナルスペース論。以前紹介した同じ著者の「人と人との快適距離―パーソナル・スペースとは何か」と似た内容をマンガと短い解説文で軽く読ませるB専門家の教授が文章と監修、漫画家が絵を描いているので、理論は細部をばっさり簡略しつつも、的を得た本になっていると感じた。
重複する部分があるが、パーソナルスペース研究の有名な実験がいくつか取り上げられている。
・Passion For The Future: 人と人との快適距離―パーソナル・スペースとは何か
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/001278.html
マンガ版で、これは実用的だと思ったのが、小集団の生態を研究して分かった「スティンザー効果」の話。会議のノウハウとしてまとまっている。
1 対立する意見を持つ相手は正面に座る可能性が高く、議論の鍵を握る人物である
だから、議論をリードするには正面に座る人物の言動に注意せよ
2 誰かが発言した直後の発言は反対意見であることが多い。
だから、発言の直後には援護射撃を予め配置しておけば反対意見がでにくい
3 リーダーシップが弱小な会議ではメンバーは正面の人と話すことが多く、リーダーシップが強力な会議ではメンバーは隣の人と話すことが多い。
だから、隣の人とひそひそ話が始まったらリーダーはソフト路線に変更せよ
というもの。
他にも
・議論を活発にしたいなら男性ばかりで小さな部屋を使え
・男性のみの場合、主宰者の意見を全員一致で通したいなら広く快適な部屋を使え
・女性のみの場合、主宰者の意見を全員一致で通したいなら小さな部屋を使え
・会議が荒れるのを防ぎ妥当な結論がほしいときには女性を多く混ぜよ
・全員から意見を引き出したいなら丸テーブルを使え
・和やかにリーダーシップをとりたければ丸テーブルでリーダーの両隣を空席にせよ
などの研究成果が紹介されていた。コミュニケーションが盛り上がるかどうかは、演出や環境の力も大きいということだろう。それは無敵会議を1年間やってきて、統計的レベルではそうだなと理解できたことでもあった。
会議×会議で紹介したオンライン・チャットアプリケーション「タキビ」は、バーチャルコミュニティを盛り上げる仕掛けがよくできているなと思った。真っ暗な森の中で、焚き火をユーザのアバターが囲んでチャットをする。発言は薪になり、発言数が増えて盛り上がれば明るくなるし、逆であれば画面が暗くなっていく。リアルの世界でも、そんな仕掛けのある会議室、作ってみたら面白いかもしれない。
・iceGear
http://www.icegear.co.jp/products/
・窓の杜 - 【NEWS】独特のキャラクターが焚火を囲んで語り合うチャットソフト「タキビ」v1.00
http://www.forest.impress.co.jp/article/2001/07/19/takibi.html
「発言する場合はウィンドウ下部の文字入力スペースに入力すると、ニンゲンがふき出しでしゃべるようになっており、チャットのログもウィンドウ右に表示される。また、時間が経過すると焚火の勢いが弱まっていき、放っておくと消えてしまう。消えるのを防ぐには、発言すると時々出現する薪を拾って炎の中にくべてやることで防止できる。もし焚火が消えてしまうと何者かがやってきてニンゲンを食べてしまい、強制的にチャットから退去させられるので十分気をつけよう。 」
関連:
・Passion For The Future: 非言語(ノンバーバル)コミュニケーション
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/000549.html
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いつも楽しく拝見させて頂いております。
友人から紹介されたのですが、↓このサイト
http://www.geocities.jp/little_gate/06.htm
面白いです。
私はイライラ放出系でした・・・。
でも、的中してます。
daiyaさんの系統、よろしかったら教えてください!