ベン図、レーダーチャートでビジュアル検索
昨日に続いて情報の可視化の話題。おしゃれ会議の参加者には実は、可視化技術の開発者がお二人参加されていました。どちらも、面白い技術なので、紹介させていただきます。
■ベン図を使って検索
ひとつめは東京大学大学院 情報理工学系研究科 コンピュータ科学専攻、五十嵐研究室という、ユーザインタフェース研究で有名な研究室の研究者の川崎さん。
ベン図を使って、検索を便利にしようというコンセプトのデモンストレーションです。
・Visual Query for Web Search by Venn Diagram
http://www-ui.is.s.u-tokyo.ac.jp/~kwsk/venn/test/venn.html
フレームで、向かって左にJavaアプレットによる入力エリアと、右側にはGoogleの検索結果の表示されるエリアがあります。入力エリアで、まず「無敵」と入力し検索、次に「会議」で検索してみます。それぞれ、Googleで検索が行われますが、
左のエリアには、こんな図が表示されました。
二つの円の重なった部分をクリックすると、「無敵 会議」で検索したページが右に表示されます。
ではさらに3つ目のキーワード「百式」で検索してみます。そして円をドラッグして3つを重ねた後、「会議」と「百式」の重なる部分をクリックすると、
会議か百式がマッチするが、「無敵」は入っていないページを検索することができます。
”会議 百式 -無敵”
という、オプションを使って検索したのと同じことですね。
さらに検索を続けると、キーワードがたくさん貯まっていきます。ひとつのテーマで、キーワードを重複させたり、特定のキーワードを抜いたりしながら、調べていくときには、とても便利なアプリケーションです。
検索結果を保存されるので、検索すればするほど、賢くなる感じがします。
さらに開発中の最新版の存在も教えていただきました。
・最新版
http://www-ui.is.s.u-tokyo.ac.jp/~kwsk/venn/test/venn.html
なるほど。こちらは検索結果のタイトルまでも、ベン図検索に再利用できるように設計されています。ますます便利になりました。
このベン図の検索は、直感的に使えて本当に便利です。Google本家が採用してくれたりして。
■レーダーチャートを使ってランキング検索
次は、参加者のKBMJの山口社長の事業ですが、
・121 Ranking System
http://www.121r.com/
このシステムは既に多数の企業で利用されています。上記のページからいくつもたどることができます。
これはワイン販売のサイトでの利用例ですが、価格、甘口、辛口などの属性の強さを、スライドバーで動かすと、リアルタイムに、分布レーダーと、おすすめのランキングを表示するシステムです。レーダーチャート的に複数の属性の強度を指定することで、最もバランスの近い対象を順番に表示するわけです。
価格だけが勝負ではない嗜好性の高い商材の検索に向いています。
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ちょっと前に作っていた検索インタフェースが紹介されていたのであわてて説明を書いた。 感想や要望などありましたら気軽にコメントください。 まだ完成度も低いし、関連研究もちゃんと調べていないし、研究にできるかどうかも微妙かもしれない。ただ単にベン図を使っただ... 続きを読む
ベン図検索の川崎です。紹介していただいてありがとうございます。まだまだ完成度が低いですが、これから改良していこうと思っています。
些細なことなのですが、うちの研究室は「3D可視化」はあまりやっておらず、「ユーザインタフェース」の研究室なので、大変お手数ですが訂正していただけると嬉しく思います。先生は3DCGのインタフェースで有名になったので、3Dももちろん関係はあるのですが…
ちなみに僕自身は、可視化というよりもユーザが入力した検索キーワードの履歴をどう活かすか、という視点でこのベン図検索をやっています。