関西弁講義
なんでやねんなのか、わかりまへんが、東京生まれで神奈川育ちの純粋関東人のウチは、社会人になってからちゅうもの、関西にやたらと縁があり、今も関西人に囲まれとるちゅうわけや。妻は大阪市南部の出身やので、関西弁のネイティブスピーカー。上京してから随分経つので、表面上は標準語も話しとるが、ウチからするとイントネーションがまだまだおかしいちゅうわけや。生後7ヶ月のボウズは果たして、どういう言葉を話すようになるのか、ドエライ気になるちゅうわけや。
と前置き終了で標準語に戻る。
学生時代に、本を書くために、関西のネットショップの経営者の方々を取材して回った。Tシャツ販売の岸本さん、傘販売の宮武さん、OSMCの森本さんなどにお話をうかがってまわった。3人とも、コテコテの(スイマセン)関西弁を操る。
・イージー
http://www.easy.ne.jp/
・カサヤドットコム(心斎橋みや竹)
http://www.kasaya.com/
・オンラインショップマスターズクラブ
http://www.osmc.ne.jp/
イージーの岸本社長にネットショップ運営のコツを伺ったところ極意の「いちびり」がまず分からなくて苦労。でも、関西弁は勢いがあって、人懐っこく、打ち解けた雰囲気がすぐにできる。私はおかげで関西人脈が広がり、何度も何度も関西へ、出張することになり、すっかり関西弁ファンになってしまった。
・いちびり
http://www.kuidaore-osaka.com/2top/deep/03_komaranai/0043.html
最初の頃は、「その本なおしといて」「お茶でもしばこか」「それ、ほかしといて」など言われると「な、なにしますか?」状態だったが、説明を聞くたびになるほどと思う。いつかまとめてこういった文法やイディオムを学びたいなと思っていた。
■関西弁の長年の疑問が次々に氷解する
これは、2200万人が話す関西弁は方言ではなく言語のひとつと考え、言葉の実例を多数集めながら、文法から研究した学者の本。冒頭から面白い。「関西人はよその土地に行っても関西弁を変えようとしない」のは、言語だからで変えられないのだ、とか、「関西人は声が大きい」のではなく高いトーンで始まる単語が多いからだ、など前から気になっていた疑問を氷解してくれる。
文法の解説はどれも興味深い。関東人の多くは、例えば、この本の例をとると、
・食べられへん
・よう食べへん
の意味の違いを説明できない。あるいは、この言葉、
・わて ほんまに よう 言わんわ
わかったような分からないような気持ちになる。
これは、解説によると「食べられへん」は状況不可能を表すのに対して、「よう食べへん」は能力不可能と同時に食べたくないという主観の感情表現が込められているのだという。
また、関西弁といっても、例えば京都、大阪、神戸では違うとして様々な例が挙げられる。
知っていますか?(標準語)
知ったはりますか?(京都)
知ってはりますか?(大阪)
知っとってですか?(神戸)
さらに市レベルでも細分化があるらしく、特に「来る」の否定形をどう言うかで11種類の出身地が推定できるという。妻に聞いたら「けーへん」で、これは大阪市南部。ずばり当たっている。ここらへんは関東人には極めて微妙でわかりにくい。
私は生粋の関東人なのだけれど、かなり練習したので、関西弁をある程度は話せるつもりである。多分、完全な関東人だけの集団の中で30分くらいなら、関西人を装ってばれないことも可能なのではないかと思っている。だが、関西人がいればイントネーションで一発でばれそうだ。ふざけて関西弁を喋っていると、妻からはしばしばイントネーションの問題を指摘される。逆も真なりなのだが...。
最も難しいイントネーションの問題も、この本では独特の発音記号を使って、丁寧に取り上げられている。
これはもう本格的な語学書である。関西弁を深く理解したい人、私のように関西人と結婚してしまった関東人には必須でありがたいおすすめ本。
・Beatles in Kansai-ben
http://www.asahi-net.or.jp/~bg1t-ksmt/beatles.htmビートルズで英語と関西弁を学ぼうやないか
・関西弁基礎講座
http://homepage2.nifty.com/GANSO_hirokun/kouza00.html
・ATOK15の方言対応を記念して
http://www.justsystem.co.jp/news/2001l/news/j12101.html
「ATOK15 関西弁対応記念デザインパッケージ」を2002年2月8日(金)発売オリジナルパッケージで1万本限定販売〜
・KANSAI好っきゃねん
http://www.sonymusic.co.jp/Music/Arch/MH/VariousMH/MHCL-315/
・「なんでやねんCPU」トラブルを関西弁でツッコむマザーがAOpenから!
http://akiba.ascii24.com/akiba/news/2001/02/27/623621-000.html
AX3S Pro IIのDr.Voiceが話す言葉は以下のとおり
・関西弁翻訳
http://members.jcom.home.ne.jp/sho-tora7/kansai-ben.htmフォームにテキストを入力すると関西弁に翻訳してくれます。
おもしろそうな本ですね。さっそく注文しました。
僕は京都出身で就職して関東に出てきたのですが、バリバリの江戸っ子の先輩のもとで「そっか、自分がしゃべってるのは方言なんだ!」と実感した覚えがあります。そのときの会話はこんな感じ。
僕「先輩、こないだの日曜日はどこ行かはったんですか?」
先輩「あ? 『はる』ってなんだよ、『はる』って???」
衝撃でした。
「方言」という考え方も一般人と研究者との間では温度差があって、後者の考え方では大阪弁も方言なら東京弁も方言、またいわゆる「標準語」というのは「スーパー方言」とでもいえるようなものなんだそうです。
関西人を簡単に怒らせる方法というのがあって、関西弁を真似してしゃべってみればいいのです。ものすごく馬鹿にされたと感じられるらしく、怒る方が多いです。
いや、怒らせちゃいけませんが。
他の地方ではあまりそういうこともない。何ででしょうね。
北海道や東北、名古屋、九州、沖縄の人でも、意味もなくその方言を真似すると気分を害しますよ。
ただ真似される機会が少ないだけです。
関西弁は簡単な言葉なら全国的に知られてますからね。