話し方の技術が面白いほど身につく本

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話し方の技術が面白いほど身につく本
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■話し方の技術

人前で話す仕事が多くなってきたので勉強のために読んだ本。セミナーやパネルディスカッションといったイベントだけでなく、名刺交換の直後、他人のプレゼンの準備時間や、休憩時間の前後の、2,3分の隙間時間で、自分を印象づけられる話ができると、いいなと思いながらページをめくる。

・サンドイッチ法
挨拶ではじめる→名乗る→内容を話す→再び名乗る→挨拶で終わるといった具合で、形式を作ることで、突然求められたスピーチにも対応できるというノウハウ。

・ライフル型アイコンタクト
たくさんのオーディエンスの前で話すときに目のやり場に困るという問題の解決法。オーディエンス1人につき3秒ずつアイコンタクト。話の区切りで目線を変える。電車内でのトレーニング法など。

・カラスの声トレーニング
ある種の発声法。口を閉じ、鼻で息を吸う。

など、大量のノウハウがイラスト入りで解説されていく。フムフムいいながら1時間で読み終わる。自分の話し方のスキルはまだまだだなと思った。

自己分析して、ひとつだけ自信を持ってできているのは、腹式呼吸法。子どもの頃、喘息で治療のために医師から勧められ、身についたこの習慣、病気が治った今でも役立っている。おかげで運動音痴でスモーカーなのに肺活量だけは5000を超えている。長く通る発生だけはできている気がする。今となっては喘息万歳。

・肺活量とは肺の換気能力を示す数値
http://health.www.infoseek.co.jp/library/0800/w0801019.html

肺活量の平均値の求め方:
男性={27.63−(0.112×年齢)}×身長
女性={21.78−(0.101×年齢)}×身長

私の場合、平均値は4285だから平均を超えることができた。

「健康な成人では男性は3000〜4000ml、女性は2000〜3000mlくらいになります」

最近、仕事術でベストセラー連発の斉藤孝氏も呼吸法の本を出版している。腹式呼吸は健康にも良いらしいのでおすすめ。

■音声によるお手本と魅力的な声質

この本にはCDがついていて著者の話し方セミナーが丸ごと収録されている。本だけでは分からないニュアンスがここで補完される。話し方の本にCDをつけるのは大正解だなと思った。聞いてみると、話の内容はともかく、確かに聞き取りやすい。間の取り方が特に勉強になった。

話し方に理想形はなくて「らしさ」って重要だなと思う。経営者らしさ、研究者らしさ、営業マンらしさ、やり手コンサルタントらしさ、個人ブランドの人なら○○さんらしさ。聞き手が求めている像を守りつつも意外性を打ち出していく。個人的に惹きつけられるのは、言葉を慎重に選びながら落ち着いて話す人。それでいながら、話の内容が大胆で本質を突いていると、すごいなこの人と思う。

声質というのは生来のもので練習で変えるわけにはいかないのかもしれないが、最近、テレビで興味深い番組を観た。世界的にも数えるほどしか存在しない奇跡の声を持つ岡本知高のライブ&トーク。

・ソプラニスタ
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・岡本知高オフィシャルサイト
http://www.p-and-d.co.jp/okamoto/
男性でありながら、女性ソプラノの音域を持つ世界でも稀有な存在の男性ソプラノ“ソプラニスタ”

まずはこんな声が出せるのかと驚愕。さらに声質を科学者が分析したところ、波形も特殊で、美空ひばり、ビートルズなどと同じ1/fゆらぎが計測されるとのこと。声を聞くことでα波による癒し効果があるそうだ。声の世界は奥が深い。

■自分の話す姿を撮影して眺めてみる

前回の超本格会議はビデオで録画していた。DVDへコピーをしながら、自分のしゃべり方を見直してみた。悪い癖をいくつも発見。自分の話す姿をビデオでみるのははじめてだったけれど、非常に勉強になった。無意識に出ている言葉や動作、意識して行っていることの効果、が客観的に分析できる。

