使い慣れたエディタでWebフォーム入力 Extedit とアプリのクオリア問題
以前から気になっていたツール。予想通りの便利さに感動。長く使いそう。
・extedit - Webブラウザの入力フォームで好きなエディタを使う
http://mylog.ishinao.net/id/1177
これは私だけの感覚なのかもしれないが、インタフェースには固有の質感ってあると思う。テキストエディタのメモ帳(秀丸やWZEditor)と、ワープロのMS Wordの入力感が、その例で、アプリケーションの動作の重さやビジュアル表現の違いが、入力の質感の違いを生んでいるように思う。
Wordは、厚い光沢紙系の紙に、サインペンで文字を書いている感じがする。テキストエディタは、細いボールペンで、薄いコピー紙にサクサク書いている感じがする。私にとって、ワープロの光沢紙にサインペンの感覚は、なんだか落ち着かないのだ。物を考えて書くのなら、テキストエディタの方が、しっくりくる。
技術的には、開発者がエディタやワープロをプログラミングする際に、リッチエディット系コンポーネントから派生したか、メモ系コンポーネントから派生したか、という違いに起因するような気もしている。リッチエディット系は、文字の修飾機能が最初から実装されているために、ゼロから開発者が機能追加しなければならないメモ系よりも簡単に開発しやすい。だから、オンラインソフトでは安易に多用されて、Wordのように重たい感じのアプリケーションが多くなっているのではないかと推測している。
Webの入力フォーム(Textarea)もまた独特の質感を持っていると思う。基本的にはメモ系の質感なのであるが、もともと決められた項目を埋める枠に収められた場で使われるため、狭苦しくて窮屈な印象がある。なぜか早く入力しろとせきたてられている感じもして、落ち着いて文章を書きにくいし、任意で内容を保存できないので、長文入力は途中でブラウザが故障して、文章を消失するのではないかと心配になったりもする。
このextedit-webは、Webの入力フォームへの入力を任意のエディタで可能にする。入力したいフォーム上で右クリックでメニュー選択すると、一時ファイルが作成され、任煮のテキストエディタでそれを編集し、終了すると同時にフォームへテキストを流し込む。書いた内容も履歴保存されるため、複数の掲示板への書き込み履歴を管理するのにも使える。これで掲示板に気軽に書き込みができるようになりそうだ。
ところで、この質感の話って、皆さん、どうなんでしょうか。分かっていただけるでしょうか。他にも、PDF文書(厚みのある、柔らかい紙)やFlash(テカテカした薄いプラスチック)、Excel(下に何枚も重なっている紙)、JavaApplet(底の浅い入れ物の中で動作する)、Windowsのスタートボタン(ペラペラ)などというアプリ固有のクオリア(質感)を感じています。このクオリアの違いが、アプリのユーザビリティに大きな影響を与えていると思うんですが、あ、誰もわかってくれてなかったりして...。私が電波系なだけ?。
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ReadOneの船木です。
入力するときの質感の違いはよくわかります。
最近、使っているPCがWindows2000からXPになってフォームの雰囲気が変わって、フォントも変えてみたので質感がだいぶ変化しました。
MovableTypeのHTMLのフォームは、横幅を広げられないし行間は詰まってるし、で閉塞感あります。WordPressのほうが書きやすいです。
はじめまして。
かがやと申します。
エントリーにあった「エディタの種類によって思考のモードが変わる」というような感覚は学生時代にレポートを書いている時などよく感じました。
emacsというエディタに慣れてしまっていたのでキーバインドによる違いが大きいのかと思っていたのですが最近ではどんなソフトもemacsのキーバインドに変更できるソフトがあるので試してみるとどのエディタでもEmacsライクなキー環境を構築できます。それでもエディタによってなんとなくノリが変わってくるし同じキーバインド、ほぼ同じ機能のエディタでもMacとWindowsで感覚は違ってきます。
もうひとつ、エディタによる思考モードの変化と似ている問題として僕がよく感じることがあります。
それはテキストの固定感です。
例えばレポートやブログのテキストを書いている時などエディタで書いている時は「これでOK」と思ってエントリーを発行します。
すると不思議なことにエディタではなくブラウザという別なアプリケーションで表示した途端に文字の間違いや言い回しのおかしさなどに気づきます。
これは「書く」時と「みる」「読む」時でアプリケーションが変わるのと同じく思考のモードも変化しているからなのではないかと思います。雑誌に原稿などを書く場合も同じでエディタ上、画面上では間違いを見つけられないのにプリントアウトした原稿をみると「あ、ここ違うなあ」と間違いがみつかります。テキストが現れる場所によってそれを「見る」「読む」我々の意識も変化する、ということが言えるのではないでしょうか。エディタで書いている場合はそのテキストがいつでも動かせるから固定感薄く半「書き」半「読み」のモード、ブラウザや紙の場合はアウトプットがある程度固定されるので意識がコンテンツ・テキストを「読む」側にシフトするような。
実際にこういうことがあるよな、ということくらいしかわかっていないのですが、この特性を利用したら何かできないだろうか、と思う次第です。
例えばある種の思考の方向性が出やすいエディタなり環境というものがつくれるのではないかと。
■船木さん、こんにちは。
メールソフトもフォントを変えると、メールの印象がまるで違いますね。ニュースの内容によって、フォントを自動変更するニュースリーダーとかぜひ作ってください!
■かがやさん、はじめまして。
アプリケーションの質感だけを変化させるソフト欲しいですね。WindowsBlindとかスキンチェンジャーってすでにあるのですが、ああいうのは、デザインは変わるけど質感はどのスキンでも一緒というのが不満に感じています。その点、このexedit-webは視点が新しいなあと思いました。
電波っていうか、モロに共感覚みたいな表現すね。
ていうかアフォーダンスなんでしょうね。
ちと気づきになりました。
はじめまして。「入力の質感」と「思考モードの変化」、漠然と感じてたことをはっきり実感できました。
エディタとワープロでは書いた文章が違いますが、これは立ち上がりスピードの違いも大きいと思います。いつも持ち歩いてるコンパクトカメラと一眼レフとで取る写真がちがうようなものでしょうか?