ザ・プロフィット 利益はどのようにして生まれるのか
私はビジネスで黄色いリーガルパッドを好んでよく使う。会議では人が話すことや自分の次に話すことをメモしたりする。いろいろ試したが、ケンブリッジのレポート用紙タイプが好きだ。色合いと紙質がいい。
・ケンブリッジリーガルパッド
70シート・カナリーシート
ミシン目付・レポート用紙タイプ
http://www.maruzen.co.jp/home/bungu/mead_e/mead_e.html
そもそも、リーガルパッドを使うようになったのはこの本がきっかけだった。
これは企業活動にとって最も重要な利益についての本だ。
ベストセラービジネス小説。場所はマンハッタンのダウンタウン。大企業デルモアで働く若者スティーブが毎週土曜日、ビジネスの賢者チャオに企業の利益について教えを請う。繰り返される問答の中、現代のビジネスを網羅する23の利益モデルが語られていく。ひとつひとつの利益モデルをチャオは、リーガルパッドに図として書きなぐって、スティーブに渡す。
ITビジネスの利益モデルも含まれる。例えば、「デファクトスタンダード利益モデル」。かつてのミニコンのように互換性と標準のない世界ではユーザは高いコストを支払わざるを得ない。これはインストールベース利益モデルの世界。ベンダーは自社固有のシステムで顧客を縛り、しばらく利益を挙げる。ユーザは支払う高いコストだけでなく、次のモデルはどうなるの?とイライラを募らせる。実は高いコストではなく、このイライラによって、このモデルは破綻するもしれない。ユーザはこうした状況では、業界標準モデルを欲するようになる。こうしてデファクトスタンダードが登場する。
デファクトスタンダードを確立した上で、マイクロソフトならウィンドウズ3.1、95、98、2000、ME、XP、データベースのオラクルなら5.0、6.0、7.0、7.1、7.2、7.3と、バージョンアップを続けていくことで、これらの会社が莫大な利益を確保できる理由をチャオはスティーブに問う。
答えは、予測可能性、アップグレード、アプリケーション、マーケティングコストの大幅削減
事実上の標準の上でならばベンダーもユーザも未来を予想しやすくなり、予期しない出来事に対応するコストを軽減できる。ベンダーは、アップグレードにより定期的で予想可能な利益を継続して確保し、さらには標準上で動くアプリケーションを販売してさらに利益をあげる。ほおっておいても顧客がマーケティングを肩代わりしてくれるので、販売及びマーケティングコストを大幅に圧縮する。
こういった利益モデルに関する、質問と回答が23回繰り返される。チャオの質問のくだりで、毎回しばし読むのをやめて、スティーブになった気持ちで回答を考えてみると、この本は2倍楽しめる。こうすると、チャオの答えの深さ、教育的配慮、優しさが見えて、こんなビジネスの師から23枚のリーガルパッドを手渡してもらえたらなあ、と思った。
考えながら読める工夫が秀逸。著者は「デジタルビジネスデザイン戦略」を書いたエイドリアン・スライウォッキー。20代後半から30台前半くらいのビジネスマンなら特に必読と思った。利益モデルごとに章が分かれた、小説だから、忙しいビジネスマンでも読みやすい。
評価:★★★☆☆
ちょうど商品の価格設定について悩んでいるところでしたので、参考になると思い購入することにしました(もちろん、amazonアフェリエイト経由で ;-)
実は書籍のイメージを見たときに「チェンジ・ザ・ルール!」のエリヤフ・ゴールドラット氏の著作と勘違いしていましたが、書評の最後を見て著者が違うことに驚きました。
装丁で顧客の興味を惹くのもマーケティングの基本だよなあ、と意外なところでマーケティングの実例を見つけました(笑)
(airnetは「回線速度を確保するためアクセスポイントごとのユーザ数を限定していた頃」から使い続けています。橋本さんと同じくらいのユーザ歴でしょうか。)
こんにちは。リプライ遅れました。
ザゴール系もレビュー書こうと思います。確かに似ていますね。最近あの装丁でネットワークビジネスものも出てました。間違って買いそうでした。
AIRNETは小粒だけどいいプロバイダですね。サービス開始の頃からユーザです。ADSL時代になると速度や接続がどうこうってあんまり考えなくなってしまいましたが、サポートもサービスの安定感もいいかんじですね。
運営会社のアドテクスにもベンチャーとして注目しています。
・アドテックスの物語
http://www.lead-in.com/column/isono/chinbotsu.htm
・アドテックス
http://www.adtx.co.jp/