好き、嫌い、好き、嫌い、好き?

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有名なサービスなので、Am I Not Or Hotって皆様ご存知かと思う。男女が自薦で写真データをWeb上に登録する。その他の一般ユーザがサイトを訪問すると「私ってイケてる?イケてない?」という質問と異性の写真、そして10段階評価の選択バーが現れるので、好みの度数をクリックする。すると他のユーザの採点の平均値と次の異性の選択セッションが始まる。

・HotOrNot
http://www.hotornot.com/

異性の顔以外ではこんなものもある。

・Gnod
http://www.gnod.net/
・gnoosic
http://www.gnoosic.com/
・gnooks
http://www.gnooks.com/
・gnovies
http://www.gnovies.com/

Gnodは、ユーザにオススメをリコメンドするサービスだ。最初にランダムに提示される音楽や本、映画、Webサイトを好きか嫌いかを尋ねてくるので、好き、嫌い、どちらでもない(No opinion)をクリックで選択すると次の作品が提示される。これにまた好き嫌いを答える、この繰り返しだ。少しずつユーザの好みに応じて最適なリコメンドが行われる仕組み。音楽のRelatedBandを選ぶと類似したバンドの地図が表示されたりもする。

gnodsc1.JPG

日本語ではこんなサービスがある。

・Cinemasape
http://cinema.intercritique.com/
「あなたが入力した評価と過去に他の人によって入力された評価の類似性に基づいて、あなたの趣味にあっていると予想される映画を推薦します」

・コメント文を利用する映画ナビゲーション
http://www.r.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/~nakagawa/academic-res/abebe01.pdf
上記サービスの論文。

少し異なるが、

・自分史作成iMap.gr.jp
http://www.imap.gr.jp/
「このサイトには、1975年以降の音楽、流行、映画、テレビなどさまざまなジャンルのできごとが、17万件登録されています。そのなかから、あなたが経験したことや、記憶に残っているものごとを選択して、メディアを通して見たあなたの自分史をつくってください。」
・1,000個の回答から世相が見える? 社会調査サイト「iMap.gr.jp」
http://www.watch.impress.co.jp/internet/www/article/2000/1011/imap.htm

こちらでは、スクロールしていく17万件のキーワードから知っているものをひたすらクリックすることで自分とその世代の傾向や性格分析が行われる仕組み。私は200件ほど入力したが、性格診断はこんな結果だった。そんなにネットに依存しているとは思わないのだが。ここでは世代別や居住地ごとの認知度ランキングなどの情報を見ることもできる。自分がどれくらいTypicalなのか逆にズレているのか、分かる。

imapgrjpsc1.JPG

こういったサービスの多くは、面白いがビートルズが好きというユーザにローリングストーンズを薦めたり、ダイハードが好きなユーザにダイハード2を薦めてくれたりする。そりゃあそうだ。精度は高いと言えそうだ。だが、役に立つかというと、感動するほどではない。音楽も映画も好きな分野は詳しいので万人の傾向からでは、面白い発見が少ないのだ。そもそも興味を登録する過程に楽しさが少ないので、情報を入力しにくい。(CinemaScapeは得点だけでなく映画マニアの濃い書き込み文章が多いので面白いですけどね)。

例外的に一番、楽しかったのは冒頭のHotOrNotだ。

異性の顔を好みで判断するのは大抵の男性なら(女性のことは分からないから)一瞬の情報分析だろう。これはコンピュータにやらせるのは難しいことだ。背後の情報量は相当多い。しかも、美人が続くと選んでいて楽しめるから次々に選んでしまい、データベース全体の美人精度があがっていく。人間にしかできない高度な判断情報を、欲求というインセンティブで大量に入力を促し、データベースの精度を高めている

アダルトサイトでやったら抜群の効果なのではないか。

・RateMePersonal Adult personals
http://adult.ratemepersonals.com/adult-personals.htm

と思ったらあった...。

ナレッジマネジメントやグループウェアを導入したが誰もデータをアップしないので使えないシステムのままだと悩む企業は多い。リストラ時代に、「なんで俺の仕事の成果や知識を共有しなきゃいけないんだよ」という社員もいるだろう。ナレッジシステム導入に当たっては、AIDMAの少し下のレイヤー、目先の欲求や欲望の満足もシステムに組み込むことを考えた方がよいはずだ。情報の共有インセンティブをシステムへ織り込むという点では、HotOrNotは、単なるおふざけと笑えないかもしれない。結構、本質を突いているのではないか?。

あなたの会社の情報システムは、欲望と官能に満ちた世界になっていますか?

(謝辞:コラム執筆中、夜中にimap.gr.jpのURLが思い出せずオンラインでヘルプしていたただいたklabの半澤さん、真にありがとうございました。)。

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コメント(1)

watal :

面白いですね。
情報共有・分析のためのインセンティブは、きっと
その結果を知ることにあるんじゃなくて、もっと
レイヤーの低い過程にあるんだってのは言い得て妙。

株価のボラティリティに対する嗜好みたいな
データから、最適なポートフォリオを提案するような
仕組みってできないかなぁとか云々。
なんかきっかけをいただいた気がします。

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このページは、daiyaが2003年10月23日 23:56に書いたブログ記事です。

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