検索ニーズ指数
検索エンジンのインフォシークは毎月検索キーワードランキングを発表している。
・インフォシーク検索キーワードランキング
http://www.infoseek.co.jp/Keyword?pg=ranking.html
特定のキーワード検索回数÷全検索回数の計算を行い、よく検索されるキーワードの順位を発表するものでマーケティングデータとしていつも興味深い。表を眺めているうち、これらのキーワードを実際に検索してみると、だいぶ検索結果数にはキーワードごとに差があることに気がついた。
つまり、世の中には、
A 検索されることが多いが存在するページが少ないキーワード
B 検索されることは少ないが存在するページが多いキーワード
の2種類があるわけだ。そこで、検索回数ポイント÷検索結果数×100として検索ニーズ指数をExcelで算出し、指数順で並べてみたのがこの表だ。
検索順位と指数による順位変動 | キーワード | ポイント | 検索結果数 | 検索ニーズ指数 |
2位↑ | 2ちゃんねる | 4088 | 61,300 | 6.668841762 |
5位↑ | 攻略 | 3562 | 235,000 | 1.515744681 |
4位↑ | 壁紙 | 3806 | 623,000 | 0.610914928 |
1位↓ | 無料 | 6676 | 3,030,000 | 0.220330033 |
10位↑ | 携帯電話 | 2348 | 1,170,000 | 0.200683761 |
6位↓ | 大阪 | 2688 | 1,570,000 | 0.001712102 |
9位↑ | ゲーム | 2386 | 2,030,000 | 0.117536946 |
3位↓ | 写真 | 3840 | 3,440,000 | 0.111627907 |
8位↓ | 東京 | 2417 | 2,610,000 | 0.092605364 |
7位↓ | 掲示板 | 2494 | 4,850,000 | 0.05142268 |
2ちゃんねる、壁紙、攻略については指数が大きかった。よく検索される需要がある割に、その情報を提供しているページが少ない例だ。ベースとしたトップ10のうち5つが順位を上げて、5つが順位を下げた。指数の変動する幅はグラフでご覧いただけるようにかなり大きい。ランキングデータを100位や1000位まで入手して計算すれば、指数ランキングのトップ10はまったく違ったものになる可能性がある。
何もこの指数をこのままSEO分析に使えるとか、未参入市場の大きさを測れる、とまでいうつもりはないが、少し考えてみると、
・2ちゃんねるの情報は求める人が多い割に、アングラ的イメージがあるので提供者が少ない
・壁紙のダウンロード先を探す人は多いが、壁紙画像の制作能力も必要であるし著作権などの問題もあるため提供者は限られている
・ゲーム攻略情報はおそらく著作権などの問題もあって、個人ベースのWebが多く、提供事業者が少ない
ということは、ある程度、言えるのではあるまいか。つまり、検索回数と提供数の乖離のある(=検索ニーズ指数の大きな)キーワードには、何らかの事情や物語が背後にあって、需要と供給バランスが崩れている可能性があるということだ。その事情や物語を考えることで、ビジネスチャンスをみつけることはできるかもしれない。
また、この単純な指数の考え方はWebサイト内キーワード検索の履歴からも算出すると、お客の求めているデータと提供しているデータ数の差であるとか、用語の統一の必要性などを発見できたりもするだろう。
もう少し他のデータと連携させて、統計計算を行うとチャンス発見のてがかり指数としてブラッシュアップできるかもしれない。みなさんの改善アイデアをよろしくお願いします。
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橋本さんお久しぶりです。安藤です。
私は橋本さんほどアカデミックには考えていないのですが、この指数を用いてGoogleアドワーズの効果指標事前測定に用いました。infoseek以外のランキングを使用しましたが、CPCを上げて頑張ってスポンサードするに値するキーワードなのか否かをこの計算法によってクライアントに提出していました。
仕事の原稿を書いていてまだ起きてました。
安藤さんこんにちは。
なるほど。単純な計算なので私が最初のわけはないですね。そうか、やはり仕事にも使える指数なんですねえ。
AdWordsの単価と掛けて、なにかもう少しいじったりして、キーワードの時価総額とか、広告のROIの見込み値とか予想できると面白そうですね。