超時間活用ノート―あなたに「成功グセ」がつく単純化システム
・超時間活用ノート―あなたに「成功グセ」がつく単純化システム
■タイムマップで時間と空間の一元管理
著者のジェリー・モーゲンスターンは整理整頓のコンサルティング会社の社長。
・Julie Morgenstern: Professional Organizer, Author, Speaker
http://www.juliemorgenstern.com/index.html
「
ウォール・ストリート・ジャーナル紙によると、幹部クラスの人が散らかった机や整理されていないファイルから書類を探すために、年平均6週間を無駄にしているそうです。つまり控えめに見積もっても、一日1人あたり一時間を無駄にしている計算です。
」
1年間に6週間分の仕事の差は大きい。整理整頓コンサルタントらしい出だしで、まず身辺を整理しておきましょうから始まる。
超時間活用法は、時間と空間の整理術である。独特のスタイルのタイムマップ(時間割)を作ることから効率化は始まる。人生の主要分野と大きなゴールを明確にし、それに向かう活動を具体的に書き出し、分類する。月曜から金曜までの曜日をヨコ、時間帯をタテにした時間割の空間に、活動を割り当てていく。時間の枠を時間箱と呼ぶ。
時間箱内にはできるかぎりひとつの分類テーマの活動に集中させる。空間の整理と同じように、いかに時間箱に活動を整理できるかが重要だという、時間の空間型整理術である。
タイムマップを作り運用する際には、SPACEの公式がある。
SPACEの公式とは以下のようなステップである。
Sort(分類する)=用件をふりわける
Purge(浄化する)=用件を切り捨てる
Assign(割り当てる)/Containerize(封じ込める)=時間を「時間箱」に収める
Equalize(調整する)=オーダーメイドの時間術を見つける
自分の大きな目標達成のために必要な事柄を時間箱にきちんと割り当てていれば、自然にいくつものゴールを達成できるとする。
■活動エネルギーのリズム調整
この本では、管理すべきリソースのひとつに「エネルギー」が挙げられている。活動エネルギー=やる気のこと。そのために「普段うまく処理できていることを書き出す」方法論は参考になる。
例えば以下のようなフォームに答えてみなさいという。
どんなに忙しくても、いつも時間を作って【 】します。
目標がはっきりしているのは【 】に関してです。
処理時間を把握しているのは【 】です。
ぐずぐずと引き延ばしたりしないのは【 】です。
絶対に遅れないのは【 】です。
複雑なプロジェクトにかかれるのは【 】の時です。
いつも切り替え時間を設けているのは【 】の間です。
簡単に断れるのは【 】の時です。
締め切りを守るのが苦にならないのは【 】の時です。
最高に幸せと感じるのは【 】の時です。
気軽に人に任せられるのは【 】です。
この穴埋めフォームで引き出される”うまく処理できていること”を日常業務の中に取り込むことで、エネルギー充電効果が働いて、リズムを調整できる。冷蔵庫を片付けることで心が安らぐ人は仕事の合間にそうしてみなさいという。
結局、時間を割り当てても、やる気が起きなければ、良い成果が出ないわけだから、エネルギーのリズムを同時に考慮することは大切なのだろうと思った。
■強制イベントに割り当てるのはグッドアイデアかも?
私は時間管理が下手なのだけれど、このブログでひとつ学んだことがある。毎日の力はすごいということ。もうすぐ1年のこのブログは、いつの間にか300本以上の記事がある。書評も150冊を超えた。内容の質はともかく数は、我ながらよく読み、書いたなあと思う。2ヶ月休んでいいから一度に読んで書けといわれても絶対にできそうにない。これはタイムマネジメントの成功例と言ってもいいのじゃないだろうか。
読書をする(=電車の移動時間に割り当て)、ブログを書く(=寝る前に割り当て)。どちらもきちんとタイムマップに収まっているからできていると自己分析している。”電車で移動”も、”寝る前”も、必ず発生する強制イベントだというのがポイントのような気がする。読書は午前中の手が空いた時、ブログを書くのは午後のどこか、とやっていたのでは、おそらくできない。
強制イベントの前後に割り当てるという点では、
・トイレに置いたメモにアイデアをひとつ書いてから出る
・通勤途中の本屋で営業本の見出しを立ち読みする
・PC起動中の合間に雑誌記事をひとつクリッピングする
なども有効なのかもしれない。毎日は3年続けると1000を超える。大抵のものは、1000個は価値になる。1000に3つの法則なら、3個は素晴らしいものが含まれていることにもなる。
ブログの更新ペースと同じ速度で営業や経営のあらゆることを処理できたら、私はとっくに大成功していそうな気がしてきた。毎日、毎時間を強制イベントで埋め尽くしたら、大統領のように働くマシーンに変身できるのかもしれない。
(過労死しそうだけれど。)
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