私は話の中に「要するに」「つまり」「結局」がとにかく多い。10分のうちに10回以上使っている部分が何箇所もあった。ほとんどは、なくても意味が通じる。これは今後、意識して直した方がよさそうと思った。歩き回ったり、身体を傾けると見栄えがよくないことも知る。
この本のチェックリストを見ながら、今まで聴いた講演を思い出す。話す内容のプロは多いけれど、話し方のプロって案外少ないのではないだろうか。面白い話をもっと面白く伝えるための技術として、話し方の技術、重要に思った。

次のイベントに向けて練習、練習と。

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コメント(7)

さこと :

あなたの魅力を演出するちょっとしたヒント(鴻上尚史) ISBN: 4062738856
がお勧めです。演劇の演出家による「魅力的に見えるための実践的なアドバイス集」です。私は演劇経験者なのですが、ここに書かれていることは舞台上でも舞台外でも多く通用することだとおもいます。

daiya :

情報ありがとうございます。演劇は詳しくないですが、鴻上尚史さん、名前知っています。読んでみます。

今、ルーチンのように研修に通っていますが、、、講師の話し癖は非常に気になるものです。
今日の講師は、「〜かと思います。」が殆ど全ての文末に。
「では第三章に移りたいかと思います。」って、使い方間違ってるでしょ〜とイヤ気になって気になって^^;
講演の場でも、内容より話し癖に注目されたらたまんないですよねえ。

私は橋本さんを真似る時は「ああ〜〜」と首を後ろに反らす動作しますよ。
大したこと言ってなくても、そうやっていただけると何だか嬉しいので、その癖は私大好きですが(笑)。

そういえば、去年の暮れに成果発表会なるものがあったのですが、翌日、部長さんから
「昨日の君の発表です。客観的に聞いてみましょう。」と録音ファイルが送られてきました。
彼は全ての自分のプレゼンを録音し続けているそうです。
私も、鼓膜だけを通した自分の声への違和感に気をとられてしまっていてはいけない。。。

daiya :

むむ?よく観察されている誰?と思ってWebを見たらわかりましたよ。ブログやってたんですね。びっくり。

うう、来週火曜が話しにくい(笑

私は癖が多いので真似されやすいようです。子どもの頃から真似されつづけてきました。うー。

意識してみていたら、やはりテレビとかでいつも出ているような人は癖が少ないなあと。

quinn :

「話す」ということは「相手に伝える」ということなので、つまりは「話す技術」=「プレゼンの技術」と認識しました。

先日、プレゼンテーションについての学習会に参加をしてきたのですが、その中でも「話し方」や「会場の見渡し方」「ジェスチャーの仕方」などさまざまなノウハウが紹介されていました。
その学習会で講師をしてくださった谷口先生も講師を努める「パフォーマンス学講座」の体験公開セミナーが開催されます。こちらに参加されるのも面白いかと。
代表の佐藤綾子先生は日本のパフォーマンス学における第一人者だそうです。

http://www.spis.co.jp/

なんか、谷口先生のまわし者みたいになってしまいましたね(笑)

Shin :

私は「つまり」「要するに」は意識して過剰に使っているように思います。
さらには自分以外の話し手にも、積極的に使っていただきたいと思っています。

文章ならともかく、会話では一度の説明では理解できないことがほとんどですから。自分の知らない概念ならなおのことですけど。

どうなんでしょうね。
本当の話すプロの講演を多数聞けば私の考え方も変わるのかもしれませんけれど。:)

KYOKO :

橋本さんが壇上で話されるのを2度拝聴したことがありますので、asummerさんのおっしゃる橋本さんの癖がとてもほほえましく理解できました(^^)
話すときの癖。。。私の場合は“絶句すること”もその1つです。やば〜。幼稚園のPTA会長をしていた昨年度は、開会挨拶をするのが仕事でしたが、入園式でも修了式でも5秒ほど絶句してしまい、お集まりの皆様にハラハラさせてたと思います(汗)

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このページは、daiyaが2004年2月18日 23:59に書いたブログ記事です。

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