ブログが拓く世界報告と読者交流会報告
ブログ三昧な日々が続いているわけですが今日もブログでした。
■読者交流会報告
このブログの読者交流会が昨夜ありました。20人の方にご参加いただき、予定通り濃い飲み会が実現しました。私は飲み会はいつも人任せで、主宰するのは3年ぶりくらい。会場予約やしきりがうまくできたか、分からないのですが、いろいろなお話で盛り上がれて楽しかったです。参加者の皆さんは私の考えていることを大方理解してくださっているので、前置きを飛ばして話せるのが楽しかったです。
丁度いい具合に識別不能。正面左のM先生は公人だから、まあ出してもいいでしょう。
それで、2次会もあって12時をまわり、終電を逃した私は帰社して仕事、朝型仮眠して眠い頭で午後から次のイベントへ突入。が、満員の会場の熱気にパッチリ起きて...。
■オーバルリンクセミナー報告
オーバルリンクセミナー 「コミュニティとメディアの可能性 ブログが拓く世界」にパネリストとして参加してきました。会場の日経BP社ホールは満員御礼。想像通り年齢層は高め。
・オーバルリンク
http://www.ovallink.jp/
基調講演はサイゾー編集長の小林弘人氏(インフォバーン)による「ブログが与えたインパクトとは何か?」。
@ニフティのサービス上で、経済評論家の木村剛氏のブログの活用例が紹介されました。この企画をプロデュースしたのが小林氏の会社なのです。有名人の木村氏が日々更新したブログ記事には、外部のブログから、たくさんのトラックバックやコメントが集まりました。
・週刊木村剛
http://kimuratakeshi.cocolog-nifty.com/
このブログがベース。
・月刊木村剛
書籍化された本
このブログの木村氏自身の文章と、外部のそうした意見を編集してまとめた雑誌が「月刊木村剛」です。ブログをベースに紙メディアにしていく。Web連載を単行本にしていく。新しいコンテンツの出版手法としてのブログについてのお話が面白かったです。
ブログ記事+トラックバックの内容+追加取材でこの雑誌は作られますが、重要なのは編集することです。オンラインでは分かりにくかった議論を、時間軸に沿って論理的に、リニアに理解できるようにする。オンラインでは能動的に、リンクを追いかけながら読まないといけないわけですが、編集された紙は自然に読むことができます。Webと紙メディアの双方に魅力がある、新しい出版の形態を模索する実験が今行われているのです。
基調講演を受けて、カレンの四家氏、関心空間の前田氏、Nikkeibp.jp編集長の田邊氏、そして私の4人によるパネルディスカッションが続きました。四家さんは企業ブログの話題が中心のプレゼンでした。「トラックバックは内容が荒れにくい 自分のブログに書くわけだからあまりおかしなことを書いたら自分に返ってきてしまう。自分の家の壁にらくがきはしないのだ、という話は、なるほどと思いました。
関心空間の前田氏がコミュニティの未来をどう見ているかが気になっていたのですが、発言の「ウェブログ周辺技術の未来形」に、なるほどと思いました。
「
ウェブログ周辺技術における未来形
・Personalized Search&Agent
自分の関心事を通して、情報や人との出会いの精度を高めるツールへの進化
・Personal Ontology Platform
個人の関心事が、第三者へ価値を持つ知識へ体系づけられる仕組み
・Knowledge Based Economy
知識体系そのものの資産課や流通可能な仕組み
知識創出に連動したビジネスモデルの現実化
---
私の15分のプレゼンでは、今日はこんな発表をしてきました。
#1枚会場オンリーで公開したかったページは抜きました。
ディスカッションでは司会の田邊氏から「ブログコンテンツの信頼性と普段どうやって情報を見ているか?」について問いかけがありました。こんな風に答えてみました。発言では簡略化したので、文章では少し詳しく。
「
スタンフォード大学に信頼性を研究する機関があります。そこではPI理論が提唱されています。PIとはProminence and Interpretationの略で、Pは突出して目立つこと、Iは解釈すること。PとIの度合いを掛け算したものが信頼性なのだという理論です。
私たちはまず目立つコンテンツを目にします。目立たないものはみつからないのだとも云えます。そして、その意味や重要性を解釈します。何らかの意味で突出して目につきやすく、自分にとって役立つ意味のある情報は信頼性が高いのです。
たくさんのブログの中から信頼できるものを選別し、抽出する装置として、コミュニティが強力に機能します。コミュニティでは、容易に嘘が暴かれます。脇の甘さも突っ込まれます。コンテンツは裸にされて、PとIが露呈します。
中には、ゴシップやイエロージャーナリズムのように、目立つだけのものもあります。Pが高いということです。2ちゃんねるの情報もそうした傾向があります。ですが、ある程度の経験を積んだユーザは、そうした情報の怪しさも見抜きますからIの値は高くなりません。結果的には信頼度はさほど高くならないのです。
RSSリーダーや情報収集ロボットの技術が発達してきましたが、量がいくらあっても、読めないだけです。コミュニティは、多方向から光をあてて、情報の信頼性を暴きだします。私たちは、恐らくは民放テレビチャンネルと同じくらいの数の、信頼できる情報を読むのが一番効率的だと思うのです。私は日常的には、幾つかのフィルター役のサイトに目を通すだけになってしまいました。
大新聞のような大きなメディアの欺瞞も明らかになってしまいました。大手新聞3紙を毎朝読み比べれば世の中がわかるなどというのは、もはや嘘だと思います。変化の激しい現在では大手新聞社が揃って間違うことも珍しくありません。
逆に、信頼できる友達のいうことだけを聴いていた方が、世界を正確に把握することができる時代になりつつあるのかもしれません。ネットがなかった頃は、身近な人間の話しか聴けませんでしたが、今はネットで世界中の、知識ある目利きの意見を直接聞けるのです。そうした判断フィルターを通った意見を重視したほうが、情報はしっかりととらえることができるようになってきたと思っています。
」
(懇親会でコンパクトにプレゼンが上手にまとまっていましたねえと小林編集長からホメられとても嬉しい)
---
この他にもさまざまな話題が議論されました。懇親会で騒いだら忘れてしまいましたが、ブログやコミュニティの現状と可能性について、バランスのとれた議論が展開されていて、参加者としても楽しい会でした。
・パネリスト 四家氏本人による報告(詳細は追記予定、写真充実)
http://www.current.co.jp/blog/archives/000471.html
報告2本終わり。
さあ、来週はBlogHacks Conferenceです。まだまだブログな日々が続きそうです。
トラックバック(0)
このブログ記事を参照しているブログ一覧: ブログが拓く世界報告と読者交流会報告
このブログ記事に対するトラックバックURL: http://www.ringolab.com/mt/mt-tb.cgi/1409